遅いことは猫でもやる

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南米旅行ー雨季を移動

2017-07-31 03:32:00 | 行ってきました

雨の中ランクルで移動

インフレ進むベネズエラ紙幣

ボア・ビスタ空港到着

全員の荷物を降ろす

チェックイン

本日の昼食

サンタエレナのロッジの朝食は7:00。フルーツが豊富なのは嬉しい。ランクルに荷物を積み込む。犬が人懐こく、食堂に入ってきたり、車の周りにも寄ってくる。フランキーが車から降りみかんを買ってきたが、手にした札束を見てびっくり。2束で50円位だそうだ。我々にもくれたが、甘さ控えめ種多めだった。

8:00出発。国境検問所はブラジル行きの希望者でもう長い行列だ。申請の種類が違うのか我々は大勢の人が待つ中途中で呼ばれる。大した質問も受けずに通過。次の税関では、係員がドアを開け「日本人か?」とつぶやくと、ニコっと笑って「行けっ」とすぐOK。ここでも戦後70年の平和国家としての我が国の積み重ねを感じる。

税関を通り、草原の中の道をひたすら走る。雨がひどくなり両側に水がたまり始めている。さすが雨季である。先日は道路まで冠水し水の中をランクルで走ったそうだ。その時は、検問に時間がかかり、飛行機の時間があるのでやきもきしたが、フランキーはランクルをぶっ飛ばし、辛うじて間に合わせてくれた、私の守り神だ、と遼馬君は大いに彼を頼りにしているようだ。ブラジルに入ってトイレ休憩一回、検問2回でボア・ビスタ空港到着。ここで、フランキーとお別れ。

彼は、GSでの給油、国境検問所で電気工事人に話しかけて停電の情報を得る、軍用飛行場出発直後すれ違った車が陸路荷物を運んだ人だと認め無事を確認、道中みかんを買ってきて我々に振る舞ってくれる、などなど通常のガイド、運転手を越えたサービスをしてくれた。

マナウス、ブラジリア経由でサンルイスに着いたのは午前2:30。ホテルに入ったのは3:30ごろであった。

 
ブラジリア
サンルイス 水牛祭りの小旗が飾ってある

深夜のホテル近辺



南米旅行ー移動・滝巡り

2017-07-30 06:09:02 | 行ってきました

早朝のロッジ出発

カナイマ空港出発

ルエバ空港(軍用空港)

草原を行く

カナイマ空港は殆どセスナの発着である。朝10時位にテイクオフ。昨日までのパイロットと交代したのはその兄弟(弟か兄かわからないが確かに似ている)だという。グランサバナへとセスナで向かうが、少し高度を上げると雲に囲まれ視界が閉ざされる。カーナビくらいの計器の他は大した計器も積んでないのでほとんど有視界飛行だ。窓の外を流れ行く雲に不安が増す。

1時間半ほどのフライトの後降り立ったのはルエバ空港。軍用にも使っているらしく、大型のヘリがちょうど降りてきた。ガイドのフランキーと握手。見渡す限り広がるサバンナの中の一本道を車は進む。

途中のドライブインでトイレ休憩し、すぐ近くのカマの滝停車。イグアスの滝、エンゼルフォールを見た身としてはそれほどの興味はないが、一応下車して見てみる。落差80mほどの立派な滝だ。


ドライブイン

カマの滝

昼食レストラン

途中先住民ので昼食を摂った。メニューも原住民並みである。ローストチキン、アボガド・レタス、長粒米、焼きバナナ。結構美味しいのだが、ガイドのフランキーが美味しそうに赤っぽいソースを掛けている。聞いてみると白蟻、タロイモの醤油、唐辛子などで作っているとのこと。試しにかけてみると酸味が効いてなかなか美味しい。

レストランのウエイトレスがニコニコしてテーブルに来て、私がひいおじいさんにそっくりだという。カテリというタロイモから作った酒を皆にご馳走してくれた。


昼食の一皿

地ビール

クマチェ(ソース)

皿の右はカテリ(タロイモのお酒)

