ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ムイ(森)

2012年09月07日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 森と林の違いがはっきりと解らないが、木が3つと2つの違いで、森の方が林より規模が大きいのではないかと何となく解釈していた。この機会にはっきりさせようと思って広辞苑を引いた。森は「樹木が茂り立つ所」、林は「樹木の群がり生えた所」とあった。茂り立つと群がり生えたがどう違うのか、結局、はっきりしない。
 なっぴばると名付けた仮に借りている畑は西原町にあり、周りは畑、墓地、原野に囲まれている。原野の辺りを森と呼んでいいのか、林と言った方がいいのかと迷って、「森と林の違いとは何だ?」となったわけ。違いははっきりしなかったが、私の感覚で森ということにする。ただし、規模は小さい。2時間もあれば一周できそうな程度。

 今年春に旅をした伊是名島、粟国島のいずれでも見つけたホウロクイチゴ、それまで見たことが無かったので、てっきりヤンバル(山原:沖縄島北部の通称)のような田舎にしか生えないものと思っていた。ところが、なっぴばるの傍、道向かいの原野の縁にホウロクイチゴを見つけた。「ほう、こんなところにも生えているのか、田舎者では無かったんだな」と思いつつ、「いや、ここが田舎に近い環境なのかも」とも思う。
 実は、もう一つ驚いたことがある。これも田舎の者とばかり思っていたアカショウビンがいるのだ。姿はまだ見てないが、その鳴き声は毎日何度も聞こえてくる。
 マングースが畑を横切り、ウグイス、シジュウカラ、セッカなどが多くその姿を見せ、その鳴き声を聞かせてくれる。そしてアカショウビンもいる。よって、なっぴばるの道向かいの原野は「森」と呼んで差支えなかろうと思う。

 森のことを沖縄ではムイと発音する。ムイが『沖縄大百科事典』に載っている。地形としては「土石であれ、樹勢であれ、高く盛り上がった地形をいう」とのこと。
 倭国でも同じだと思うが、そういった場所は概ね聖域になる。聖域のことを沖縄では御嶽(うたき)と言い、それは今でもよく耳にする言葉だ。有名な斎場御嶽(せーふぁーうたき)の他、弁が岳、末吉公園に御嶽があり、おそらく、あちらこちらにもあると思う。ただし、御嶽は「近世以後の王府の公用語」で、元々はムイと呼んでいたとのこと。

  なっぴばるの道向かいの森にも名前はあるに違いない、それを訊こうと思っていたら近所の農家の一人、いつも挨拶だけはしている爺様に会えた。「さー、この辺りは何て言うのか分からんねぇ、クサティムイになっているとは思うけどねぇ」とのこと。
 クサティムイは数年前に教わった言葉だ、固有名詞では無い。「頼る森という意味」だと私は聞いて、後盾(うしろだて)森という漢字を勝手に想像していた。で、改めて調べてみると、その漢字は間違っていた。『沖縄大百科事典』に「腰当森」とあり、「西北風を防ぐ集落の鎮守として祖霊が祀られ」る場所とのことであった。
 「そうか、集落の鎮守か、・・・あれ?鎮守の杜ってよく聞くが、鎮守って何だったっけ?」と広辞苑、「その地を鎮め守る神」のこと。つまり、おそらく、だいたい、鎮守の杜とクサティムイはその意味もそれに対する人々の想いも同じようなものであろう。
 なっぴばるの道向かいの森、聖霊の宿る森、集落の鎮守の杜、クサティムイ。きっとそこは私もなっぴばるも守ってくれるに違いない。ありがたや。
     

 記:2012.8.30 ガジ丸 →沖縄の生活目次

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