ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

マチゲー見ーシガ

2006年03月10日 | ガジ丸通信-沖縄関連

 マチゲーとはウチナーグチ(沖縄口)で「間違い」のこと(別の意味もある。それについてはこの後、述べる)を指す。これは江戸弁に似ている。「親分、それに間違げぇ無ぇですぜ」と、岡っ引きの手下が言ったりするのをテレビの時代劇で耳にする。マチゲー見ーシガはだから、「間違いは見えるけど」といった意味で、その後に、「まあ、その程度は許してやろうぜ」という心が含まれている。テーゲー(大概)の心。
 「キラマー見ーシガ、マチゲー見ーラン」という沖縄のことわざがある。この場合のマチゲーは「間違い」という意味では無い。マチゲーは「睫毛(まつげ)」のこと。キラマーは「慶良間は」という意味(キラマで慶良間、マーと伸ばした横棒「ー」が助詞の「は」になる)になり、全体では、「慶良間は見えるけど睫毛は見えない」ということになる。
 慶良間とは慶良間諸島のこと。渡嘉敷島、座間味島、阿嘉島などの島々からなり、その海は世界有数の透明性を持ち、ダイビングスポットとして有名。沖縄島の南西に位置し、ごく近いところにあるので、島々の影は沖縄島から良く見える。その慶良間諸島は見えるのに、睫毛は見えない。遠くのことは見えるのに、目の前のことは見えない人のことを戒めて言う場合に使う。それは距離的なことだけで無く、時間的なことも含まれる。また、夢ばかり追わず現実を見よ、ということも含まれているのかもしれない。
 絵を描いて、それを7年前に買ったスキャナーでパソコンに取り込んだら、全体にノイズが多く、そのノイズを消したら変色してしまった。スキャナーは使えないなと思った私は、描いた絵をデジカメに写してパソコンに取り込んだ。1枚の絵につき6枚の写真を撮った。近くから明るいところで、日差しのあたるところで、日陰でシャッターをたいて、の3枚、離れたところから同様に3枚、どれかが使えるだろうと思ったが、どれも満足のいく出来にはならなかった。写真加工のソフトでいじってみたが、だめだった。
 描いた絵をきれいにパソコンデータにするのは無理かと半ば諦めていたのであるが、月曜日、出勤したら、職場に去年買った電話、ファックス、コピー、スキャナーの機能の付いた機械があることに気付いた。それで描いた絵をスキャナーすると良い出来のデータになった。「うー、こんなところに最新型のスキャナーがあったとは、迂闊であった」と反省したのであるが、こういうのを「睫毛は見えない」と言う。
 隣の若い女は、越してきてから約1年になるが、生活の時間帯が違うみたいでほとんど顔を合わせたことが無い。これまで5、6回くらいではないだろうか。顔を合わせば挨拶はするが、話をしたことは無い。なので、まじまじと顔を見たことが無い。日曜日、畑仕事をしていたら、彼女が降りてきて、顔が会った。挨拶をした。その時、いつもよりはほんの少し長い時間、顔を見た。可愛い子であった。こんな近くにこんな可愛い子がいたのに、1年も気付かずにいた。こういうのも「睫毛は見えない」と言う。
 耐震偽装に気付きながら「まっ、いいか」と許していた発注者、談合に気付きながら「まっ、いいか」と許していた役人などの心は、自分にも不利益が及ぶことに対しては、見ても知らん振りしているに限るといった心。こういうのは「睫毛は見えない」と言うのではなく、「間違いは見えるけど知らん振り」といった意味で、「マチゲー見ーシガ、知ランフーナー」とウチナーグチでは言う。そういう大人が、今、増えているのだろう。

 記:2006.3.10 ガジ丸

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