ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

親分が逝った

2008年02月15日 | 通信-その他・雑感

 私は友人に恵まれている。相手をしてくれる友人が常にいる。有難いことである。小学校へ入る前は近所の子供達や親戚の子供達が仲良くしてくれ、学校へ通うようになると級友達が仲良くしてくれた。その内の何人かは今も付き合ってくれている。
 友人達と一緒にいるのは楽しかった。私は、勉強は大嫌いだったが、そういうわけで、学校へ行くことは大好きだった。それは小学校から、中学、高校、予備校、大学までずっと続いた。付き合う友人はその都度その都度変わっていったが、常に楽しかった。
 そんな中でも高校時代、浪人時代は特に楽しかった。付き合ってくれる友人の中に女性が交わるようになったからである。楽しかった思い出は数多くある。
 先月1月の終わりに高校1年のクラス会があった。そこで、その頃とても仲良くしてもらっていた、今は横浜に住んでいるT女のメールアドレスを知った。彼女は、私の音楽的感性に大きな影響を与えた人である。早速メールした。大学の時に1度会っているので約30年ぶりの意思疎通となった。懐かしくて楽しい思い出がたくさん蘇った。
 浪人時代、一人の女性と付き合うために多くの友人を失うという経験をした。私が、友情よりも下半身の欲望を優先したせいである。そんなことさえも、今から思えば古き良き時代の楽しい思い出となっている。あー、あの切なく楽しき青春よ、なのだ。

 高3のクラスも楽しい思い出が多くあった。男女数人ずつの仲良しグループがあって、私はその一員であった。休み時間も放課後も、時には休日も一緒に遊んだ。
 「こういうグループを作ります」なんて決まりがあったわけでなく、気の合う者同士が集まって来て、何となくできたグループである。リーダーも決めていたわけでは無い。決めていたわけでは無いが、リーダーはいた。自分から言うわけでも無く、誰かから言われるわけでも無く、その人は親分という雰囲気を持ち合わせていた。
 親分は女子のK、明るくて、優しくて、いつも元気だった。いつも笑っていた。いつも人のことを気にかけていた。「しっかりしなさいよ。」、「元気出しなさいよ。」という言葉で、みんなを元気に向かって引っ張って行った。私はよく背中を叩かれた。

 高校卒業後もそのグループはたびたび会った。Kの結婚式ではグループの数人で余興を演じた。Kの新婚家庭にもお邪魔した。数年後、引っ越した先にもお邪魔した。彼女は昔とちっとも変わらず、明るくて、優しくて、そして元気だった。
 9年ほど前に、私はKの新居、今の住まいであるマンションを訪ねた。Kはいつもと変わらず、明るく元気だった。そして、それが、私が彼女と会った最後となった。
  先週木曜日、同じグループだったAからメールがあった。告別式のお知らせというタイトル。「そうか、去年は俺の母親だったが、また、誰かの親が亡くなったか」と思いつつ中を読むと、「驚きました」という前置きがあって、親分Kの名前があった。
 
 ここ十数年の間に2度あった同窓会、数回あったクラス会に彼女は顔を見せていない。忙しいという話であった。告別式に参加して、「忙しい」理由が分った。彼女は自分の子供だけでなく、その友達の面倒もよくみていたようである。告別式にはたくさんの大人に混じって、たくさんの若い人たち、高校生たちが参列していた。彼女はお母さんになってからもずっと、明るくて、優しくて、元気だったようである。そして、誰に言われるとも無く自然に、周りを引っ張るリーダーとなっていたのだろう。
 親分に敬意を表し、冥福を祈りたい。ありがとう。 
          

 記:2008.2.15 島乃ガジ丸


瓦版051 マミガジの絵本第2弾

2008年02月15日 | ユクレー瓦版

 週末、村を散歩していると、マミナ先生に呼び止められた。
 「あー、ちょうどいいところで会ったわ。これさ、ユクレー屋に持って行って。」と一冊の本を渡された。『さいのさいころ』と書いてある。
 「あっ、このあいだの話、できたんだね。絵本。」
 「うん、昨日ガジ丸に来てもらってね、中身を仕上げて、さっき製本できたところよ。まあ、製本といっても、たった7枚の画用紙を綴じるだけなんだけどね。」
 「題名はケダマンの予想通りなんだね。」
 「まあね、語呂がいいからね。内容もそのままだし。」
 ということで、私はそのままその足で、その絵本を持ってユクレー屋に行った。

 「あー、ゑん、ちょうど良いところに来たさあ。」と私が座らないうちにマナが言う。どうも、今日の私はちょうど良いところに出くわす運勢のようだ。
 「あんたさあ、ケダマンの話し相手になってくれない。私、疲れた。」
 「どうしたんだい?くだらない話でも聞かされたの?」
 「そう、まったくその通り。」と言って、マナは台所へ引っ込んだ。

 「先週、マミナ先生の『マミナとガジ丸共作の絵本第2弾』の話を聞いて、その後、俺も絵本のアイデアがたくさん浮かんだ」と、ケダマンが言う。
 「トラのトラックとかトラのトランペットとかなら、先週、聞いたよ。」
 「いや、その後、もっと良いのを思いついたんだ。」
  ケダマンの思いついた話とは、かいつまんでいうと、だいたい以下のようなもの。

 ぞうのぞうり、ゾウの草履はとても丈夫だという話。
 ひょうのひょうめん、ヒョウの表面は目がチカチカするという話。
 うしのうしろすがた、ウシの後姿はセクシーだという話。
 しかのしかい、シカの歯科医はシカの角で義歯を作るという話。
 うさぎのさぎし、ウサギの詐欺師はうっかりものだという話。
 となかいのかいしゃ、トナカイの会社は12月24日しか営業していないという話。
     

 どれも膨らみの無い、マナの言う通りくだらない話だったので、物語にはなりそうも無い。ということで、それらの詳しいことは、ここでは書かない。
 で、今回の瓦版は、マミナ&ガジ丸の絵本第2弾、『さいのさいころ』を紹介して終わる。今度もまた、ガジ丸は物語の唄を作った。これも一緒に紹介する。

 →絵本(さいのさいころ) →音楽(さいのさいころ)

 記:ゑんちゅ小僧 2008.2.15