ボリヴァル記念館の横にある建物

楽しく昼食を終え、お土産屋さんをひやかした後再び車に乗り出発。道端にもノチェコの滝という滑滝があり、名前だけ聞いて通り過ぎる。

次に立ち寄ったのはハスペの滝。階段を登り水平道を少し歩いたら、粘土と木柵の道を下り、森の中の石畳を踏んで、滝に進む。この滝は石英でできており、赤い模様の川床の浅い川を水が流れる。水が多く川はいつもより水量が多いそうだ。


ハスペの滝

滝横の展望ベンチ

川床の赤い石英

石畳の道

木柵と粘土道

入り口の階段

ハスペの滝から小1時間ほど走りサンタエレナの町に到着。車や人が多い。GSに車が行列をしている。石油が安いのでブラジルからヴェネズエラに給油に来ている車だそうだ。フランキーは顔見知りらしく、行列とは関係なしに給油してもらっている。

今日中に国境検問所で手続きを済ませようと双方の検問所に向かうが、ブラジル側の検問所はあいにく停電になって、手続きできず明日になった。

市内から少し外れた丘の上にあるカンパメンタ・ヤコー・ロッジへ向かう。サンタエレナ市に視察に来た大手旅行会社の係が2軒だけ合格点を出したというホテルだが、此処に登ってくる道はぬかるみと工事中で4WD(ランクル)出ないと乗り切れない道だ。但し敷地は芝生で覆われ瀟洒なバンガローである。

夕食は長粒米、温野菜(ブロッコリー、カリフラワー、人参)ビーフシチュー、レモンムースのデザート付きと中々豪華。カウンターに車椅子で座っていたおじいさんが、TVのNHKでギアナ高地特集をやるよと教えてくれる。長い移動日だったが久しぶりに日本語のTVを見て一日を終えた。


草原は続く

ロッジ

朝食


南米旅行ーエンゼルフォールの足下へ

2017-07-29 02:11:12 | 行ってきました

ジャングルの中の道

黄色のキノコ

川を遡ること3時間半、ロッジ前で船で降り、ここからは徒歩でトレッキングだ。河原を横切ってジャングルの中の道へ。緩やかな傾斜の中を上るが、標識はまるでない。登り口から、かすかな分岐点に至るまで案内板はまるでない。踏み跡をたどるだけ。ガイドのルイス君は迷うことなく進む。

足下に鮮やかな黄色のキノコが群生しているところを過ぎて5~6分、船を降りて40分位来たところ位から傾斜がきつくなってきた。ちょっと休憩。ここからは遼馬君が調子の出なかった義妹を担いで上がるという。さすがに義妹はそれを遠慮して、ここから引き返すことにした。

ルイスくんと助手の女性と我々3人で喘ぎながら急登する。40分ほどでビューポイントに到着。見上げれば遥か上から水量豊富な大滝が落ちてくる。滝壺のあたりは白いヴェールのように広がって底まで届いていない。(圧巻のスケールである)

少し上にもっと良い展望台があるとルイス君がいう。3分ほど登って大きな岩の上に出ると、確かに樹々に遮られることなく、滝の全貌が眺められる。こんなに雲が切れ、青空が見えるのは雨季としては珍しいそうだ。但しここにも標識、案内板の類は一切ない。10分ほど景色を堪能して引き返す。


エンゼルフォール

記念撮影

空も晴れてきた

帰途は登ってきた道をそのまま引き返す。60分ほどでロッジに到着。再び河原を横切って船がもやってある水際に着く。我々より足の達者な内海君はもう既にロッジに着いていた。もちろん義妹と遼馬君も到着していた。

ここで昼食。また持参の軽食かと思ったら、ちゃんと調理した一皿であった。冷えたビールも美味しかった。聞けばここはカナイマのロッジの分室で、あそこに泊まる人の何割か、あるいは大手旅行社のハンモック泊コースの人はここのハンモックで泊まるとのことだ。

3時半くらいまでここで寛ぎ、内海君はここで泊まるのでお別れ。昼食で親しくなったこともあって、彼は我々が船に乗って去る時、いつまでも河原で手を振って別れを惜しんでいた。


この河原までくればロッジはもう直ぐだ。

水際で足を冷やす

このテーブルで昼食

ここからも滝がよく見える

帰途は流れに乗って船は矢のように進む。水先案内人も忙しい。度々水に飛び込む。ルイス君も水に入リ手伝う。下りは上下左右の揺れは緩やかかと思いきや、下りのほうが揺れは大きく、水は容赦なく中に入ってくる。現に私は大きな水の塊がザバッとかかって後ろにふっ飛ばされて船の中で尻餅をついた。

