BIRDのブログ&ファンフィクション

往年のアニメ 「科学忍者隊ガッチャマン」の大ファンです。
この話題を中心に日常のことなどを綴ってみました。

GYAO!で科学忍者隊ガッチャマンの無料配信が始まる!

2017-05-14 08:00:00 | ニュース
GYAO!で科学忍者隊ガッチャマンの配信がスタート!です。
https://gyao.yahoo.co.jp/p/00591/v06863/

現在、1話から5話まで配信中で視聴期間は5月12日から9月30日までです。
全話配信があることに期待しています!
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火の鳥 その後 #11 日が過ぎて

2017-05-07 17:56:13 | ニュース

             #11  日が過ぎて


 「何かお探しですか?」
医務室の棚に貼られたラベルを端から順に見ていたKは背後から掛けられた声に振り向いた。
若いナースが微笑む。
「サッカーをしていた子供達の中で怪我をしたのが居るので、湿布タイプの消炎剤が欲しいんだ。
それから包帯とテープ、保護ネットも」
「わかったわ。待ってて」
たちまち彼女は医務室の奥から消炎剤の箱や包帯、リクエストした品々を抱えて来てくれた。
「これだけでいいの?怪我の様子は?ドクターが診ましょうか?」
「いや、打ち身と軽い捻挫なんだ。助かったよ、ありがとう、ミス…J?」

渡された品を受け取りながら、ネームプレートの表記に当惑した相手の青く大きな瞳に向かってナースはさらに微笑み
「『J』だけじゃびっくりするわよね。私、三ケ月前に助けられてここに収容されたの。でも、自分の名前も
覚えていなくて、その時着けていたベルトのバックルが『J』だったから、そう呼ばれているだけよ。
今月からここのお手伝いをしているけど私はナースじゃないわ、ドクター…K?」

 青い瞳にそう説明しながら『J』ひと文字のネームプレートを白衣の胸に付けたミスJは相手の白衣の胸元の
ネームプレート、『K』のひと文字に形のいい眉を寄せて、首を傾げた。
その怪訝な表情に慣れているKは小さく笑って
「俺も三月ほど前に助けられたけど何も覚えてなくてね。衣服は焼け焦げてボロボロ、所持品もなし。君と一緒で
ベルトのバックルが『K』だったから呼び名がK。それに俺はドクターじゃない。君と同じく手伝ってるだけさ」
ミスJの碧緑の瞳を囲む長い睫毛が不思議そうに瞬きした。
「何だか似てるわね」
「そうだね」
廊下を戻って来たドクター・ガートナーとドクター・オーウェンは医務室の声に顔を見合わせた。



 「なあ、パット、同じ日に見つかったこと、記憶喪失、似たようなバックル。発見された場所は違うが、
あの二人はきっと何か関係があるよ。もしかしたら恋人同士かも」
がっしりした体躯と厳つい外見によらず、イタリア人らしくロマンチストのドクター・ガートナーが、
無人になった医務室隣の医局で未だに身元の分からない二人の男女について勢い込んで憶測を述べ、微笑した。

「まあ、待ちたまえ。火災の中を逃げ回ったショックは大変なものだろうけど、それほど親しい相手を
まったく忘れてしまう、なんてことがあるのかい?発見場所だってジープで一時間以上もかかる別々の場所だったよ。
どちらも発見時は独りだったし、君が言うようにたとえ恋人同士だとしても、または友人だとしても、あんな
恐ろしい時には一緒にいたいと思うものじゃないかな?」
向かい合ったドクター・オーウェンの落ち着いた言い方に、ドクター・ガートナーはうーんと唸って天井を見上げ、
眉を寄せて黙り込んでしまった。その様子にドクター・オーウェンは話題を変えた。

「そう言えば、彼女にも例のテストを試してみたんだったね」
ドクター・ガートナーが顔を上げる。
「そうだ!そうなんだ!ミスJもえらくハイスコアで」
ドクター・ガートナーはたちまち元気になった。
「どちらもハイスコアだったが、火薬や爆発物、爆弾処理、危険物の分野を除けばKの方が圧倒的だったね」
ドクター・オーウェンは二人のテスト結果を思い出していた。

