ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ヒロハナンヨウウコギ

2017年07月16日 | 沖縄の草木:中木

 ヒロハナンヨウウコギは、「広い葉で、南洋出身の」とまでは解るが、ウコギって確か植物名だったけど、何だったっけ?となった。で、広辞苑、「ウコギ科の落葉低木。山野に自生。(中略)乾した根皮は生薬の五加皮・・・」とのこと。
 五加皮を私は、五加皮酒という名前で知っている。ウカッピシュと読む。子供の頃、家にたびたびあった。母の友人のRさんが台湾土産として持ってきてくれていた。私も何度か飲んだことがある。苦いものだったという記憶がある。後年、五加皮酒は滋養強壮の薬だと聞き、「父がアノために使っていたのか」とニキビ面の少年は思ったのである。

 ヒロハナンヨウウコギは、実は、その名前を知ったのは今回調べてからであり、それまではずっとアラリアという名前で覚えていた。実家には庭が無くて、ベランダに鉢物を置いていたが、その中の一つに、既に枯れて今は無いが、アラリアの鉢が一つあった。それは、涼しげな姿が気に入って私が買ったもの。アラリアはしかし、観葉植物としての流通名であり、アラリアという植物は別にあって、本種とは同じウコギ科だが別属。
 ウコギ科というと、そういえばタラノキもそうであった。タラノキは山菜として有名、その新芽のタラノメを食用とする。お浸しで、天麩羅で、私も何度か食べている。
 ウコギ科というと、タイワンモミジもそうだ。そういえば、タイワンモミジの別名はホソバアラリアと言う。その通り、葉が細い。ヒロハナンヨウウコギはもちろん、その名の通り、葉が広い。タイワンモミジとヒロハナンヨウウコギは同属。

 
 ヒロハナンヨウウコギ(広葉南洋五加)
 ウコギ科の常緑中木 南洋諸島、ポリネシアに分布 方言名:なし
 本種はアラリアという名前で流通しており、私もずっとアラリアと呼んでいた。ところが、アラリアはタラノキ(Aralia)属で、本種はタイワンモミジ(Polyscias)属。ヒロハナンヨウウコギとは『沖縄の都市緑化植物図鑑』に別名としてあった。ところが、ウコギはウコギ(Acanthopanax)属。なので、どちらも名前としては由緒正しくない。同書での本名はポリシャス・ギフォレイで、これは学名から。当然、こちらの方が由緒正しいとなるが、覚えにくい。また、アラリアはアラリアそのものと混同するので、ここではヒロハナンヨウウコギとした。ちなみに、ホソバアラリアとはタイワンモミジのこと。
 観葉植物の鉢物として多く見かけるが、沖縄では露地植えでき、生垣や添景として庭にも使える。葉数が少なめでさっぱりとした姿は涼しげである。
 高さは3mほどになる。古い枝の葉が枯れ落ちて、大きくなると下の方がスカスカになるが、剪定すれば切った近くから新枝を出して、新葉を付けてくれる。
 耐陰性があるので、庭の暗い箇所でも十分に生育する。葉の形に変化のある園芸品種が多くある。開花期は5月から7月とあるが、花は目立たない。私は見たことがない。

 記:島乃ガジ丸 2009.10.13 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行

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