寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

寺田正男 高等学校へ行く(85)

2017年02月13日 15時32分06秒 | 寓話

 7月に入り梅雨はときどき激しい雨を降らせるようになっ

た。正男の父親がいたらもうそろそろ梅雨も上がるようだな

と言ったかもしれない。正男は雷が鳴るのが待ち遠しく感じ

られた。雷が鳴ると梅雨の終了が近いからだ。新聞に出てい

た解説によると梅雨期の終盤に雷が鳴るのは、今まで日本列

島から離れた位置にいた梅雨前線が日本列島近くまで北上す

るからだと書いてあった。そして梅雨前線にはいろんな種類

があるという。そのうち黒い半円形のマークと▲マークが前

線上にあると、そこは冷たい高気圧(大陸)と暖かい高気圧

(太平洋。小笠原気団)とがせめぎ合っているところで、天

気、気温、降雨が激しく変化するという。正男は新聞の天気

図の上には前線の線が引いてあるが、実際に見えるのだろう

かと、もし見えるのだったら是非みたいと思った。高等学校

には地学の先生もいるのでいつか話を聞いてみたいと思った。

 正男は、それにしても父親のこういった知識がどこから学

んだのだろうかと不思議だった。長年生きてきたからと言っ

ても興味がなければ毎年の変化について覚えていることはな

いだろうし。何か書き留めておいたものがあったのかもしれ

ないとも考えたがそのようなものは見当たらなかった。

  もうすぐ1学期の試験が始まる。正男はいろんなことを考え

ていたが、勉強はしっかりやっていたから安心していた。だ

が油断は出来ないと夜は復習に専念した。最近は問題集もす

らすら解答できるようになっていた。それも甲斐健樹という

友人が出来たからだ。彼は家がお寺なのに化学や数学が得意

なのも不思議だった。

 正男は健樹と秋の学園祭のことを話し合わなければならな

いのを思い出した。

 正男はいくつかの案を考えていた。化学の授業で学んだば

かりのことだだが、

1は、酸性やアルカリ性の溶液の濃度と何か例えばいろんな

種類の金属をその中に入れたらどんな反応があるかを見せる

のはどうだろうか。このことは具体的にも考えが出来ていた。

2は、チンダル現象と溶液中の物質の沈殿法だ。これは少し

難しいかもしれなかったが、出来るだけ簡単な物質と方法を

説明するというものだった。

 正男はこの二つを期末試験が終わったら健樹と二人で真剣

に案を練ってみようと思った。少しは予備試験をしなければ

ならないかもしれなかった。

 これらを学園祭というノートをつくって書き留めた。

 いよいよ試験の日が来た。幾何学の問題は一目見て全部が

分かってしまった。定理を組み合わせて解答すると直ぐ分か

るものと、一つの定理だけで証明できるものがあった。5問

のうち1問だけ、教科書に載っていない定理を使って簡単に

解答できたのが大きな収穫だった。この解答は解答用紙を返

却するときに先生がたった一人だけ(ということは正男のこ

とだ)特別な解答法で簡単に説明できたことを紹介してくれ

た。そして教科書だけでなく参考書や問題集も勉強するよう

にと付け加えた。

 その他の科目も大方出来たと正男は思っていた。1学期の期

末試験の結果は全体で62番になった。前回から上がったこと

をうれしいと思った。しかしこの成績では1組に替わることは

出来なかった。1組の生徒も懸命に頑張っていることが正男の

胸に伝わってきた。ここからが難しいのだ。ここを乗り越える

ことができるかが重要なのだと思った。そして弘への感謝の気

持ちも忘れなかった。

 先生たちが試験の採点をしている間、授業は自習が多かった

ので正夫は健樹と学園祭のことを話し合った。大体の案がまと

まったので健樹がそれを紙に清書して3年生の部長のところへ

持って行った。その時、部長は忙しかったので後で見るからと

いって受け取った。

 正夫と健樹は、学園祭のことから離れてまた難しい話をしだ

した。

 

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