New Horizon

〜紆余曲折の日々の中で...

海外で知った大地震・津波・原発事故

2011-04-10 | ビジネス
豪州出張中に、関西から来た携帯メールで大地震・大津波のことを知り、早速、TVをつけました。ABC、BBC、CNNなどのチャンネルでは、想像だにしない津波に襲われた東北地方太平洋岸の各地域の惨状を伝えていました。その後、ことある毎に、豪州の皆さんからは、お悔やみと激励の言葉をもらい、正直、ありがとうという気持ちになりました。

その後のTV報道は、やはり原発事故の原因、問題点、対策、何をしているのか、どうなっているのか、メルトダウンは、というものが多かったように記憶しています。TVでは、原子力の専門家などが、日本政府の対応(データの開示や進捗報告など)について、不十分だと不透明であるといった批判が出ていました。遠く離れた場所で見る日本国内の動きについては、いま一つはっきりしなかったというのが正直な印象でした。

帰国してみると、東京の町は落ち着いているようには見えましたが、被災地での厳しい状況、原発については、日々新たな問題点が次々と出て来ることなどを含め、事態が落ち着くまでには数ヶ月から半年、それ以上の時間が掛かると思います。また、被災地の復旧・再生ということを考えると、どれほど長い期間と膨大な費用が必要が掛かるのか...現地の皆さんの頑張りと多くの国民・政府・行政・民間のバックアップとがあって初めて、再建が可能です。被災地への支援や義援金が渡っていないなど、行政の対応の遅さなどが指摘されています。早急に、短期的な具体的再建案、中長期的なロードマップ、復興計画造りが待ったなしで必要です。

原子力の安全神話も、今回の件でもろくも崩れ去ってしまいました。航空機や原子力産業については、事故が発生したときの影響が甚大になるため、事前のリスク対策も徹底して行われていると、一般の人たちは信じていたはずです。原発については、スリーマイル、チェルノブイリでの事故の例もあり、放射能汚染の危険性も報道されていたので類推はできたのかも知れませんが、日本の原子力技術は、そういう過去の事故も他山の石として、安全技術も積み上げて来たという印象はもっていました。

しかし、今回の事の推移を見ていると、どうもそうではなかったようです。いくつかの組織があり、安全監査や安全確保の作業を徹底して行っているかのようではあるが、天下り先になっているなどの説明を聞くと組織的・役割上・構成メンバーなどに大きな不信感を持たずにはおれません。東電の対応もすっきりしません。

自分でも、リスクアセスメントなどを行った経験はあるので、原発ではどの程度のリスクまでを対象としているのか関心はありました。「コストとのバランスで」といったことを耳にします。発生した場合の影響度が大きくても、その確率が微少なものは捨象する。あるいは、対策を立てずに「保険」でカバーするということをしますが、原発の場合、こういう考え方でやられては堪りません。

色々な研究者の話を耳にすると、過去の歴史から大津波の発生・襲来を予測し、進言されている方もおられたようです。多分、【対策に要するコスト】と【発生する確率】を天秤にかけたのでしょうね?この場合は、【対策に要するコスト】と【不作為で被害が起きた場合に発生するコスト】とを比べるべきでした。今回のケースでは、不作為での被害発生に対するコストとは、25兆円とも言われているようですが、実際には、日本のイメージなどを含めていくと、そのコストは計り知れないものになると思われます。

低炭素社会の切り札のように言われ始め、期待感を持ってみられていた原子力ですが、今回の事件を踏まえて、LNGへの移行、CCSなどをセットとした石炭の利用、Renewable Energyの開発推進、原子力の安全技術・制度の見直しなど、ホリスティックな取り組みを早急に進めていって欲しいと思います。大きな一石を投じたことは確かですが...


ジャンル:
環境
キーワード
日本の原子力 リスクアセスメント 低炭素社会 放射能汚染 チェルノブ ロードマップ スリーマイル メルトダウン
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