The Man
理系男のダンディズム −ロジカルにロジカルに。 考え抜いたとき、それはその人の感性となる−




GALANT's Cafeが今回の“男 は い つ も 一 人 旅(みたび)(ドイツ編) ”にて借り出した、ドイツ製 最新小型ディーゼルエンジン車の実力レポート。その後編をどうぞ(本記事は、相当、趣味性が強い記事です^^;)。


日本製ハイブリッドカーに死角は無いか?(前編)からの続き

2日目から、本格的な観光。
無論、ドライブも本格的に走行開始^^




日本よりも北に位置するドイツといえど。
7月末の真夏の日中、晴れると外気温は30度超え。
暑くて、ルーフを開けることは難しい。

ほんの10年ほど前まで、EU圏ではエアコンを搭載した車は少なかったようだが(現に、今回宿泊したホテルにて、エアコンが付いていたところは無かった。列車に代表される公共機関も、大半はエアコンがついていない)。
昨今は暑いようで、エアコンが標準搭載されるようになっている。

一昔前のEU圏の車は、エアコンの効きが弱かった(能力が不足しがち)が、この車は問題がない。
気が利いているというか、面白いと思ったのは。
ルーフの開閉に応じて、エアコンの動作モードが変更される。
正確には、前回用いたモードにあわせるようだ。




EU圏では、Cabriolet車が大人気。
街行く車の10台のうち2台はCabrioletと言っても過言ではないような。
しかも。
どう見ても、通勤途上としか思えない人であっても、ルーフを開けて走っている。
短い夏を堪能しているようだ。

ちなみに。
昨今のEU圏のCabrioletは、ルーフに指1本触れることなく、スイッチ一つで開け閉めが完了する。
しかも、時速50km/h以下の走行であれば、走行中の開閉も可能。
本当によくできている。




昨今のEU圏のCabrioletは、気候や遮音性を考慮して、布状のソフトトップではなく、メタルやグラスファイバー等のハードトップを採用する車が増えてきた。しかも、電動でトランクに格納できるよう、ハードルーフも折りたためる構造。

だが、しかし。

Audi社は、ルーフを開けた時の美しさを活かすために、ソフトトップにこだわりを持っているようだ。
たしかに、開けたときの斜め後ろからの見た目は美しい。




しかしだ!
残念なことに、このA3の場合、車両の全長が短いためか、サイドウィンドウを上げてもリヤシートを覆うように立つウィンドウディフレクターを立てても、60km/hを超えると風の巻き込みが激しい。

アメリカで借り出したトヨタ Camry Solaraの場合、100km/hぐらいまで巻き込みを感じなかったのだけどなぁ。

ルーフを開けた状態でアウトバーンを飛ばすと、さすがに130km/hが良いところ。
150km/hにもなると大変だ。

BMWの3シリーズのCabrioletなど、200km/h程度で巡航している車ですら、ルーフを開けて平然と走行していた(ドライバーの髪の乱れなどを見るとよくわかる)。
こればかりは、コンパクトハッチがベースのA3の悲しき性か?


だが、しかし。




ルーフを閉めると、この車は普通のA3モデルとなんら変わらぬ、高速走行時の快適さと安定性を示す。

時速180km/hでの巡航はもとより、この車が有する最高速度(実は、GALANT's Cafe。この車の最高速度は220km/hだと思っていた。先ほど、メーカ公表スペックを調べて知った^^;)である205km/hで走行し続けても、素晴らしい安定感を示す。

4輪の接地感は、はっきりと分かる。
段差等の通過によるグリップの抜けを除くと、タイヤのグリップ残量がつかみやすい。
(このことは、超高速走行においては、大変重要なことだ)

また、S-LineとAudi社が呼ぶスポーツサスペンションのおかげで、車体の姿勢変化も少なく、走行時の車体安定性に貢献している。この脚は、ドイツの街中に多い石畳の上を走行する際でも、乗り心地に不満を感じることはなかった。

エアロパーツやボディ下部のフラット化も、超高速走行時の安定性に寄与しているようで、どんなに走行し続けても、ステアリングが軽くなったり、直進性が乱れるようなことは無かった。

