ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

マダラアシナガヤセバエ

2014年10月03日 | 沖縄の動物:昆虫-双翅目(ハエ他)

 手を摺る足を摺る

 「やれ打つな ハエが手を摺る 足を摺る」は確か、小林一茶の句だと覚えている。その辺のハエが手を摺ろうが脚を摺ろうが、一茶には遥かに及ばない感性の持ち主である私は何も感じず、もしも邪魔であればハエ叩きで叩き潰すであろう。
  ではあるが、年取って少し憐れを理解できるようになってからは、ハエを叩き潰すこともなくなった。少なくとも畑では、彼らはそう悪さをしない。悪さをしないのに殺されては理不尽というもの。もちろん、悪さをする蚊は躊躇なく叩き潰している。

 今回紹介するマダラアシナガヤセバエは、私の畑には多く生息していて、しかも、人を恐れず、小屋前のテーブルによくやってくるのでほぼ毎日会っている。
 彼らは、私のすぐ目の前で手を摺り足を摺りしている。その様子は、なかなか可愛く、 叩き潰す気は微塵も起きない。悪さをすることも無いようだ。
 今週、別項で紹介しているチャバネヒメクロバエに比べると、マダラアシナガヤセバエはテーゲー(大概:だいたいといった意)性質の私でも覚えやすい見た目をしている。体長10ミリ内外と文献にあったが、脚がとても長いのでもっと大きく見える。
 その長い手の先が白い。ハエ如きに飛躍する想像だと思われるかもしれないが、白い手袋を嵌めた貴婦人のようにも見える。貴婦人に私は知合いがいない、全く無縁だが、もしも貴婦人が手を合わせ「お願い、私を抱いて」と言われたなら、私はもちろん、躊躇なく首を大きく縦に振る。100回くらいは「うん、うん、うん・・・」するはず。

 
 マダラアシナガヤセバエ(斑脚長痩蝿):双翅目の昆虫
 ナガズヤセバエ科 沖縄島、八重山諸島に分布 方言名:不詳
 名前の由来は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「体長よりも脚が長いハエである。種名は不明であるが、腹部や脚の斑紋に特徴があり、それにより和名を与えた」とあり、同書の著者(複数)による新称のようである。「腹部や脚の斑紋」からマダラ、「体長よりも脚が長い」からアシナガということ。ヤセは体が細いことからであろう。
 同書に「写真のように交尾時の前脚の位置は特徴的である」とあり、交尾時の写真が紹介されているが、雄は手の平を合わせるようにして雌の後頭部に前脚を置いている。私の写真でもその癖は見られる。前脚だけでなく後脚もこすったりする。
 体長は10ミリ内外、出現は3月から11月。『沖縄昆虫野外観察図鑑』によると「何を食べているかなどは不明のようである」が、私の畑では木の葉上の鳥の糞に集まっていた。私の畑では私の目によく止まる。多くいるのか、または、人懐こい数匹がいる。
 
 横から

 記:2014.9.25 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行

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