無料で学べる講座『gacco(ガッコ)』放送部

社長の伊能美和子が、自らの想いを綴ります
お気軽におつきあいください~~

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一生続けられる学び

2017-06-16 | 放送部

gacco社長 兼 放送部長の伊能です。

 学びにはいろいろありますが、習い事も学びですね。

今日は、そんな私の習い事についてご紹介します。

 私は着物好きで、仕事の場面でも着物を着たりしていますが、そのきっかけになったのは、以前勤務していたビルのお向かいにあった呉服屋さんの着付け教室に通ったことでした。

もともと日本文化やそれらを支える技術に興味がありましたが、一番身近な日本文化として、母から譲り受けた着物を自分で着られるようになりたいと思ったのです。

 その後、亡くなった祖母、大叔母の着物をタンスごと受け継ぎ、少しずつサイズを直したり、着物を羽織や帯に仕立て直したりと工夫しながら、自分の誂えた着物や帯とコーディネートして活用しています。

その着付けを教えてくださった先生が締めておられた帯がとても素敵だったので、お聞きしてみると、なんとご自分で染めて作ったとのこと!

そこで、その先生にご紹介していただき、私も通い始めたのが、沖縄の代表的な染織、「紅型(びんがた)」を教えてくださる教室で、6年ほど前のことになります。

 友禅が分業で行われているのに対し、紅型はすべての工程を一人で行います。

その工程はざっと以下の通りです。

1.図案作成

2.型紙作成

3.糊置き(のりおき)

4.下呉塗り(したごぬり)

5.色挿し(いろさし)

6.隈取り(くまどり)

7.蒸し

8.水元(みずもと)

 

1.     図案作成は、古い紅型の図案を参考にして、大きさやモチーフを変えて少しだけオリジナリティを出したり、現代的なデザインをアレンジしたりしながら考えます。

2.     型紙作成は、和紙に柿渋を塗った、「渋紙」という紙に、1の図案を「美濃紙」という薄い和紙に写したものを、「細工蝋」という固形の糊で張り合わせ、アートナイフで彫っていきます。彫りあがったら、「紗」という目の粗い絹の生地を「カシュー」という漆の代用の塗料で貼り付けて乾かしたら完成。

図案を写し取った美濃紙を貼り付けた渋紙を彫ります。


型紙が彫り上がりました!

 3.     糠と餅粉を混ぜて蒸し、練り上げて石灰水を加えて糊を作り、布の上に型紙を置いて、へらで糊を塗ります。型紙をずらしながら模様が連続するようにします。

4.     大豆をふやかしたものをすり鉢で擦ってペースト状にして、絞った液を「呉汁(ごじる)」といいますが、薄めた呉汁を糊が乾いた布に薄く刷毛で塗ります。お化粧で言うところの乳液のようなものだそうです。

大きなすり鉢とすりこぎで、呉汁を作ります。

 5.     顔料を膠で固めた棒絵の具を呉汁で溶きながら、何色か混ぜ合わせて好みの色を作り、「刷り込み刷毛」という筆で糊のないところに挿します。

刷り込み刷毛にはいろいろな太さがあって、細かい部分を染める時には細いものを使います。

6.     色挿しが終わったら、立体感を出すために、濃い目の色をぼかしながらさらに刷り込みます。

7.     乾いたら蒸して色を定着させます。

8.     蒸し上がった布を水にさらして糊を落とします。

 

このような作業を経て、受け継いだものや自分で誂えたものに合わせられるような着物や帯、小物などを作っています。

同じ型紙で製作した着物と日傘です。一度作った型紙でいろいろ作れるのも魅力です。

 

来年には3年に1度のグループ展があるので、今はそこに出品するための作品作りの真っ最中。

 

 教室に通われている生徒さんには80代の方もいらして、私は、これからずっと続けられる学びに出会えたこと、また技術を継承していくことに喜びを感じていますが、一方で作品を作るための伝統的な道具を入手することが難しくなってきていることも肌で感じています。

 すべてがすべて昔のまま、という訳にはなかなかいかないかもしれませんが、良い所を残しながらできるだけ長く続けていきたいと思っています。


皆さんはどんな学びに出会っていますか?


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