帰りは行きに避けた瀬にかなり迫って上陸したので、徒歩の時間が15~20分短縮できた。再び舟に乗る頃は夕焼けも終わりかけ、最後出迎えのトラックに乗る頃はすっかり昏れていた。


草原の中を帰る

夕焼けももう終りだ

出迎えのトラック

南米旅行ーカラオ河遡行

2017-07-28 03:21:42 | 行ってきました

乗用トラックで出発

昨日の船でまずは遡る

水飛沫を上げて船は進む

とりあえず上陸

荒れた道を行く

昨日の雨で水が溜まっている

本日は滝の下部から落ちるところまでのトレッキングの日。朝5時に起き、5:30出発。雨含みの黒い雲が垂れ込める中、トラックで出掛ける。すぐに川に降り船で20分ほど遡行。そこで小さなの前で船から降りて上陸。吃水が浅いのでここから先の瀬は船底がついてしまうので、乗客は徒歩で川上に回るのだそうだ。

カラカスから一緒になった内海君も一緒で我々6人と現地ガイド・ルイス君、それに女性アシスタント、船頭、水先案内人の10人が一行である。このは映画撮影のために建物を立てたが都合で中止となったため、先住民が一部使用をしている。

草原の中を暫く歩き、昨日の雨で水たまりになった道をゆく。やがてを通り過ぎ、緩やかな下りになり、瀬を遡ってくる船の船着き場に到着する。歩いたのは40分前後か。


手前の溝に船が着く

再び船に乗る

朝メシを取るために上陸

暫く待っていると船が到着。細い溝のような所に船を乗り入れ左右の揺れを防ぐ。全員乗り込み静かな河を遡る。10分足らずで左岸にある小さな砂の洲に船をつけ朝飯を摂る。持参のオレンジジュースとサンドイッチが配られ、河を見ながら腹に収める。

その後各自ジャングルに入り用を足し、再び船に乗る。やがて深く澱んだ流れを遡り、瀬となり底が浅い河は深みを見出しながら進む。ボートの船外機は強力で白く泡立つ瀬も勢い良く遡って進む。両側に水をかき分け、跳ね飛ばしながら、上下に揺れる船は吃水線スレスレだ。


手前に崖が迫る

舳先に水先案内人が陣取る

奇岩が迫る

白波を上げる瀬を通る

次第に上流部に

4本の角が現れるときは滝が見える時

2時間近く航行し水先案内人が舳先に陣取るようになってきた。草に覆われた石の点在する河原の傍を右に左に進み、両側に覆いかぶさる樹の下を潜る。水先案内人が櫂を操り、時々水に入れる。また船尾の船頭に何やら手真似で合図を送る。

河を遡るにつけギアナ高地が眼前に迫る。奇岩が崖の上に現れる。雲の切れ目に現れた4本の角を指差し、遼馬君が「あれが見えるときはエンゼルフォールが見える時です」と教えてくれる。だんだん瀬が多くなり、深みを見つけて船は進むが、さしもの強力船外機でも遡れないときは、水先案内人とガイドが水に入り船を押す。

巨岩の間を縫うように進むようになったら、小屋が見えてきてそこで船を降りる。出発から3時間半の行程だった。

南米旅行ーずぶ濡れの滝見物

2017-07-27 04:16:04 | 行ってきました

このボートで遡る

川の畔に立つ建物
上陸地点

圧巻のエンゼルフォールのセスナ飛行から帰って一休みしたら、今度はカラオ河を少し遡ってサポの滝に行くことにした。トラックで5分ほどのところで小さなボートに乗り換え、船外機で川を遡る。滝が水煙を上げている横で船を降り、林の中を20分ほど歩く。

途中雨がパラついてきた。と、みる間に雨脚が強くなり。土砂降りである。サポの滝は滝の裏側に出ることができるので有名だが、水しぶきを浴びるので水着着用で来てくれと案内されているので、雨の用意はできている。