アウトバーンの高速コーナを、なんの不安もなく180km/hのまま駆け抜けて行ったときには、驚いた。
これが、ドイツ大衆車のつるし(量産状態)なのだから。

驚き、という点では、ブレーキ性能も素晴らしい。
大衆車とは思えぬ、ブレーキの効き、そして車体安定性を示す。

180km/hで巡航していると、時折、追い越しをしたい前車に行く手を阻まれることがある。
向こうも、走行ラインを妨害するつもりは毛頭ないのだが、さすがに150km/hを超えた世界での加速競争。パワーがそれなりにある車でなければ、あっと言う間に、後方から来た高速走行をしてきた車に追いつかれる(追いついた人によっては、道を開けるまでパッシングしていた。が、優先権は追い越し車線を高速走行している車にあるので、モラル違反ではない。但し、必要以上に追いかけると、これは安全尊守違反となり、検挙されるようだ)。

このような際に、この強力かつ車体安定性に優れたブレーキは安心だ。
ちょっとペダルタッチが軽く、効きのコントロールがBMWよりし難いところもあるものの、不安を一切感じない。

ここ5年ほど。
EU圏、特にドイツ系乗用車のブレーキ性能の向上が著しい。
確かに、年々車体が大型化し、そして安全対策のために車両重量がかさんでいる。それに対応すべく、パワーが増大するエンジンや、グリップ力が向上するタイヤ。それ故に、ブレーキ性能の向上が必要不可欠なのだが。

だからと言って。
この程度の実用車(失礼!)に、これほどのブレーキが必要なのか?
日本に居たGALANT's Cafeは、そう思っていたのだが。

ここドイツ、しかもアウトバーンを走行すると、その理由はよく分かる。
通行車両の増加、制限速度区間の増大、そして、ドイツ以外のEU圏から流入してくる車両達。その他もろもろの理由から、超高速走行時のブレーキング回数が増えたのだろう。
それ故に、ブレーキの強化が必要不可欠だったのだ。


感じた(記憶に残っている)不満点と言えば。

まずは、エンジンブレーキの効きの悪さ。
これは、スロットルレスというディーゼルエンジンの構造に起因する吸気抵抗の少なさのために効きが悪い。
また、一つのギヤでカバーできるワイドレンジなギヤ比が、エンジンブレーキの効きの悪さを増すのだろう。
この点は、上記したブレーキで賄うしかないようだ。

また、電気スイッチのような(って、本当に電気スイッチなのだが)アクセルペダルによる、レスポンスの悪さも気になった(ただ、これは、シフトダウン時のアクセルを煽った時が主なのだが)。

ヒューヒューというルーフが発する風切音。
エンジンが静かなだけに、余計、耳に付く。
これは、Cabrioletモデル故の悲しさか?

Cabrioletモデルでは止むを得ないのだが、太いCピラーによる斜め後方視界の悪さも気になった。
死角が多いが故に、高速等での合流の際など、運転要注意。

また、体格の良いドイツ人向けに設計されたシート故の大きさから来る、イマイチなホールド性能(GALANT's Cafeは、細身である)。BMWのスポーツシートと比較すると、調整可能な範疇が狭く、調整しきれなかった(高級車は対応できるのかもしれない)。

そして、この車固有と思われる、軽く右に流れる点も惜しかったが(4輪アライメント(タイヤの取り付け角度調整)で修正できる範疇と思われる)。


これらを除くと、雨のアウトバーンを150km/h程度で走行しつづけようが、乾燥路のアウトバーンを180km/hで巡航、200km/h超えで走行しようが、リラックスして走行し続けられる。
1日500kmの走行距離なんぞ、疲れの“つ”の字も感じないほどだ。




で。
本場ヨーロッパの小型ディーゼルは、どうなのよ?

既に15000kmを走破し、その上に2000km程度走行させた排気管の状態がこれ。




煤らしいものが、一切付着していない!

指で触れても(無論、冷えている時に!)、煤らしいものは付着しない。
これが、現代の最新式小型ディーゼルの環境性能。
黒煙対策は問題ないようだ。

そして。

一番気になる燃費

BerlinからIngolstadt(Audi社の街だ)の約500kmを4時間で走破(朝の7:30に出発して、12時に到着。途中で1回30分ほど休憩)し、その後ミュンヘンまで約100kmほどを1時間未満で走破した際の燃費が、16.6km/L。

今回の総走行距離は2224km、用いた軽油がおよそ130.8L。
全行程の平均燃費は、17.0km/L

この燃費には、郊外の山岳路、街中の渋滞、そしてアウトバーンでの最高速205km/hでの連続走行に、180km/hでの長きに渡る巡航走行も含まれている。
しかも、エアコンは適宜用い、時折ルーフを開け、GALANT's Cafeのいつもと変わらぬ街乗り走行(特別なエコラン走行などは一切していない)だ。

東京の街で、タクシーとして用いられているトヨタ (2代目)プリウスの平均燃費が16〜17km/L程度だそうだ。
こちらは、渋滞が多いエリアでの走行条件。

超高速走行が多い環境で、同程度の燃費をはじき出すドイツの小型ディーゼル乗用車。
日本製ハイブリッドカーに死角は無いのだろうか?


