ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

タイワンマルカメムシ

2014年10月17日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 タイワンの何故?

 名前にタイワンと名のつく昆虫は多くある。昆虫だけでなく、他の動物にもあり、植物にも多くある。ガジ丸HPで既に紹介したものだけでも、動物ではタイワンキチョウ、タイワンアサギマダラ、タイワンキドクガ、タイワンクロボシシジミ、タイワンエンマコオロギ、タイワンカブト、タイワンクツワムシ、タイワンツチイナゴ、タイワントゲカメムシ、タイワンハネナガイナゴ、タイワンシロガシラ、植物ではタイワンウオクサギ、タイワンクズ、タイワンケヤキ、タイワンハチジョウナ、タイワンフウ、タイワンモミジ、タイワンモクゲンジ、タイワンレンギョウなど。
  それらの記事の中にそれぞれの名前の由来を書いたものがあるが、私はその中でタイワンを台湾としている。それはきっと正しい。であるが、何故台湾かについては「台湾は南方系の意味」と概ね説明している。しかし、それは間違いではないかと最近知った。

 大城安弘著、鳴き虫会発行の『琉球列島の鳴く虫たち』という本の中のコラムの一つに「タイワンについて」という一文があって、その中に「台湾は、第二次大戦前は日本国の領土であり・・・昆虫の調査・研究が推進され、その結果、多くの新種が発見・命名され た・・・台湾で発見された後に琉球列島等からも発見された」とのこと。
 したがって、タイワンは「南方系の」という意味ではなく、「台湾で最初に学術的発見がなされた」ということになる。上記の動物植物のガジ丸記事において、名前の由来の箇所で「南方系の」と書いてあるものは間違いということになる。いずれ訂正したい。

 タイワンマルカメムシのタイワンも「台湾で最初に学術的発見がなされた」からで、これ以降、タイワンと名のつくものがあればそれらもそういうことになる。タイワンと名のつくもの、たぶん、まだまだある。タイワンガザミとかタイワンダイとか。

 
 タイワンマルカメムシ(台湾丸亀虫):半翅目の昆虫
 マルカメムシ科 沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島、台湾などに分布 方言名:フー
 名前の由来、カメムシは広辞苑にあり、亀虫と漢字表記され「頭部の突き出た形がカメに似ていることから」。タイワンマルについては資料が無く正確には不明。マルは体全体の形が丸っこいからであろう。タイワンについては上述の通りだと思われる。
 「平地の草地、灌木林などで多く」とあったが、私の畑では9月1日、9月16日の2度見た。私の畑は平地の草地といえる。さらに「個体数はそう多くなく、局地的な分布」とあったが、小さく、色が黄緑色で草葉に紛れてしまうので見逃していることもたびたびあろう。それも踏まえれば、私の畑は「局地的な分布」箇所となっているようだ。
 体長は4ミリ内外。寄主はマメ科植物、私の畑やその周辺にマメ科植物はあるが、私はシマグワの葉上で見つけた。成虫の出現時期は3月から11月。
 
 横から

 記:2014.10.4 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行