IT用語ではWindowsなどのオペレーションシステムの略や、ゴルフ用語のアウトオブバンズの略がポピュラーだが、相場で使用される場合は、売られ過ぎ(OS)や買われ過ぎ(OB)がその意味となる。
相場変動時のコメントにしばしば、調整の売りや買いという言葉に遭遇するが、売られ過ぎた時の一時的な買い戻しや、買われ過ぎた時の一時的な売り戻しを、調整売買として表現する。
価格自体に絶対的なOS,OB水準があるわけは無く、変動が反転した後に認識することとなる。そのまま反転を継続すれば、いつの間にかそれがトレンドということになってしまうのが現状。厳密に認識しようとすれば、N波動論などが役に立つ。
それまでのトレンドを一時的に変えた初期においては、その後に以前のトレンドを継続するか、そのまま反転するのかは判断しにくい期間がある。こんな時期に調整という概念が多用され、その背後の論拠はOSやOBに基づいている。
オシレーターの中には、OBゾーンやOSゾーンを示唆すると言われる指標があり、その代表的なものにストキャスティクスという分析方法がある。数値を0から100で表し、30以下をOSゾーン、70以上をOBゾーンというのが一般的だが、水準を狭めることで行過ぎ度合いの基準をシビアにして安易な判断をフィルターする見方がある。
ここだけの話
ストキャスティクスで、OBやOSというと、そのゾーンに入れば逆を取引することを示唆している様に聞こえてしまったり、或いはそのとおりに指南しているセミナーなども散見される。しかし、下記の表のように、AでOBゾーンに突入したにもかかわらず相場は上昇をし続け、OBゾーンからやっと離脱したBでは、数百ポイントも上昇していたことがわかる。
つまり、OBに突入したからと言って、買われ過ぎとばかりに売り急ぐと、酷い目に遭うことは多々ある。表現は確かにOSやOBとなっていても、真実としては、そちらのトレンドの勢いが非常に強い状態であることを示しており、暫くそのトレンドを継続する可能性も高いことを理解すべきと考える。
OSやOBに入りっぱなしという状況を排除するため、パラメーターを調整することで、噂どおりの方法に近づけることも可能ではあるが、頻繁な売買をこなす必要があり、スプレッドや手数料などにより、取引貧乏になる確率も高まるので、注意が必要だ。