ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

仕来りの生まれ方

2011年01月07日 | ガジ丸通信-社会・生活

 2011年の年明けは実家で迎えた。前日大晦日の午後、実家へ行き、そのままずっと実家にいて、仏前に年越しソバを供え、御相伴し、年が明けてから寝た。
 年が明けてから寝るのは久しぶりのこと、ここ数年記憶に無い。大晦日はいつも一人で酒を飲んで過ごし、除夜の鐘が聞こえる前には酔って、寝ている。早く寝るので、元旦の目覚めが早い時もあり、建物の間からだが、初日の出を拝めたこともある。
 2011年の目覚めは午前8時であった。12月後半にひいた風邪もすでに完治して、体長は良好、実家には暖房器具もあって快適な睡眠であった。ぐっすり寝た。
           

  寝坊したせいで遅くなってしまった元旦の朝飯、用意したのは自作の雑煮とスーパーで買った御節4点(ごまめ、黒豆、栗きんとん、昆布巻き)セット。自作の雑煮は前日に家で作って、一人分をタッパーに入れて持ってきてあった。我が家の伝統、つまり、母の作る雑煮は鶏肉と大根(人参なども入っていたかもしれない)の白味噌仕立てであったが、私の雑煮は魚介の出汁に大根とコンニャクとネギの済まし汁仕立て。
 我が家の伝統に逆らっているのは、母の作る雑煮が不味かったからではけして無い。母は料理上手であった。他の沖縄風御節料理も含めて皆美味しかった。ただ、澄まし汁仕立ての方が酒の肴に代えやすいからという飲兵衛の都合によるものである。
 自作の雑煮、タッパーから出して鍋に移し温める。ところが何と、迂闊にも、肝心の餅を忘れた。前日買ってあったのだが、家に忘れた。外は寒いし、今から買いに行くのは面倒だし、ということで、餅の入っていない雑煮を仏前に供えた。
          

 餅が入っていたとしても私の自作の雑煮は、我が家の伝統では無い。他の御節4点セットも我が家の伝統では無い。ごまめ、黒豆、栗きんとん、昆布巻きなどは倭国風であり、沖縄の伝統的正月料理でさえ無い。沖縄の伝統、及び我が家の伝統的正月料理は豚肉、昆布、ゴボウなどの煮物、魚、ゴボウ、インゲンなどの天ぷら、紅白の蒲鉾、サーターリンガク(田芋のきんとんのような物)そして、中味(ブタの内臓)の吸い物。
  大晦日の年越しソバもまた、私は伝統に則っていない。沖縄の伝統はおそらく沖縄ソバであろう。我が家の伝統は、私が子供の頃からずっと、母が作る鍋焼きウドンであった。母の作る鍋焼きウドンは美味しかった。美味しかったが、私の年越しソバは鍋焼きウドンでも沖縄ソバでも無く、倭国風の蕎麦、ざるそばにして食う。

 お節料理も年越しソバも我が家の伝統に則らないのには訳がある。先ず、沖縄風お節料理は手間がかかるのと、私は正月には日本酒を飲む、日本酒には豚肉料理よりもごまめ、黒豆、昆布巻きなどが合うからだ。また、ざるそばも日本酒の肴になるからだ。
 もしも私に子供がいたら、私の作る年末年始の料理を見て、それが我が家の仕来りだと思い、受け継がれていくであろう。仕来りはそうやって生まれる。私が飲兵衛であるばっかりに、我が家の料理は「酒の肴になる」ということが条件になるに違いない。
 そんなわけで、母が長年かけて作り上げた仕来り、大晦日には鍋焼きウドン、正月は沖縄風御節に、白味噌仕立ての御雑煮というのは絶えることになる。
 「母さん、残念だろうけど、これも運命だ。」と言うしかない。

 記:2011.1.7 島乃ガジ丸

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