ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

タチバナアデク

2017年08月20日 | 沖縄の草木:果樹

 先週、「笑っていいとも」だったか「はなまるマーケット」だったか忘れたが、ゲストがハワイに行って来たという話題の中で、飛行機の中でビンゴゲームをやったという話になり、「へぇー、そんなこともあるの。」という反応があった。しかし、それは国内線でもやっていることで、「へぇー」という反応が、私にはむしろ「へぇー、知らないんだ。」という感想だった。私は機内でのビンゴゲームを、国内線で数回は経験している。
 ビンゴゲームで、行か列の一つが並んで開いたときには「ビンゴ!」って叫ぶが、欲しいものがピッタリやって来たときに使う言葉が、私には別にある。それは「ピタンゴ」という。「ピッタシビンゴ」を短くした、私だけの私の造語である。そのうち世間に流行らせて、いつか流行語大賞に選ばれないかと、密かに望んでいる。

 ピタンガという名の木がある。アセローラに似た赤い実で、アセローラほど酸っぱくは無いので食べ易い。特に好きというわけでもないが、まあ、あれば食べる。あれば・・・と書いたが、めったに無い。スーパーなどで市販されているのを見たことは無い。庭先のピタンガの実が成れば、もいで食うくらいだ。アセローラが随分有名になっているが、似たような実を付けるピタンガはずっとマイナーのままでいる。カルシウムと鉄分が豊富だというが、特に威張るほどの量では無いのか、あるいは、味覚が今一なのかもしれない。
 ピタンガは、和名をタチバナアデクという。マージャンでカンチャン待ちやペンチャン待ち(注1)の牌がぴったり来たときに、「ピタンゴ」などと言って、素直に喜びを表すと手の内がばれる。そこで、そういう機会があった時には、次からは「タチバナアデク」と呟くようにしよう。何かのおまじないにしか聞こえまい。

 注1、マージャンを知らない人には解りにくいだろうが、マージャンは牌(ハイ)を揃えるゲームで、その揃え方は、3個の関連した牌4組と同じ牌2個1組となる。3個の関連した牌というのは、たとえば、1と2と3、5と6と7といった並んだ数字の3個であったり、同じ数字とか字牌(数字でなく文字の書かれた牌)が3個であったりする。
 並んだ数字の場合、2と3を持っていれば、1が来ても4が来ても1組となる。これをリャンメン(両面)待ちという。どっちでもいいのだから揃いやすい。たとえば、1と3を持っていて、2を待っているとか、1と2を持っていて、3を待っているなどの場合もある。前者をカンチャン待ち、後者をペンチャン待ちという。どちらも待っている牌は1個だけなので、リャンメン待ちに比べると当然揃いにくい。
 
 タチバナアデク:果樹・添景・生垣
 フトモモ科の常緑低木。原産分布はブラジル。方言名:無し
 タチバナアデクでは知らない人が多いかもしれない。一般にはピタンガという名で知られている。果実は25mmほどのカボチャ型、赤紅色。生食にする他、ジャムなどに加工される。花は白、芳香がある。開花期は3月から11月、収穫時期は10月から3月。
 高さは3mほどまで伸びるが、成長は遅く、剪定にも耐えるので、庭の材料として、刈込物や生垣にも使える。自然樹形も良いので添景にも使える。
 別名スリナムチェリーというが、これは英語名。ピタンガも英語から。食用柑橘類の総称をタチバナというが、柑橘類ではないが、果実のなるアデクに似た木という意味を込めてタチバナアデクという名がついたのであろうと想像される。
 
 実

 ついでにアデク、
 
 アデク:添景・生垣
 フトモモ科の常緑中木。原産分布は九州南部、沖縄、台湾、他。方言名:アディク
 果実が食用とはならないが、その材が有用で、農具の柄や柱材に用いられる。幹は非常に堅く、ナタオレノキとの別称もある。
 高さは10mに達するが、成長は遅い。萌芽力が強いので生垣にも適する。
 アデクの漢字が文献にもネットにも見当たらない。方言名のアディクがそのまま和名に用いられたと考えられる。
 
 花

 補足 2006.4.18記
 タチバナアデク(ピタンガ)と和名がついているのは2種ある。詳しくは沖縄の飲食「ピタンガ」に書くが、学名ではEugenia uniflora L.とEugenia michelli Lamarck。
 学名Eugenia uniflora L.の果実の色は深紅色で、学名Eugenia pitanga Kiaerskの果実の色はオレンジ色、両者とも大きさは25ミリ内外で、カボチャ型をしている。
 『沖縄園芸植物大図鑑』にはもう一種、ユウゲニア・ピタンガという名前のものが紹介されており、その学名はEugenia pitanga Kiaerskとあった。ピタンガという名は、実はこの種からきたのではないかと思われる。 

 記:島乃ガジ丸 2005.4.2 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ジャボチカバ | トップ | タンカン »