ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

キボシサシガメ

2017年09月22日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 油断大敵のカメムシ

 カメムシの類は「へっぴり虫」との異名もあるように「屁を放(ひ)る虫」で、「触れると臭腺から猛烈な悪臭を出すものが多い」(広辞苑)とのこと。しかし私は、それが人体に害を及ぼすもので無ければ、悪臭ごときに恐れおののきはしない。
 ところが、カメムシの一種であるサシガメの類には人を刺す衛生害虫もあるらしい。それについては既に、2007年11月23日付記事『キベリヒゲナガサシガメ』の説明文にも書いてある。「サシガメの類には人を刺す衛生害虫もある」ということを私は約10年前から知っていたということになる。ところが、
 ところが、記憶力の弱い私はそんなことすぐに忘れる。「サシガメの類は危険」という情報は、私の脳味噌の中に微塵も残っていなかった。今回、キボシサシガメを調べ、その説明文を書いている時に「あー、そういえばそうだった」と思い出した次第。
 ところが、恋人(がいたころも過去に少しあった)が髪を切っても気付かない私は、細かいことにはちっとも気付かない大雑把な性質である。そんな私がカメムシのような虫を見た時、それがサシガメの類であるかどうかなんて気付く訳もない。

 キボシサシガメを見た時、それがカメムシの類であろうとは予想できたが、サシガメの類とまでは想像しない。それが危険だなんて思わずに、ゴム手袋をしていたこともあって掴んで写真を撮った。そのキボシサシガメは既に死んでいた。
 写真を撮って(2016年9月21日)からほぼ1年が過ぎて、その写真の者が何者か調べ、キボシサシガメと判明する。すると、図鑑の説明に「時折人間を刺すことがあり、かなり痛い」とある。手袋してて良かった、相手が死んでいて良かったと思った。
 
 キボシサシガメ(黄星刺亀):半翅目の昆虫
 サシガメ科 南西諸島の一部、台湾、フィリピン、インドに分布 方言名:フー
 名前の由来は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「革質部は黒褐色で1対の楕円形の黄色紋を有し、和名はそれに由来する」とあった。サシガメについては広辞苑に「カメムシ目サシガメ科の昆虫の総称・・・多くはほかの昆虫を捕らえて吸血するが、人を刺す衛生害虫もある」とあり、(口吻を刺して)「吸血する」ことからだと思われる。
 広辞苑の説明文に「人を刺す衛生害虫もある」ともあるが、本種はその1つのようで、『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「時折人間を刺すことがあり、かなり痛い」とあった。気をつけなきゃと思ったが、出会う機会は少なそうだ。同書に「雑草地や灌木林の地表に生息するが、個体数は多くない」とあった。私も2016年9月の一度しか見ていない。
 体長13ミリ内外。寄主は昆虫類、成虫の出現は周年。分布を南西諸島の一部と上記したが、詳しくは「石垣島、北大東島、沖縄島、トカラ列島」とのこと。
 
 横から

 記:2017.9.8 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『日本原色カメムシ図鑑』友国雅章監修、全国農村教育協会発行