ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

男の矜持

2010年05月07日 | ガジ丸通信-社会・生活

 もう二十年ほども前になるか、当時漢検を受けようと勉強していた模合(正当な理由のある飲み会)仲間のK子に、「これ何と読む?意味は?」と問題を出され、誰も答えられない中、日本文学科出身の私が得意そうな顔で、「襟を正すとかいった意味だろ、キンジだろ?」と答えた。見た覚えのある字ではあったが、確信は無い、知ったかぶりだ。
 「キョウジだよ、誇りって意味だよ。」
 「ホントかぁー、キンジじゃないのか?」
 「あっさ、あんたも往生際が悪いねぇ、キョウジなの!」
 知ったかぶり屋の私は、しばしば、そんな知ったかぶりをして恥をかいている。後日、辞書で調べると、矜持はキンジとも慣用読みするらしいが、正しくはキョウジで、襟を正すという意味では無く、K子の言う通り「誇り」という意味。知ったかぶりの私は、矜持の矜を、衿(えり)と勘違いして、そのような知ったかぶりをしたのであった。

 知ったかぶりをして恥をかいて、反省したことはそれまで何度もあるが、「あんたも往生際が悪いねぇ」とK子に言われて、男の生き方として「潔さ」を信条としていた私は、深く反省して、それ以来、「知らないことは知らないと言おう」と決めた。のだが、身に付いた性格はなかなか矯正できない。以降もしばしば恥をかいている。
 ガジ丸HPを始めて5年半になる。ガジ丸HPは沖縄の植物を紹介している。5年半もやって、500種以上の植物を紹介しているが、元々記憶力が弱いので、おそらくその半分も記憶していない。でも、表向きは「沖縄の植物のことなら任せておけ」といった態度を取っている。それで、たまに、知ったかぶりの恥をかくことになる。

 「石に齧りついてでも何かを成し遂げる」という根性が私には無い。どちらかというと私は、「諦めが早い」性格だ。欲しい物が得られなくても、「そんなに欲しい物では無かったんだ」と逃避して、諦める。なるべく無理をしない。
 「諦めが早い」と「頑張る」は遠く離れているが、「諦めが早い」と「潔い」は似ている。ということで、私は私の矜持として、「潔い」を目指している。間違いを認めるという潔さもその中に含まれる。私の矜持が確立するのはまだ先になりそうだが。

  父の体力は入院してからも衰弱を続け、5日目(23日)からは固形物を摂れなくなった。咀嚼するのが面倒になったみたいだ。お粥でさえ食べない。で、その日以来、病院の勧める栄養ドリンクを飲んでいる。栄養ドリンクは、これ1缶で1食分のタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養が含まれているとのこと。
 父は、栄養ドリンクのお陰か、体は衰弱しているが、頭はしっかりしている。口の周りの筋肉も衰えているので、発音に少々の難があるが、普通の音量で発生し、昔の事を話してくれたり、葬式や財産のことなどをきちっと語ってくれる。
 24日には、従姉の夫を立会人に指定して、遺言を言い残した。「葬式は質素に、新聞に広告は出さないで、家族とごく近い親戚だけで行うようにしなさい。財産は家土地を含め姉弟三人で三等分しなさい。」などといったこと。自分が死んだ後ゴタゴタしないようにとの残された者への配慮だ。「立つ鳥跡を濁さず」が父の矜持のようである。
          

 記:2010.5.7 島乃ガジ丸

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