石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

125 シリーズ東京の寺町(9)谷中寺町-13(谷中5丁目のハ)

2016-10-01 08:37:07 | 寺町

46 臨済宗大道山長安寺(谷中5-2-22)

山門を入るとすぐ左に石仏。

その隣に「阿弥陀仏」の文字碑がある。

長安寺の「売り物」は、三つ。

1、谷中七福神の寿老人。

2、中世の板碑群

3、狩野芳崖の墓

一昔前の正月、谷中七福神めぐりをした記憶がある。

探してみたら、御朱印色紙があった。

しかし、拝見したはずの本堂内の寿老人の記憶は、まったくない。

板碑が数基、本堂前に、羅漢さんに混じってある。

光線の具合と草叢の陰でちゃんと見えない。

下の写真は、正安2年(1300)のもの。

1300年といえば、鎌倉後期。

長安寺の開基は寛文9年(1669)。

370年も前の板碑がなぜあるのか。

どこかから持ってきたものか、もともとここにあったものか。

狩野芳崖は、江戸時代生まれの、明治の日本画家。

明治時代は、西洋人の評価が、作品の価値に大きく影響した時代だった。

狩野芳崖は、アーネスト・フェノロサによって見出された。

不朽の名作、慈母観音図は、郵便切手になっている。

長安寺には、昔、門番小屋があり、噺家・三遊亭円朝が子供の頃、住んでいたことがある。

円朝の墓は、このブログ「谷中寺町11」の全生庵にある。

読んでみてほしい。

 

 47 新義真言宗蓮葉山妙智院観音寺(谷中5-8-28)

 開基時の寺名は「長福寺」だった。

それが「観音寺」に改名したのは、将軍家重の幼名長福丸に気兼ねしたから。

私の故郷・佐渡にもまったく同じケースがあって、長福寺が正覚寺になった。

改名せず「長福寺」のままだったら、どんな厄災が襲い掛かるのか、どなたか教えてください。

境内には、赤穂浪士供養塔がある。

赤穂四十七士のうち、近松勘六行重と奥田貞右衛門行高は兄弟だった。

二人の弟、文良(六世和尚)が、長福寺の見習い坊主だった関係で、寺内でしばしば会合が開かれたと云われている。

その隣の一際高い宝篋印塔も、四十七士慰霊塔。

上部四面に四方仏(薬師如来、阿弥陀如来、釈迦如来、弥勒菩薩)の梵字が彫られている。

太子堂があって、その前の石碑には「御府内第四十二番 八十八箇所 観音寺」とある。

側面の「公訴発願 信州浅間真楽寺上人 巡行願主下総國締信」は、御府内八十八ケ所創始者の二人。

太子堂に動く人影があると思ったら、若い僧侶がお膳を持って出てきた。

訊くと日に2回、弘法大師に食事を捧げているが、それを今下げる所だと云う。

高野山では、今も生前と変わらず一日2回、太子に食事を捧げる生身供(しょうじんぐ)という儀式が行われていることは、知っているが、こうした普通の寺の太子堂でも同じことが行われているとは夢にも思わなかったので、とにかくびっくり。

観音寺を、しかし、世に知らしめたのは、赤穂浪士でもなければ、太子堂でもなく、寺の南側に走る築地塀だった。

その場所に立つと誰でも使いたくなる言葉がある。

ここでは、さしずめ「タイムトリップ」だろう。

いろんなガイドブックやWEBサイトでの観音寺の項では「タイムトリップ」と「ノスタルジー」がやたら使用頻度が高い。

外国人のガイドブックにも取り上げられているようで、外人の姿も途切れることがない。

 49 曹洞宗福聚山海蔵院(谷中5-8-25)

境内に見るべき石造物は、何もない。

わずかに墓地入口に六地蔵がおわすのみ。

おだやかで柔らかなお顔立ちです。

50 日蓮宗長光山龍泉寺(谷中5-9-26)

庭木の手入れが行き届いていて、実に清々しい。

浄行菩薩かと思ったら「妙鶴観世音」だった。

見なれない観音様なので、寺に訊いてみたが、寺の関係者が個人的に造立したものということで、詳細は不明。

石仏は、この観音様1基のみ。

51 臨済宗百丈山霊梅院(谷中5-8-19)

 谷中寺町では、少数派の臨済宗妙心寺派寺院。

本堂前の細長い境内に如意輪観音墓標が1基と石造物が1基あるだけ。

石造物は、何だろうか。

宝篋印塔にしては、隅飾りの突起がなく、宝塔にしては笠がない。

 

 

*次回更新日は、10月5日です。

 

 ≪参考図書≫

 

 ◇台東区教委『台東区の歴史散歩』昭和55年

 ◇石田良介『谷根千百景』平成11年

 ◇和田信子『大江戸めぐりー御府内八十八ケ所』2002年

 ◇森まゆみ『谷中スケッチブック』1994年

 ◇木村春雄『谷中の今昔』昭和33年

 ◇会田範治『谷中叢話』昭和36年

 ◇工藤寛正『東京お墓散歩2002年』

 ◇酒井不二雄『東京路上細見3』1998年

 ◇望月真澄『江戸の法華信仰』平成27年

  ◇台東区教委『台東区の歴史散歩』昭和55年

 ▽猫のあしあとhttp://www.tesshow.jp/index.html

 

 

 

 

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