TPPがこの期に及んで一体どうなっているのかについては、経済評論家・植草一秀氏が分かり易くまとめてくれている。「やはり全物品を関税撤廃対象としていた日本政府」と題されたブログにおいて、「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」とした曖昧表現は、紛れもないTPPへの参加表明だったこと。そして、一部の農産物などを例外とするものではなく、全ての物品・サービスを交渉のテーブルに載せていることを明らかにしている。TPPが実にシンプルな内容に帰結しているのだ。これはとりもなおさず、野田佳彦が単純明快なロジックで我々国民を欺いていることを意味している。我々も舐められたものだ。
野田佳彦のマイナス面を数え上げたらきりがないが、彼の致命的な欠点の一つに「経済音痴」であることが挙げられる。野田佳彦は2009年の鳩山内閣時に財務副大臣になってからというもの、すっかり財務官僚に洗脳されその傀儡となってしまった感は否めないが、彼の経済音痴ぶりはそのような付け刃ではなく、本来持ち合わせた彼の資質に負うところが大きいように思われる。というのも、野田佳彦はごく一般的な社会人生活を経ることなく首相にまでのし上がってしまった、いささか問題のある人物だからだ。
野田佳彦の経歴は偏向している。
早稲田大学政治経済学部卒業後、即松下政経塾に第1期生として入塾する。そして、政経塾卒業後の2年間は様々な職業を経験したようだが、要するにフリーターとして職を転々としていたようなのだ。その後千葉県議会を2期務め、国政に進出し現在にいたった。かなり簡単に説明すればそういうことだ。
ここで重要なのは、野田佳彦は正社員として社会で働いたことはなく、家庭教師やガス点検員といったフリーターとしての経験しか持ち合わせていないということだ。
もちろん、職業に貴賎はない。それは正社員もフリーターも同じである。しかし、正社員とフリーターとでは求められる立ち位置がおのずと異なってくるのは言うまでもなく、責任の軽重についても比べようもない。
政治家は何もスペシャリストである必要はない。しかしながら、プロデューサー的な資質は当然要求されてくるわけで、幅広い知見が必要なのは確かだ。政治家とは究極のゼネラリストと言っても過言ではないが、そもそも野田佳彦のようなフリーターの経験しかないような人間に現代社会の政治家が任せられるのだろうか?しかも彼は日本の首相なのだ。
これは他の松下政経塾出身者にも言えることだが、野田佳彦は経済音痴といったレベルにすら至っていないのかもしれない。それは根本的に社会人としての経験と適性を欠いた、問題児としてのありのままの実態なのだろう。
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