ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

キジバト

2011年04月07日 | 沖縄の動物:鳥

 電線の上の幸せ

 吉祥寺の春先、もう春ですと暦は言うけれど、南方から来た青年にはまだまだ寒い。暖房器具がコタツしかない安アパートで、やかんに水を入れ、ガスコンロにかける。その蒸気で室内がいくらか暖まる。「もうすぐハールですねえ」と歌いながらコタツの中にくるまっていると、窓の外から「ボッボー、べべ、ボッボー」と繰り返す声が聞こえる。
  沖縄では聞いたことの無い声、とその時は思ったのだが、沖縄にも昔から生息している鳥であった。鳥などに興味の無かった青春だったので、聞いていても気付かなかったのだろう。その聞いたことの無い、あるいは覚えていない鳥の声は、ブッポウソウの鳴き声であろうと勝手に思い込んだ。「ボッボー、べべ、ボッボー」は「ブッポー、ソー」と聞こえなくも無かったからだ。寒いのを我慢して窓を開け、外を覗く。すぐ近くの電線の上にハトみたいなのが留まっているが、ハトの声は「クックルー」だし、声は遠くから聞こえているので、こいつでは無い、・・・とその時は思った。

 那覇の実家は住宅街にあり、周りに緑は少ない。鳥の声を聞くことも少ない。今のアパートの周辺には緑が多いので、鳥の声はほぼ年中、毎日毎日煩いほど聞こえてくる。「ボッボー、べべ、ボッボー」も、その声の主が近くに住処を持っているのだろう。毎年、春になると聞こえてくる。11年前に越してきてすぐに、「あっ、吉祥寺の時の鳥だ。」と気付き、窓の外を見る。ハトらしきものが近くの電線の上にいる。声は遠くから聞こえてくるように感じるのだが、もしかしたらと思って調べる。鳴き声に特徴があるので、すぐに正体が判明(学問では同定という言葉が使われるらしい)した。キジバトであった。

 今月(3月)の初め頃、キジバトもそろそろ巣作りの時期であったと思うが、沖縄には珍しい寒さがあった。職場の庭の上を走る電線の上に2羽のキジバトが体を寄せ合って留まっていた。恋人同士、あるいは既に夫婦になっていたかもしれないが、
  「大丈夫?寒くはないかい?」とオス。
 「大丈夫よ。それよりも、巣作りどうしましょう」とメス。
 「あー、あのホルトノキが最適だと思ったのだが、変なオジサンがしきりに覗いていたから、巣を作った後、卵を盗むんじゃないか心配だね。」
 「そうね、その変なオジサン、ほら、今もいるわ。後ろから私たちのこと観ているわ。写真撮ったりしているけど、何のつもりかしらね。気味悪いわね。」・・・などという会話があったかどうか、結局その2羽、職場のホルトノキには営巣しなかった。
 キジバトは元々山に住んでいた鳥らしい。ために、昔はヤマバトと呼んでいたらしい。いつかしら市街地に進出し、急速に増え、今ではよく見かける鳥となっている。

 
 キジバト(雉鳩) 
 ハト目ハト科の留鳥 全国に分布 方言名:ヤマボートゥ
 県内に多く見られるのは亜種のリュキュウキジバト。平地や山地の林、畑、市街地などどこにでもいる。那覇の市街地の公園などではドバトの方が多いが、私の住んでいるアパートや職場の近辺ではキジバトの方を多く見かける。人馴れしているので、近付いてもあわてては逃げない。公園ではドバトに混じって、餌を求めて人に近付いてくる。
 冬期に恋の季節となり、「デデッポーポー、デデッポーポー」と鳴く。今(春)の時期は巣作りの季節のようで、カップルでいるのをよく見かける。産卵期は5月から6月。
 全長は33センチ。大きさで目立ち、色模様もドバトとは全然違うので目立つ。
 方言名のヤマボートゥは山鳩の意、和名でも同じくヤマバトの別名がある。昔は、市街地で見かけることは稀で、山中に多かったらしくその名がある。キジバトという名は、羽の模様がキジに似ているので。ついでにドバト。
 
 キジバト正面ぁら
 カメラを構えたら正面に近寄り。その後、私の横に移動し、横目で私を見ていた。
 
 キジバトのカップル
 春は巣作りの季節のようで、カップルでいるのをよく見かける。

 
 ドバト(土鳩)
 カワラバトを家禽化したもの。伝書鳩はその改良種。人家・社寺などに多い(広辞苑)
 さらについでに、沖縄には生息しないようだが、名前が出たので、

 ブッポウソウ(仏法僧)
 ブッポウソウ目ブッポウソウ科の鳥。カケスよりもやや大きく、頭・風切羽・尾羽の大部分は黒色、その他は美しい青緑色で、嘴・脚は赤い。風切羽の中央に青白色の大斑があり、飛翔時に顕著。本州以南に分布し、山地のスギ・ヒノキなどの大木の高所にすむ。
 以上、広辞苑による。沖縄にスギ・ヒノキはほとんど無い。だから沖縄には生息しないのかもしれない。・・・スギが無い?・・・ということは花粉症も無い?・・・ということで、その関連話→ガジ丸通信「空家の有効活用」

 記:ガジ丸 2005.3.20 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行

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