ただ、滝に着く前にずぶ濡れになり、入り口につく頃には上から下迄ぐっしょりとなり、もう既に滝の裏側に行ってきたかのようである。折からの雨のせいか水も濁っているので、裏側に行くのはやめた。1月に行ったイグアスの滝のミニ版で滝の水の色も同じなので、まあ良いだろうと言う判断だ。

雨は中々止まず、帰り道も足下に流れる水に気をつけながら、歩く。遼馬君もずぶ濡れになりながら、何くれとなく手を差し伸べ事故の防止に努めてくれる。ちょっとしたアドベンチャー気分である。雨はロッジに帰ってからもぱらつき着ているものを乾かすのにも時間がかかった。


サポの滝入り口

サポの滝上部

雨の中撤退 遼馬君もずぶ濡れの中手を差し伸べる

ずぶ濡れの中記念撮影 ひどい顔だ

南米旅行ーギアナ高地(2)

2017-07-26 03:04:35 | 行ってきました

エンゼルフォール 上部はまだ雲が垂れ込めている

数々の滝

エンゼルフォール

今度のパイロットもプエルトオルダスーカナイマ間と同じ人物。始めは低いところをとぶがテーブル台地が近づくにつれ次第に高度を上げる。谷間を遡ってすすむ。右に回り込んだところでパイロットが指差し、なにか叫ぶ。その先には長大な滝が落ちていた。世界最大の落差を誇るエンゼルフォールだ。

幸いにも次第に台地の上部にかかっていた雲が晴れてくる。この平らな台地のどこから水は流れてくるのか。かなりの水量が落下しているが、滝の下部はヴェールを広げたように拡散して滝壺はできていない。1000mも落ちればむべなるかなである。

パイロットは、暫く滝の周りを旋回したり、崖すれすれを飛行したり大サービスをしてくれる。やがてセスナは少し高度を上げて高地の上に出る。アウイヤンテプイというのがこの台地の名前で、東京23区より広いという。台地の上には何本かの川ができており、水は豊富である。

この台地に登る道が一本だけ通じており、遼馬君は先日登ったそうである。ジュール・ヴェルヌの「失われた世界」で描写した古代の不思議な世界の連想が生まれるわけだ。

パイロットは広大な自然の造形物(谷間)の間を右に、左に旋回し、上に上がったり下がったりして、いろいろな角度からエンゼルフォールを見せてくれる。中々の腕前である。

小一時間のフライトに満足して飛行場に戻った。圧巻のエンジェルフォール飛行であった。


アウイヤンテプイ台地の上部


飛行を終えて次第に高度を下げる

南米旅行ーギアナ高地(1)

2017-07-25 00:40:38 | 行ってきました

カナイマのロッジ

ロッジでの昼食

カナイマ空港近くのロッジに荷物を置きとりあえず昼食。今朝は昨日のツナサンドの残りだけだったので、お腹が空いており、ロッジの昼飯が特に美味しく感ぜられた。質素で清潔なロッジだが料理はしっかりしていた。

午後2時エンゼルフォールへのセスナフライト決定。再びカナイマ空港を飛び立ちギアナ高地へと向かう。ロッジ近くの滝群の上を通り、蛇行する川を遡る。ロッジの近くには結構沢山の滝がある。

滝上にはちょっとした瀬があり、その上は緩やかな流れが続く。前方にテーブルマウンテンが見えてきた。近づくと切り立った岩肌が眼前にせまってくる。ところどころに白い糸のように滝が落ちている。

雲は頭上を覆っていたが、気流は安定しセスナは快調に飛行を続けている。


ロッジ近くの滝群

瀬となって流れる

概ね川は緩やかに流れる

ギアナ高地が見えてきた

岸壁でまもられ高地

セスナは谷間を縫って進む

小さな滝は数多く落ちている

崖の縁には奇岩が

南米旅行ー移動の冒険(2)

2017-07-24 06:54:38 | 行ってきました

プエルトオルダスの飛行場

セスナでGO

眼下に広がる絶景

プエルトオルダスからギアナ高地へはセスナ便しかない。6人が定員なので私が助手席に乗り込む。ラッキー。翼の支柱に付いたステップに足をかけ、助手席に乗り込む。気の良さそうなパイロットがシートベルト掛けを手伝ってくれる。何か手作りの工作物のようなセスナ機は風や振動にたわむ。ちょっぴり不安だ。しかし快晴で見通しは抜群である。