「あの知識の豊富さとそのカバー範囲、二人ともハイスコア、きっとどこかの軍か部隊所属だよ!」
ドクター・ガートナーは勢いよく続けた。
「でも問い合わせた限りでは二人ともどこの軍にも部隊にも記録がなかったじゃないか、国連軍にもね」
ドクター・オーウェンが静かに返した。
「じゃ、それよりもっと秘匿性の高い特殊な組織、スペシャルフォースの仲間…とか」
「エム、君の好きなイアン・フレミングやフレデリック・フォーサイスのスパイ小説じゃあるまいし。
もしそういった関係者だとしても、二人ともあまりに若過ぎるよ。まだ正確な年齢はわからないけれど、
どちらも二十歳そこそこか二十代前半、といったところだろう?まだ学生かも知れないし―」
「うーん…」
スパイ小説の設定から離れられないドクター・ガートナーにドクター・オーエンは苦笑した。

「今となっては例のテストが身元特定の手がかりに相応しかったかどうか…。それに奇跡的に大した外傷を
負ってはいなくても、記憶を失くすほどの何か強い衝撃を心に受けているようだし、彼らもこの戦いの被害者なんだ」
身元を明らかにしたくて、つい自説に奔りがちなドクター・ガートナーを、年長のドクター・オーウェンは静かに諌めた。
「悪かった、僕が先走り過ぎたな。でも互いに会話ができるようになってよかったよ」
「うん。二人ともやっと笑ったね。これが記憶を取り戻す一歩になればいいんだがね」
二人のドクターは心からそう願っていた。
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火の鳥 その後 #10 彼は何者

2017-04-16 21:55:03 | ファンフィクション


 #10  彼は何者?


 「若いのに偉いな。自分もかなりの怪我をしているというのにね」
ドクター・ガートナーがコーヒーの入ったマグカップを引き寄せて言った。
「怪我の状態はあと一週間くらいで完治しそうだよ。ほっそりしているけど、随分と鍛え上げられた身体の持ち主だね」
ドクター・オーウェンは手渡されたカップから立ち昇るコーヒーの芳香に頬を緩ませる。
「スポーツ選手か、何かの強化選手なのかな?」
「どうなんだろう?何しろ身元のわかるものや手がかりが何もないからね。それより回復してきた分、ベッドにいるのは
退屈らしくて本を読みたいと言われたよ」
「ああ、彼は読書家らしいね。ナース経由で僕も頼まれたけど、手持ちは医学書とスパイ小説ぐらいしかなくて
申し訳なかったな」
ドクター・ガートナーが笑った。

 「それが私の医学書を読んでいるんだよ、細胞学のね。内容に関する質問がとても的確なんだ」
ドクター・オーウェンが相好を崩す。
「ほう、それはすごいな」
ドクター・ガートナーは驚きの表情を浮かべた。
「焦げ茶の髪に見事なブルウアイズなんだが、なんとなく彼は東洋系を思わせるね。
物静かだけど大きな瞳に表情があって、実にいい眼をするんだよ」
なんだか息子の自慢話でもしているようで、言いながらドクター・オーウェンは小さく笑った。
「何者なんだろうな、彼は」
「今のところ身元のわかるものは何もないし、何か手がかりや切っ掛けでもあればいいんだがね」
結局いつもの言い方に落ち着いてしまい、ドクター二人は顔を見合わせて溜め息をついた。


                   * * *


 「ふーむ」
それから約三週間後、医務室でドクター・オーウェンは手元に片隅をクリップ止めにして纏めた、かなりの厚みがある
解答用紙を繰っては、何度目かの溜め息をついていた。
自分の名前も思い出せない青年の手がかりにでもなれば…と、リハビリのプログラムも終了して今週あたりからようやく
右腕を不自由なく動かせるようになった彼にかなり広範囲のテストを課してみたのだが―。
「一般教養、地理、歴史、文学、物理、高等数学、自然科学、国際法規全般、航空気象、航空工学、電子工学、医学、
薬学、語学、天文学ー」

