ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

勝つと思うな

2014年10月17日 | ガジ丸通信-その他・雑感

 昔の歌謡曲、美空ひばりが歌う『柔』、子供の頃に聞いて、その後、テレビの「懐かしの歌謡曲」とか何とかいう番組で耳にしているので、そのメロディーはよく覚えている。ワンコーラス歌える。その歌詞もいくらか覚えている。

 勝つと思うな 思えば負けよ ・・・この胸の
 奥に生きてる柔の道は 一生一度の・・・・・・

 脳味噌の奥を穿ったが、・・・・・・の箇所は思い出せなかった。ともかく、その出だし「勝つと思うな思えば負けよ」が子供の頃から理解できなかった。
 歌の材は柔、つまり柔道なので格闘技だ。「勝とうと思うとその欲が不自然な動きをうみ、却って負けてしまう、自然体の方が良い」ということかと思ったが、「勝とうという意欲が無ければ勝てないじゃないか」と自身で反論し、スポーツの世界では「勝つという強い意志が勝利を呼ぶという人もいるじゃないか」とも思った。後期オジサンという年齢になった今、改めて考えてみても、まだ、どういうことなんだ?と判断できない。勝負の世界での「勝つと思うな思えば負けよ」の真意を私は今も理解できていない。

 春、畑の作物は害虫に酷くやられ、期待していた生産は予定の、大まかだが5分の1ほどしかなかった。梅雨時は日照不足で作物の成長は鈍く、梅雨が明けてやっとバナナもパパイアも果実が育ち、夏の商品となるゴーヤーも実を着け始めたと思ったら、7月の台風8号によってバナナもパパイアもゴーヤーも全滅となった。
  「このままでは生きていけない」と私は危機感を持っている。だからといって、害虫退治に殺虫剤を使うとか、台風対策に多額の資金が必要なハウスを建てるとかは考えていない。無農薬無施肥の自然栽培で何とか生きていく方法を模索し続けるつもり。

 春、作物を害虫にやられた時、「何糞、今に見ていろ、いつか勝ってやる」と思い、台風8号にやられた時も「何糞、台風にも負けない栽培方法を見つけて、台風にも勝ってやる」と思った。であったが、先日(10月11日~12日)の台風19号の襲来で、またもバ ナナ、パパイアなど畑の作物がやられた時は少し違った。
 台風の後始末、バナナやグヮバの立て起こしなどをしている時にふと、冒頭の「勝つと思うな、思えば負けよ」の歌を口ずさんでいた。「思えば負けよの後は何だったっけ?」と考えている内に、考えは別の方向へ行って、「相手は自然だぜ、俺よりうんと長く生きている奴だぜ、それに勝とうなんて傲慢だぜ」となった。
 「勝たなくてもいいんじゃないか、いや、元々勝負しなくていいんじゃないか、それはあるもんだと思って、逆らわなくていいんじゃないか」とまで考えが進んだ。作物が虫に食われるのであれば、食われないように防虫ネットを張る。それは虫と勝負しているんじゃなくて、虫をかわす、振りかかる火の粉を払うみたいなもの。
 喧嘩しない、闘わない農夫は何をするか?淡々と農作業を続けるのみ。台風に倒された果樹を立て起こす。防虫ネットを張る。邪魔な雑草を抜く。畝を立て種を播く。そういったことを淡々とやっていこう。そうやっていつか、生きる術は見つかるはず。
          
          

 記:2014.10.17 島乃ガジ丸

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