簡単に離陸をし、街の上をを抜けると湖に出た。島が点在する絶景をゆっくり越してゆく。高度500mくらいで機体の揺れも収まり安定した飛行になってきた。こうなればセスナは安定したものだ。離陸前後は細かくスロットルを調整していたパイロットも、少し余裕が出てきたようだ。やがてジャングルと川が姿を見せ、滝も飛沫を上げている。緩やかな斜面に付けられた滑走路に静かに降り立つ。

カナイマの空港はちいさな山の飛行場である。交通機関はセスナのみで、鉄道も道路も通じていないので、カナイマは下に比べて物価は2,3割は高いそうだ。ここはエンゼルフォールやギアナ高地の拠点になっている。飛行場にはセスナを始めとする小型飛行機が6,7機止まっていた。


パイロットと記念撮影

川や滝が姿を現し、カナイマが近づいてきた。

南米旅行ー移動の冒険(1)

2017-07-23 06:06:51 | 行ってきました

やっと夜が明け始めた

草原を抜け

街並みを通り

バスは走る 運転席横に寝そべる助手

やっと空港に到着

カラカスからは20日(火)午後11時発。同じ飛行機便で行く予定だった内海君という若者を加えて計5名、遼馬と現地ガイド、運転手、交代要員、それになんだかよくわからないが運転助手か雑用係みたいなプラプラしている若者と計10名が小型バスで10時間の陸路でプエルトオルダスの空港へ向かった。

カラカスのデモ実施場所は都市部なので方向が違い、危険は少ないが、なにせ道路事情が悪い。街灯の殆ど無い暗い夜の未舗装道路をガタゴト跳ねながらひたすら走る。夜中とは言え2,3時間間隔でトイレ休憩を入れる。GSや、休憩所のないところは道端でバスを止め、乗務員はバスにおしっこを引っ掛けている。流石に我々は近くの草むらで用を足した。

石油コンビナートか、石炭コンビナートかわからないが夜空に何本も赤々と炎を上げている煙突を取りすぎ、やがて白白と明けてくる草原を抜け、街を通り過ぎると、長いバスの旅も終わりに近づく。役割のよくわからない若者は、運転手と交代要員の間に寝そべって、しょっちゅう何か話しかけている。どうやらそれが仕事らしく、運転手の眠気防止の話し相手らしい。いろいろな仕事があるものだと感心。

バスの座席では十分な睡眠は取れなかったが、予定通り10時間と30分位で無事に快晴のプエルトオルダス空港へ着いた。

お薦めの好書

2017-07-22 00:28:37 | 


宇野全智「禅と生きる」山川出版社 2017年刊

長男の大学時代の同級生が本を書いたといって、送ってきた。彼の大学時代から顔見知りで、実家の山形のお寺にも寄せて貰っことがある。宗派は曹洞宗で、彼のお父さんの指導で座禅を組んだり、山菜や酒をごちそうになったり、村おこしの手打ちそばの店に連れて行ってもらったりした。

お互いの息子の結婚式に出席したりしたが、彼は至極落ち着いた好青年であった。同級生を奥さんにして卒業後、駒沢大学の総合研究センターに勤務している。東北大震災の後、今こそ宗教の出番なのに日本の宗教は役割を果たしていない、喝を入れねばと、研究センターの同級生と議論をしたことがあった。彼を入れて4人来た中で、一番マトモで宗教家らしかったのが彼であった。

そんな彼の書いた本なので大した期待はしていなかったが呼んでみて唸った。禅の入門書として実にわかりやすいし的を得ている気がする。

よく言う座禅の無の境地についても、食事の時の心得なども、目を開かせてくれるような解説である。その他、日常の生活に基づいた姿勢を教えている。しかもそれが「絶対に得心させるぞ」といった意気込みは感じさせない。

例えば、イスラム教やキリスト教は神を唯一とし絶対視する。対して仏教は真理すら相対的なものとし、あらゆるものを包含する。この融通性、柔軟性こそ宗教の本来持つべき寛容性ではないかと思うのだが、こんなことをわかりやすく日常の生活の中になぞらえて説いている。しかも決して抹香臭くなくすんなり胸に落ちる。

中々の好書である。お薦めできる一冊だ。