奈々の これが私の生きる道!

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谷崎潤一郎「卍」私と同性愛

2016-05-13 09:13:19 | 読書
「卍」
 私が、この作品のお話をしたいと思ったのは、先頃、書いた谷崎潤一郎の「春琴抄」が

マゾヒズムを芸術の域に高めたものだと知ったのが始まりでした。
 そのあと、私は前々から気になっていたレズビアンを扱った「卍」を読んでみたくなっ

たのです。
 実をいうと私は、数年前、ネット上で、レズビアンの友達が何人もいた時期があったの

です。
 ことの起こりは、私が清少納言の「源氏物語」のお話をブログに連載していた時で、見

知らぬ女性が、突然、こんなコメントをくれたのです。
 「はじめまして。私は教育に携わる者ですが、「源氏物語」は原文で読んだことがあり

まして、そのほかサイデンステッカーが英訳したものも読んでいます。あなたの友人が読

んだという大和和紀の「あさきゆめみし」(注、源氏物語を漫画化したもの)は、私も読

みましたが、原作を忠実に再現して、素晴らしいと思います。あなたの源氏物語」の記事

も、毎回、興味深く読ませていただいております。」
 
 ええっ!「源氏物語」の原文や、英訳したものまで読んでる!
 かなり、頭いいんじゃない?

 しかも、教育に携わってる?

 もしかしたら、学校の国語の先生かしら?

 私は、自分の「源氏物語論」が、教育関係の仕事をしている人から、お褒めの言葉をい

ただき、天にも昇る思いで、喜んだのでした。
 しかも、彼女の方からお友達になりたいとまで言ってきたのです。
 私は、二つ返事で了承しました。
 ところが、彼女のブログを読んだら、何やら妖しげな事が書いてあり、驚いてしまった

のです。
  彼女は昼間こそ東京都内の教育委員会で真面目に働いているものの、夜ともなれば、

極端に肌を露出した黒ずくめのセクシー衣装を身にまとい、マゾの女性達の上に君臨する

レズビアン専門のSMの女王様だったのです!!

 そんなマンガみたいな話ってある?

 でも、ウソじゃないんです!

 そのブログには、お仕置きの実際が事細かに綴られていて、それを読んだら、なるほど

と思えなくもない事が書いてあり、私もちょっとSMに興味が湧いてきたのです。

 まず、なぜ、レズビアン専門なのかと言いますと、この女王様は元々、男性が好きだっ

たそうですが、付き合っていた男性が3Pが好きで、よく三人でエッチをして、めちゃめ

ちゃにもて遊ばれているうちに、男性に嫌気が差し、女性に関心が移ってしまったとのこ

とでした。
 それでは、お仕置きの実際とはどのようなものなのか?
 女王様によると、マゾの女性はただいじめられたいと思っているわけではなく、そこに

は聡明さから培われた威厳と、愛がなければならないと説いています。
 だから、SMの女王様は尊敬に足る人物でないといけません。
 そして、このお仕置きは、私への愛情だと感じた時、マゾの女性は最高の快感を得られ

るとのこと。
 それで、性的に恥ずかしい事を命令したり、する訳ですが、叩くのを専門用語で、スパ

ンキングというらしく、この女王様の場合、鞭は使わず、手のひらで叩いているそうです


 その訳は、鞭を使うと、跡が残る恐れが大きいからで、手のひらで叩く時も痛みはそれ

ほど感じないようにして、緩急をつけたり、出来るだけ大きな音が出るように叩いている

そうです。 

 マゾの女性は、普段、自我を抑圧して暮らしているらしく、女王様にお仕置きされるこ

とで、張りつめた自我を開放し、精神の安定を図る目的で訪れているので、跡が残ってし

まうと、平穏な日常に戻って行きづらくなってしまうからだとか。
 そして、一番、大事なのはプレイ終盤で、よくお仕置きに耐えられたわねと褒めてあげ

、キスとか、熱い抱擁をする事だそうです。


 つまり、このSMの女王様によると、腰や肩の凝りをマッサージで治すのと同じで、マゾ

気質の女性も時々、お仕置きされることで、精神の安定を図る事が必要らしいです。


 このSMの女王様、教育者だけあって、すごい説得力感じたりしません?