 「なんだい?何かわかったのかい、パット?」
カルテの整理を終えたドクター・ガートナーがデスクの前から立って来て声をかけた。
「これは凄い。どの分野もパーフェクトじゃないか。彼はどこかハイレベルな大学の学生か研究員じゃないのかな?」
ドクター・オーウェンの持つ解答用紙を見ながら、驚きの声を上げたドクター・ガートナーに
「いや、他にも戦闘機に始まって航空機全般、航空史、空戦、武器、武器システム、戦史、戦略、作戦立案、作戦遂行等の
軍事関連の知識もパーフェクトなんだよ」
 ドクター・オーウェンから別の解答用紙を渡されたドクター・ガートナーはそれに目を走らせながら
「ふーむ」
同じように唸ってしまった。
「スコアも凄い上に綺麗な字を書くんだね。これほど大量の設問にこんな短時間で解答したのかい?」
解答用紙を繰りながら筆跡と記された解答時間に目を留めているドクター・ガートナーの声を聞いていたドクター・オーウェンは
ふと閃いた。
「そうだ!彼はどこかの軍か部隊にいたのかも知れないな」
「軍や部隊なら記録を調べればわかるぞ。この優秀さなら尚更ね」
ドクター・ガートナーも解答用紙の束から顔を上げて同意した。


                   * * *


 「いや、だめだったよ。調べた限りでは彼の記録はどこにもない。何しろこの戦いで記録どころかデータセンターが
サーバーごと焼失したり、ネットワークがあちこちで寸断されて、多くがシステムとして機能していないんだ」
がっかりした表情で首を振るドクター・オーウェンをドクター・ガートナーは見やった。
「いったい何者なんだろう?」
医師二人はもどかしそうに言い、顔を見合わせて溜め息をついた。
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火の鳥 その後 #9 青い瞳

2017-04-02 21:33:15 | ニュース
 #9  青い瞳


 「気分はどうかな?何か思い出したことはあるかい?」
ドクター・オーウェンは時間さえあれば捜索隊に救助された生存者の病室を訪れて問いかけてみた。
「いえ、何も…申し訳ありません」
国連から優先的に廻された医療機器や機材で詳しい検査を行った結果、臓器や脳、骨に異常は認められないものの、
男女二人の生存者は未だに記憶を取り戻してはいなかった。

毎度、ドクターから繰り返される問いにはかばかしい返事ができなくて、当惑したような表情を浮かべる
若い彼がいじらしくドクター・オーウェンは柔和な笑顔を向けた。
「謝らなくていいんだよ、君が悪い訳じゃない。それより、脚と腕の具合はどうだい?少しは動かせるかね?
身体の痛みはどうかな?」
「もう大丈夫です、歩けます」
被りを振るその表情を見やって
「無理をしなくていい。腕はまだ腫れが引いていないし、脚の状態もまだ完全とは言えないね。
身体中に打撲傷もある。君にはまだ安静が必要だよ」
右腕に続いて左脚の様子や全身を丁寧に診ながらドクター・オーウェンは静かに言った。

「でもドクター、俺はたいした怪我をしていないし、ここにはギャラクターとの戦いで傷ついた
人達が大勢いる。なにかしたくても、俺は自分の名前すらわからないんだ!」
何も思い出せない焦れったさに感情が昂ぶって来たのか、形のいい手がブランケットを握り締め、
ドクター・オーウェンを見上げる大きな青い瞳が潤んだ。
「きっと君はこれまで多くの人の役に立ってきたのだろうね」
診察を終えたドクター・オーエンは傍らの椅子を引き寄せて腰を降ろし、真っ直ぐこちらを見ている
大きな眸に言い聞かせるように続けた。

「いいかい?たいした怪我どころか、君は左脚の捻挫だけでなく右腕もひどく痛めているんだよ。
広範囲な打撲傷もある。いずれも回復に向かっているとはいえ、特に右腕の方は神経を痛め
なかったのが不思議なくらい深刻な状態だった。まるで何かを強く握り締めていたようだったね。
それに君がここに運ばれて来た時、身に着けていた衣服や靴は焼け焦げ引き裂けてもいて当初、私たちは
重傷を覚悟したくらいだった。しかし、君は身体中に打撲傷があったにもかかわらず、
火傷や頭部の怪我、内臓の損傷や骨折などの重篤な症状はなかった。これは奇跡とも言えるんだよ。
無理をしないで今は怪我を治すことを第一に考えよう。君もギャラクターとの戦いで傷ついた一人なんだ」
ドクター・オーウェンはブランケットを掴む指の長いがっしりとした男らしい手に年輪を重ねた
自分の手を伸べて宥めた。

