ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

鳥たちの休み処

2015年07月31日 | 沖縄01自然風景季節

 私が借りている300坪の畑ナッピバルには1羽のイソヒヨドリが住みついている。イソヒヨドリは磯と名の付く通り海辺に近い場所で多く見られるとのことだが、沖縄では磯から離れた住宅街でも普通に見られる。私の畑の近辺でもあちこちにいる。雄にはたぶん縄張りがあって、ナッピバルにいるイソヒヨドリはナッピバルのすぐ傍に住処があり、ナッピバル近辺を縄張りにしているのであろう。他の鳥がやってくると追っ払ったりするので、私は彼をナッピバルの番鳥とし、河原万砂(かわらばんさ)と名付けた。

 万砂はモテない男みたいである。鳥たちの恋の季節は春、3~4月頃だと思われるが、その時期、彼もしきりに囀っている。去年の春もそうやっていたが、雌は住みついてくれず、6月から8月の初めにかけて彼は姿を消した。「傷心旅行でもしているのか」と私は勝手に想像したが、8月の初めには戻ってきて、今年の春も元気に囀った。
 万砂は努力する男みたいである。今年の春はたびたびナッピバルから消えた。あちらこちらに遠征して恋人探しをしていたのかもしれない。そんな努力はきっと男を磨く。男の逞しさを身に付けたか、見た目が良くなったか、囀り方が上手くなったのか知らないが、去年も一昨年も恋人ができなかったが、今年はできた。雌が2羽もやってきた。
     
 2羽の雌は5月の中頃から姿を見せ、万砂の恋人に立候補したようで、その後どのような選考過程があったかは知らないが、しばらくすると雌は1羽となった。万砂はその1羽と家庭を持ち、子作りをし、子育てをしていると思われた。ところが、6月になると万砂の姿が時々消えた。「あいつ、どこぞに妾でも作ったか」と私は想像した。
 浮気者(かもしれない)万砂も7月になるとナッピバルにほぼ常駐している。雌もたびたび姿を見せている。「子育てに忙しいのかも」と私は想像している。
     


 ナッピバルにはイソヒヨドリだけでなく他の種の鳥もやってくる。スズメ、メジロ、シジュウカラ、ウグイス、セッカ、ヒヨドリ、タイワンシロガシラ、キジバト、リュウキュウツバメ、ズアカアオバト、ハシブトカラスなどは年中いる。以上の内、リュウキュウツバメ、ズアカアオバト、ハシブトカラスは周りの森の中に住処があるようで畑に降りて来ることはほとんどないが、スズメとキジバトはしばしば畑に降りて来る。枯れ草を突っついたり、草の実などをついばんでいる。他の種は畑の果樹などに時々留まっている。
 季節季節にやってくる種もある。秋になるとキセキレイ、ハクセキレイ、ダイサギ、チュウサギ、コサギなど、何を食べているかは知らないが、彼らは畑の中をウロチョロ歩いている。ジョウビタキが畑の構造物の上でひと休みしているのも見る。ミサゴやサシバが上空を飛び回るようになり、彼らは地上には降りず、向かいの森の樹上に留まる。
 秋深くなるとシロハラが畑の草の中でガサガサし、冬になるとオオタカが畑の周りの樹上や電柱の上に来る。シマキンパラという種は、文献には1年中見られると書かれてあるが、私の畑では秋から冬の間にやってきて、畑の果樹などに留まる。

 ナッピバルを始めたのは2012年の夏なので、この夏で満3年となった。2012年の夏、灼熱の中、除草や開墾作業に大汗をかきながらも彼の鳴く声に私は気付いた。その独特の鳴き声は知っている。「おっ、森の中にアカショウビンがいる」で間違いない。寒くなるとアカショウビンの声は聞こえなくなったが、毎年春になると戻ってきた。
 アカショウビンは鳴き声だけでなく、その姿も独特である。ぜひともお目にかかり、その姿を写真に撮りたいと思い続けていた。今年(2015年)5月5日、畑仕事をしている時に彼の声が近くに聞こえ、その後、彼が私の近くを飛び、その姿を初めて見た。見紛うことなくアカショウビン、しかしながら、カメラを手にする余裕は無かった。
 独特の鳴き声の持ち主がもう1種いる、ホトトギス。その声に気付いたのは2013年の梅雨時であった。その時期になると毎年鳴き声は聞こえている。甲高く、澄んだ声なので「ホトトギスがいるぜ」とすぐに気付く。彼は上空高く飛んで、ナッピバルの周りの森を渡っている。西の森から東の森、あるいは東の森から西の森へ渡る時、ナッピバルの上空を飛ぶこともある。その時、鳴き声はひと際大きい。
 声が大きく聞こえた時は「おっ、上空を飛ぶぜ」と判断できる。そんな時に、私が休憩中で近くにカメラがあり、カメラを構えたことが2度ばかりある。上空にカメラを向け、左目でホトトギスの姿を確認し、右目でファインダーを覗き、ズームする。が、ズームした時のピントは合わせにくい。何度かシャッターを押したが全て失敗に終わった。
 ある日、ホトトギスがいつものように甲高く、澄んだ声で鳴きながら畑の上空を飛び、100mほど先の梢に留まったことがあった。すぐにカメラを取りに行き、ズームで写真を数枚撮った。止まっているものはピントも合わせやすい。が、100mはさすがに遠過ぎて、写真は鮮明でなく、写っている者がホトトギスかどうかの判別ができない。でも、鳴き声は確かにホトトギス、よって、写真に写っている鳥もきっとホトトギス。

 私が借りている300坪の畑ナッピバル、その周辺は畑を囲む3方の森を含めて、鳥たちの休み処となっているようだ。まだ姿は見ていないが、上記の鳥たちのどれでも無い鳴き声も何度か聞いている。自然が活き活きとしている場所なのだと思う。そんな恵まれた環境にいる間に、まだ見ぬ鳥も含め、アカショウビン、ホトトギスの写真は撮りたい。
 ちなみに、上に挙げた鳥たち、それらの、沖縄島で見られる時期を記しておく。

 アカショウビン 4~10月
 ウグイス 周年
     
 オオタカ 12~3月
     
 キジバト 周年
     
 キセキレイ 9~4月
     
 コサギ 9~6月
 サシバ 10~4月
     
 シジュウカラ 周年
     
 シマキンパラ 周年
     
 ジョウビタキ 10~3月
     
 シロハラ 11~3月
     
 ズアカアオバト 周年
 スズメ 周年
     
 セッカ 周年
     
 ダイサギ 9~5月9-5
     
 タイワンシロガシラ 周年
     
 チュウサギ 9~5月
     
 ハクセキレイ 9~4月
     
 ハシブトカラス 周年
     
 ホトトギス  5~9月
     
 ミサゴ 9~5月
     
 メジロ 周年
 リュウキュウツバメ 周年
     

 記:2015.7.29 ガジ丸 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『検索入門 野鳥の図鑑』中村登流著、株式会社保育社発行
 『野鳥ガイド』唐沢孝一著、株式会社新星出版社発行

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