 そうして、SMの女王様と付き合うようになった訳ですが、こんな知的で愛情あふれる

SM観を持っているだけあって彼女を慕うレズビアンでマゾの女性の友達も多く、その繋が

りで、そうした女性達から、友達になりたいという依頼が私にも多数舞い込むようになり

、興味本位から何人も引き受けてしまったのです。
 彼女たちも多くはブログを書いていて、それを読み、考えさせられる事がいろいろあり

ました。
 まず、レズビアンと言いますと、私は先天的なものと思っていたのですが、彼女達の多

くは元々は男性が好きであった。だけど、どんな男性と付き合っても性的に虐待される事

が多く、そうこうするうちに同性が好きになったというケースが殆どだったのです。
 だから、彼女たちはみな一様に男性をひどく憎んでいましたし、それゆえか、文章も女

言葉を多用し、きわめて女性的でありました。

 そんな彼女たちの書くことと言ったら、自分の恥ずかしい写真をブログに載せたり、性

的に辱めを受ける内容が多数を占めていました。
 その中には、文章力のある女性もいて、つい引き込まれそうになったことも、正直あり

ました。
 例えば、ある女性はOLをしていたそうですが、乳首に小さな鈴を糸で結びつけて、デス

クで仕事をする訳です。
 そうすると、ちょっとしたことで、かすかに鈴が鳴ってしまう。
 彼女はそれを誰かに聞かれたらと思っただけで、ドキドキする。

 彼女は初め、こんな他愛のない事を書いていたのですが、やがて、すごい本格的なマゾ

ヒズムの小説を書くようになりました。

 ほかのレズビアンでマゾの女性の多くも、性的な事を書いていましたが、次第に過激さ

がエスカレートして、もう書くことがなくなったのか、半年か一年ほどで、いつの間にか

、雲散霧消してしまいました。
 あのSMの女王様も、お仕置きの実際を書いただけで、あとはたまにメールをやりとりし

たり、ブログにコメントをくれるだけになってしまいました。
 でも、ある決定的な事件で、私はSMの女王様ともついに別れざるを得なくなりました。
 彼女は、教育委員会から、ある高校の教師として、教鞭を執るようになったのですが、

教え子の中にとても可愛い女生徒がいたらしく、「男子生徒なんか知らない。私はあの子

が受験に受かるよう、とことん面倒を見る」と呟いたのに、当時、受験生の息子を抱えた

私はめちゃめちゃ腹が立って怒ってしまったのです。
 
 そうして、SMの女王様とも、レズビアンでマゾの女性達とも縁が切れてしまったのです

が、その時は、ほっと安心したのが、正直な気持ちでした。
 なにしろ、どの女性もエッチなことしか書かないので、次第に気分が悪くなり、ヌード

を毎回、披露していた女性にはそのつど婉曲に「やめなさい」とコメントをするまでにな

っていましたから。
  
 でも、今振り返ると、みんな何かしら傷ついていましたし、真剣に自分の性と向き合う

ことで、一瞬でも、その悩みから開放されたがっていたのかも知れないなとも思います。


 前置きが長くなってしまいましたが、私にそうした体験があったものですから、谷崎潤

一郎の「卍」に何が書いてあるのか興味が湧いてきた訳です。

 これを読んだら、女性は誰でも同性愛者になる素因を秘めているように思えてきました


 この小説、人妻の園子が、独身の光子を好きになるのですが、スタイルが良くて、綺麗

なのがその理由なんです。
 女性は、花や音楽や絵画など、美しいものが大好きです。
 また、赤ちゃんや、小さな子供や、ぬいぐるみを可愛いと思ったりします。
 当然、同性である女性にも関心がない訳ではありません。
 素直に美しいと賞賛するかと思えば、イチャモンつけて嫉妬する場合もあります。
 
 初めは園子の情熱にほだされたように見える光子ですが、やがて、光子の本心が明らか

にされていきます。

 「異性の人に崇拝しられるより同性の人に崇拝しられる時が、自分は一番誇り感じる。

何でや云うたら、男の人が女の姿見て綺麗思うのん当たり前や、女で女を迷わすこと出来

る思うと、自分がそないまで綺麗のんかいなあ云う気ィして、嬉してたまらん」

 女性は自分が美しいと思ったら、虚栄心が湧いてくる生き物です。

 しかも、光子は園子という同性だけが好きな訳ではないのです。
 
 綿貫栄次郎という男とも付き合い、最後には園子の夫孝太郎とも体の関係を持つように

なり、まさにタイトルの「卍」が示す通り、愛憎入り乱れ、ひたすら破滅へと突き進んで

いくのです。

 そして、そうなったら、もう誰も止めることなど出来ないのです・・・


 それは私にも、そしてあなたにも起こり得ることかも知れないのです・・・




 
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きいて!きいて!
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