ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

さっきの記憶

2006年06月23日 | 通信-音楽・映画

 18日の日曜日、午後4時半、蝉が鳴くのを聞いた。私の暦では、それが梅雨明けの印である。そして、その通り、翌日から晴れ、晴れ、晴れ。太陽が熱い。
 熱い太陽の下、月曜、火曜と現場に出た。40歳を過ぎてから日焼けに対する肌の対応が鈍くなって、焼けると体がだるくなったり、焼けた色もどす黒くなったりするので、冬場を除いて、太陽に肌を晒す時は日焼け止めクリームを塗るようにしている。しかし、月曜日は急な命令でもあったのでクリームを準備できなかった。
 その日の仕事帰り、翌日もまた現場だということが判っていたので、スーパーへ寄る。もちろん、日焼け止めクリームを買うために。
 ついでにと思い、先に飲み物や食い物を手に取る。そして、そのままレジで金を払い、出る。車に戻ったとき、何か忘れているのではないかと少し気にかかったが、日焼け止めクリームを思い出せなかった。
 カビの生えたタバコを吸い、部屋に充満しているカビ胞子を吸い、いつも社内へ風邪を流行させる部長から風邪の菌を貰いなどして弱っている体に、炎天下での肉体労働はきつく、日焼け止めクリームを忘れた2日間の日焼けも堪えた。火曜日の午後からは風邪の症状が酷くなり、翌水曜日は仕事を休んだ。
 水曜日、一日寝ているつもりであったが、汗と泥で汚れた2日分の作業着と、風邪の熱で汗まみれになった下着が溜まっていた。洗濯しなきゃと思ったが、たまたま運悪く洗剤が切れていた。で、スーパーへ買いに行く。洗剤だけなら歩いて行くが、ついでに食料も仕入れようと車を出す。食料は買ったが、家に戻って、洗剤を買い忘れたことに気付く。

 こういった、ちょっとした忘れ物がこの頃、というかここ数年多い。先々週の旅でも、忘れ物、うっかりミスなどの多かった私は、ちょっと心配になって、そのようなことがテーマになっている映画を先週の土曜日、観に行った。映画は『明日の記憶』。
 若年アルツハイマー病という言葉を私は知っていたが、若年であるほどその進行が速いということは知らなかった。病気の夫と、それを献身的に介護する妻との心の触れ合いが涙を誘うのであるが、夫は、その病気であることを認識してから数年の内に、もっとも大切な妻の存在さえ認識できなくなる。悲しい話だが、そこにはまだ救いがある。それでも夫は生きていて、だから、それでも妻は介護する。愛がある。良い映画でした。

 私も若年アルツハイマー病かも?という不安はしかし、映画を観終わって払拭できた。病気の原因は不明なんだそうだが、まあ、精神的なストレスが要因の一つであろう。映画の前半部を観て、社会の第一線で働く人たちは大変だなあと思った。毎日、胃がキリキリする思いで生きているようである。企業戦士たちはストレスが大きいのだ。
 南の暖かい島でのんびり生きている私にはそのストレスがほとんど無い。だから私は、ストレスが原因のアルツハイマー病にはならない。私がなるとすれば、脳が壊れるのでは無く、脳が怠けて働かなくなるただのボケなのであろう。
          

 記:2006.6.23 ガジ丸