BIRDのブログ&ファンフィクション

往年のアニメ 「科学忍者隊ガッチャマン」の大ファンです。
この話題を中心に日常のことなどを綴ってみました。

火の鳥 その後 #7 K

2017-03-20 20:54:41 | ファンフィクション
 #7  K


 翌日の午後、ドクター・パトリック・オーウェンとドクター・エミリオ・ガートナーは
パトロール隊が新たに捜索した丘陵地帯から相次いで救出された、男女二人の生存者について
話し合っていた。
「総裁Zが操っていた反物質小惑星の影響で急激なフェーン現象が起こり、火災が発生して
ここら一帯も森林火災の延焼が続きひどい被害を受けたね」
「ああ、街中が破壊されて道路は寸断されていたし、ライフラインが完全にやられてしまった後では
消火活動がほぼ不可能で、街そのものが炎に包まれて何もかも焼け落ちてしまった…」

 勤務していた病院や自身の家族、友人、仲間を亡くした街の惨状をそれぞれ思い出し、
二人のドクターはいっとき言葉を失って、苦いものを噛み締めた。
「彼もなんとか山の中に逃げたものの、結局は火災に追い詰められて逃げ場を失ってしまったんだろう。
発見場所の焼け様は実に酷かったと聞いているよ」
ドクター・オーウェンは報告書の内容を思い出しながら溜め息をついた。
「幸い夜半の豪雨が消火の役目を、火災の名残が体温維持の役目をそれぞれ果たしてくれたようだが、
そこで発見されたのは彼だけだったんだね?」
ドクター・ガートナーが訊ねる。
「そうだ。報告書によると他にも生存者がいないか、山に残った捜索隊は時間の許す限り辺りを回ったが、
かなりの広範囲を捜索したにもかかわらず、山では彼以外は発見できなかったそうだ」
ドクター・オーウェンも声を落とした。

「もともと独りで山の中にいたのか、一緒だった家族や仲間とはぐれて山の中でたった一人、助かったのか…」
「身に着けていた衣服も靴も焼け焦げてボロボロだったし、IDどころか腕時計すら着けていなくて
手がかりが何もない。まだ名前もわからないし、ベルトのバックルが『K』だったから
カルテも『Mr.K』だ。幸い火傷やひどい怪我は負っていないものの、ほんとうの回復には
まだまだ時間が必要だね」
ドクター・パトリック・オーウェンは意識が戻った時の患者とのやり取りを思い出しながら、溜め息をついた。
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