「科学忍者隊のおかげで地球は救われたんだ。地球を守るために戦い続け、遂にギャラクターを退けてくれた
彼ら、科学忍者隊の為にも我々がこれから為すべきことはたくさんある。焦らなくていいんだよ」
ドクターオーエンは息子ほどの年齢の若い患者に向かって噛んで含めるように諭し、ようやく頷いた彼の長い睫毛から
零れて白い頬に伝った涙を拭ってやりながら慰めた。
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火の鳥 その後 # 8 記憶喪失

2017-03-20 20:57:32 | ファンフィクション
 #8  記憶喪失 


 「やあ、気がつきましたね。よかった」
がっしりした長身のドクター・エミリオ・ガートナーは、収容から一週間と三日を過ぎてようやく
意識を取り戻した女性の顔を注意深くのぞき込んだ。
「ここは病院ですよ、難民キャンプのね。あなたは助かったんですよ」
物憂げな瞳が訝しそうに彼を見上げる。
長い髪が囲むハート型の顔、白磁の肌、碧緑の瞳、珊瑚の唇。

(こりゃ美人だな)

思わず顔を綻ばせかけたドクターは形のいい眉を顰められ、慌てて表情を引き締めた。
「どこか痛みますか?ああ、そうだ、あなたの名前は?」
くだんの美人はドクターの内心を見透かした訳でもなく痛みにでもなく、彼の問いに対してその眉を顰めていた。
その様子に不安を覚えたドクター・ガートナーが名前に続いて、年齢は?家族は?住まいは?…と、
立て続けに発した問いにも困惑した表情の彼女は、長い髪を揺らして首を振るばかりだった。

 回診を終えてカルテを整理していたドクター・オーウェンは、第三捜索隊が別の場所で発見したという
生存者の女性がようやく意識を取り戻した、との知らせをナースから受けて医務室を飛び出して行った
ドクター・ガートナーが、足取りも重く戻って来たのを怪訝そうに迎えた。
「どうしたんだい?エム。意識が戻ったんじゃないのか?」
「それが…」
口ごもる相手にドクター・オーウェンは掛けていた回転椅子ごと向き直った。

「彼女も似たような状況だったんだろう。身に着けていた衣服や靴は焼け焦げや煤だらけで、
裂けたりもしていた。彼同様、火傷や重い傷がなかったのが奇跡だな」
ドクター・ガートナーは担当している患者のカルテを自分のデスクに戻しながら言った。
「こちらもベルトのバックルだけが頼りの『ミスJ』だ。発見場所は異なるが
二人とも炎の中を逃げ回った揚句に記憶喪失だなんて、怪我が軽かったとはいえ可哀想に」
ドクター・ガートナーの声が重く沈んだ。
「災に追われて山の中を逃げ回った記憶など、思い出したくもないだろうね」
痛ましそうに首を振るドクター・オーウェンに
「でも、国際科学技術庁の発表にあったように科学忍者隊のおかげで、遂にギャラクターは
滅び去り、ようやく地球に平和が来たんだ。これから復興が進んでいけば気持ちも落ち着いて、
いずれはブロックされた記憶も取り戻せるんじゃないかな?」
ドクター・ガートナーは強いて明るく言った。
「そうだね。まだ若い人たちだし、きっと元気になるよ」
これといった根拠はないものの、ドクター・オーウェンもドクター・ガートナーに合わせて、
自分自身の気持ちを引き立てるように応えた。

 ドクター達は男女ふたりの生存者の記憶喪失をPTSDと推測していた。
地球的規模の厄災ともいえる戦いが遂に終結した今、そういった症状を示す者は
珍しくはなかったから…。
キャンプの人々もドクター達も、世界中の誰もが心に傷を負っていた。
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