私はいつものようになじみの理容室に入りました。
この御主人、よくしゃべりかけるのでお客を寝かせてくれない人です。鏡の前に座ると、さっそく御主人が語りかけてきます。
主人「どうですか、ゆず湯はもう入りましたか?」
私「あ、忘れてました」
主人「ダメでしょ、そういう季節感ってものを味あわなくちゃ」
私「すいません……」
いつものダメ出しのあとで、興味深い話がはじまりました。
主人「最近はね、顔を剃る時に、眉の形をキレイに整えてくれ、なんてお客さんが増えましてねえ」
私「へえ、そうですか」
主人「それが、ふつうの形じゃないんだな」
今日もおしゃべりで寝かせてもらえそうにありません。
主人「あんまり細かいこと言うときは別料金ですけどね、まあちょっとならやってあげますよ。どうします?」
こっちがことわるのを知っていながら、含み笑いで話しかける御主人。
私「いや、僕はふつうでいいです」
主人「そうですか、フフフ。最近の若い男の子なんか、眉を細く整えてくれなんて言いますからね」
私「流行りなんですかね」
主人「そうかと思うと、あっちの業界筋の人とかは剃ってくれ、とかね」
私「ああ、ありそうだなあ」
主人「ゴルゴ13みたいな眉にしてくれ、っていう人もいるし」
私「えっ、そんな人いるんですか?」
この御主人、よくしゃべりかけるのでお客を寝かせてくれない人です。鏡の前に座ると、さっそく御主人が語りかけてきます。
主人「どうですか、ゆず湯はもう入りましたか?」
私「あ、忘れてました」
主人「ダメでしょ、そういう季節感ってものを味あわなくちゃ」
私「すいません……」
いつものダメ出しのあとで、興味深い話がはじまりました。
主人「最近はね、顔を剃る時に、眉の形をキレイに整えてくれ、なんてお客さんが増えましてねえ」
私「へえ、そうですか」
主人「それが、ふつうの形じゃないんだな」
今日もおしゃべりで寝かせてもらえそうにありません。
主人「あんまり細かいこと言うときは別料金ですけどね、まあちょっとならやってあげますよ。どうします?」
こっちがことわるのを知っていながら、含み笑いで話しかける御主人。
私「いや、僕はふつうでいいです」
主人「そうですか、フフフ。最近の若い男の子なんか、眉を細く整えてくれなんて言いますからね」
私「流行りなんですかね」
主人「そうかと思うと、あっちの業界筋の人とかは剃ってくれ、とかね」
私「ああ、ありそうだなあ」
主人「ゴルゴ13みたいな眉にしてくれ、っていう人もいるし」
私「えっ、そんな人いるんですか?」