P.S. GALANT's Cafeは、ハイブリッドカーを否定するつもりはありません。
   東京のように、渋滞路が多い短距離Go,STOPが繰り返される環境では、ハイブリッドカーは有効な対策の一つと思います。
   ただ、それが、万能ではないことを知っておいていただきたいのです。
   日本人は、世界から少し評価されると、有頂天になる習性がありますから。

P.S.2 ドイツの燃料事情について。
   昨今の原油高騰の嵐も去り、少しは安価になったようですが。
   消費税の税率が19%であることもあって、プライスタグの見た目は、日本とさほど変わりません...
   違う、違う!1ユーロ=約140円(換金手数料込み)であることを考えると高い!
   標準軽油は1.15ユーロ/L、レギュラーガス1.25ユーロ/L、プレミアムガスは1.35ユーロ/L程度でした。

   ちなみに。ドイツの場合、セルフ給油方式かつインサイドペイ(売店の内部で支払い)のみです。
   驚くことなかれ。給油機に車を横付けしたら、燃料種別を選んで給油開始です。
   給油が完了したら、売店内部に行って「Check please! My GAS station number is XX.」と英語で言うと、十二分に通じます。
   入れ逃げなんぞ、この国には無いのでしょう。ルールに厳格な国ですからね。




8日間、2224kmに渡って。
GALANT's Cafeに、安心な超高速走行とEU圏の小型ディーゼルエンジンの優秀さを教えてくれたA3よ。
バイバイ、またね^^/

...いいなぁ、この国は。とても走りやすくて。

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コメント
 
 
 
欧州は、 (E33ASNGS)
2009-08-19 23:32:19
特にドイツは明らかにハイブリッドは
向いてませんね。
超高速では恐らくほとんどエンジンの出力を
フルに使わないと走れないと思われ、
そうなるとハイブリッドじゃなくて高効率の
ディーゼルが一番ベストという何とも皮肉でかつ
世界的にも特殊な状態になります。
他、全然関係ないですが、欧州でよく普及している
AMTは乗ってみると超不自然なドラビリであり、
日本じゃ全然受け入れられるシロモノじゃありません。これ、なぜ欧州人は平気なんか知りたいな
と思います。
 
 
 
世界は皆、同じではない (GALANT's Cafe)
2009-09-02 22:48:58
●E33ASNGSさま
あの速度レンジでは、ハイブリッドの意味は無さそうです。
でも、タクシーに使われていましたね>2代目プリウス

確かに、あのような走行環境が得られるのは、ドイツだけでしょう。
地形だけでなく、気象条件や国民性もあって、成り立つのでしょう。

そう、それでいい。

日本人は、「自らの環境でうまく行くものは、世界でもうまく行く」と思い込みがちなところがあるように思います。

たとえ特殊な場合であれ。
すべての場合にうまく行かない場合がある、ということを知っておくことは重要なことだと思うのですよね。

AMT、ツインクラッチが一般化してきた今でもダメですか?
(GALANT's Cafeは、乗ったことがありません)

ドイツでは、発進してしまうと、ゴーストップを繰り返すような場所は限られているので、気にならないのかも。
 
 
 
Unknown (t2mina)
2009-09-21 00:15:55
難しいところ置いといて、と^^
大きな車体でもそれに見合った広々とした道路ですよね。これに自転車レーンまで備わっている交通事情。加えて運転マナーにしても、抜かすことになんてムキにならないんじゃないでしょうか、ヨーロッパの人達って。
正直audiは顔もお尻も大きくて、敢えてフォルムを見つめたことはなかったです。しかし、なる程。ルーフを上げた横姿、無駄なくすっきりしていますね!
 
 
 
実際には... (GALANT's Cafe)
2009-09-23 02:23:21
●t2minaさま
そう大きくない、車なのですが。

アウトバーンは、それなりに広い道路なのですが、旧市街地などは狭いです。
話に聞いたところでは、ドイツは比較的広いらしく、イタリアやフランスは本当に狭いらしい!

ドイツの皆さんは自転車大好きなようですが、専用道がある場所は限られていますね。
ただ、関心するのは、車と同様、交通法規をしっかりと守り、自転車に乗られているところですね。

アウトバーンを行く人たち、飛ばす人はホントに飛ばしますよ。
えぇ、本気w
#これまた、イタリアやフランスは、もっと凄いらしいのですが。
 
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