Another 第12話 Stand by oneself -死者-
感想と考察
榊原と鳴が生き残ってくれたことに嬉しさが込み上げてきたのと、榊原が自分達を生き残らせるために怜子を殺さなければならなかったことに打ちのめされてしまったのとで、心の中がしっちゃかめっちゃかになってしまった。
いや、しかしそれにしても怜子と副担任の先生とが同一人物だったというのには驚いてしまったな。
怜子が死者だったという事実以上に驚いてしまった。
あと、怜子と副担任の先生とが同一人物だったという事実そのものに驚いたのに加え、怜子と副担任の先生とが同一人物だったという事実を本作品の作り手の人達が今回の話に至るまでの間ずっと隠し通せたということにも驚いてしまった。
だって、全てが文章で表現される小説とは違い、本作品は、絵もあれば音もある映像作品だったわけで。
故に、我々視聴者は怜子と副担任の先生とが同一人物だったという事実に二人のビジュアルを見比べることによって気付くことができたはずでもあれば、声を聴き比べることによって気付くことができたはずでもあったわけで。
それなのに本作品の作り手の人達は怜子と副担任の先生とが同一人物だったという事実に関して我々視聴者を欺き通すことができたのだから、これは本当に凄いことだった。
そして、それ以外にも本作品は、ホラー作品として視聴した場合には存分に怖さや気持ち悪さを味わうことができたという点でも、サスペンス作品として視聴した場合には頭をフルに回転させられることの楽しさを堪能することができたという点でも、非常に優れた作品だった。
故に、苦手な系統の作品だからということを理由に切ってしまわなくてよかったということを心から思える作品だった。
といったところで、以上、『Another』の感想と総括、終了。
第01話 さくやこのはな
第02話 からくれなゐに
第03話 ふれるしらゆき
第04話 しつこころなくはなのちるらむ
第05話 よはのつきかな
第06話 けふここのへににほひぬるかな
第07話 ひとこそみえねあきはきにけり
第08話 たえてひさしくなりぬれど
第09話 しのぶれど
第10話 ゆくもかへるもわかれては
第11話 あまつかぜ
第12話 むらさきのゆきしめのゆき
第13話 きみがため
第14話 はなよりほかにしるひともなし
第15話 つらぬきとめぬたまそちりける
第16話 おぐらやま
第17話 みちこそなけれ
第18話 はなそむかしのかににほいける
第19話 ながらへば
第20話 くもゐにまがふおきつしらなみ
第21話 わがころもでにゆきはふりつつ
第22話 うつりにけりないたづらに
第23話 しろきをみればよぞふけにける
第24話 をのへのさくらさきにけり
第25話 もれいづるつきのかげのさやけさ
『ちはやふる』スペシャルトークショー
ちはやふる 第25話 もれいづるつきのかげのさやけさ
感想と考察
はたして作り手の人達はアニメ版『ちはやふる』の物語をどういった風に締めるのだろうかということがものすごく気になっていたのだが、なるほど、この手法で締めることにされたか。
この手法というのは、物語の最初の部分でやった内容を最後の部分でもう一度繰り返してやることで、始まりから終わりに至るまでの物語を通して主人公やその他の登場人物がどう変化したかを(あるいは変化しなかったかを)読者や視聴者に凝縮した形で示す、といった手法のことで、映画や小説等で古くから用いられていた手法だった(ちなみに『男子高校生の日常』の最終話でも用いられていた)。
アニメ版『ちはやふる』の場合は、第1話の冒頭部分でやった、千早が部員を募集するためのポスターを掲示板に張るくだりを、最終話の一番最後の部分でもう一度やる、といった形で行なわれたわけだが、それにより我々視聴者は第1話から最終話までの物語を通して千早がいい意味で何も変化しなかったという事実を再確認できると共に(その一方で女帝の千早に対する認識や態度は大きく変わったという事実を再確認できると共に)、アニメ版『ちはやふる』が今回の放送で以て終わってしまうのだという実感をしみじみと味わえるようになっていた。
ってな具合に、作り手の人達は最終話においても機械的に原作の内容をアニメ化するというのではなく、アニメ版『ちはやふる』がアニメ版『ちはやふる』としての感動や満足を視聴者に与えられる作品となるための創意工夫を凝らしてアニメ化するということをして下さったというわけだった。
そして、もちろんその創意工夫は、原作ファンであるオレから見て、所謂「原作レイプ」という言葉が一切浮かんでこない類の、故に納得することもできれば満足することもできる類の創意工夫だった。
いや、改めてアニメ版『ちはやふる』の作り手の人達は最高の仕事をして下さったと思う。
そして、そうした最高の仕事で以て『ちはやふる』をアニメ化してもらえたことというのは、原作ファンとして本当に幸せなことだった。








