寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

寺田正夫高等学校へいく(191)

2017年07月11日 01時45分44秒 | 寓話

  SFは子供達に夢の世界を見せるという。正夫は

中学生の頃読んだ漫画の「不思議の国のプッチャ

ー」という漫画を見て、想像の世界のなかで、い

ろんな可能性を知ることができた。例えば、地球

上の天気をコントロールする装置が将来の世界で

はできていた。一定の地域を指定してそこに雨を

降らせる装置ができていた。一番面白いと思った

のは、日本の各地で起きる火山噴火の原因が判明

したというものだった。一般の人たちは地表を生

活の場に空いているが、それとは別に地底に住ん

でいる人たちがいるというのだった。この人たち

を地底人と呼ぶことにした。地底人の世界でも人

口が増加するときょじゅうくいきをかくちょうし

なければならない。地底人は、岩石を崩してそれ

を溶解して山野穴から放出するのだという。地上

ではこれを火山噴火と考えていたが、溶岩の中に

地上では見かけたことのない人工物と思われるも

のが入っていることが発見された。それを調査す

ると地底にも人類が生息している可能性が議論さ

れた。その結果、調査されることになった。そし

て地底人と接触することができた。地表人は突然

発生する火山爆発は様々な危険の原因となるので

溶岩を放出する場合は地表人に何時どの山でどの

くらいの量の溶岩を放出するかを知らせるという

ものであった。地表人は感謝し、逆に地底人に不

足している物品を提供するという協定が結ばれた

という話だ。正夫はこの漫画を読んでほんとの話

だったらいいのにと思った。漫画や小説でもそれ

を読んだの簿がどのように感じるかわ人それぞれ

だが何かを将来に期待することができれば素晴ら

しいとも思った。

 このような話を正夫から聞いて明子はSF小説に

興味を持った。正夫はここで気がついたことがあ

る。SFにはフィクションというので、全く頭の中

から生まれてくるものとそのSF小説あるいは漫画

が書かれた時点ですでに知られている(科学的)

事実に基づいて、その事実を拡大解釈してまとめ

られたものがあるのではないかと考えた。頭の中

から生まれたものはおそらくその作家の願望とい

うか希望というものだろうと思った。

「マオさんに一つ聞きたいんだけど」

「なんだい」

「SF小説ってとっても興味が出てきたわ。でもSF

小説の中にも悪人が登場するのは何故かしら」

「うーん。難しい問題だなあ」

「だって作家が理想と考えた世界でしょう。そんな

ところに悪人が出てくるなんておかしいと思わな

い」

「そうだね。確かに理想の世界なのに悪人がいるっ

てことはおかしいね」

「もしかしたら、善人だけでは小説にならないから

かしら。もしそうだとしたらその作家が考える理

想の世界ってどんなものなのかしら」

「それは作家自身に聞かないと分からないけれど。

現代人が書く小説だから思考に限界があるのかも

しれないね」

「それじゃ理想世界にならないわよ」

「アコは鋭いね。僕なんかはSF小説を読んだとき

そこまで考えなかった。ただ面白いと思っただけ

だった。アコに教えられたよ。ありがとう」

「え、そんなこと」

「アコの理想の世界ってどんなものかなあ」

「それはもう決まっているわよ。私の近くにはいつ

もマオさんがいて、初めの頃はマオさんと私の子

供がお庭で遊んでいるの」

「子供が大きくなったら、子供が何をやりたいかを

自分で決めさせて、やりたいことを思う存分やら

せてあげるの。だけど甘やかせることはしないわ」

「アコはもう子供のことばかりだね」

「だってそれが私の理想の世界なんですもの」

「そうだね。僕はアコの理想の世界を支えるために

一生懸命仕事をしなきゃね」

「ちょっとまって、私だけの世界じゃないでしょう。

マオさんと私の理想の世界よ」

「悪かった。そうだね」

 正夫は、明子が少し強くなったかなあと思うこ

とがあった。それだけ明子の正夫に対する愛情の

深さが深まったからかもしれないと思った。正夫

は、明子の祖父母や自分の父母を見ていても女性

は言葉少なく男性のやることを見ているが、自分

の家族を守るためには最大の力を発揮するものだ

と思った。正夫は、母が収穫した作物を隣町まで

7Kmの荷車を引いて売りに行くなんてすごいと思

ったものだった。父親は絶対にそういうことをや

らなかった。明子はそういう女性の力をすでに持

っている。正夫は初めて女性の本質のようなもの

を知ることができた。そして自分もしっかりしな

ければならないと思った。

 午後9時を過ぎる時刻になった。正夫と明子は

SFの話を切り上げて、静かに一階に下り、庭に出

ることにした。地上は星明かりで視界がよかった。

空は雲も無くたくさんの星が見えた。

「北東に見えるのがはくちょう座ね。その西にある

のがカシオペヤ座、北斗七星のひしゃくの先にあ

るのは何かしら。もう一つその東にあるのも面白

いわね。なんだかわっかに見えるわね。その中に

明るい星があるわ」 

「アコもずいぶん星座を覚えたね。北斗七星のひ

しゃくの先にあるのは、うしかい座というんだ。

その東に輪になっているのは形の通りかんむり座

っていうんだ.アコにぴったりの星座かもしれな

いね」

「かんむり座は地球からどのくらい離れているの

かしら」

「物の本によると、星座のそれぞれの星はすべて

が同じ距離にあるわけじゃないので、どの星はど

れほどの距離という風に個々の星の距離を調べな

いと分からないんだ。星座は星の位置関係からそ

の像を想像したのもだということだから距離のこ

とは何も意味が無いのだと思う」

「頭の中で星をつないで一つの形を考え出したの

ね」

「星までの距離は、光の速さでどのくらいの時間

かかるかという表現をするから途方もない距離だ

よね。例えば地球から近い星の代表のようなのは

ケンタウルス座のアルファ星で、4.39光年と観測

結果が出ている。つまり光の速さで4.39年かかる

というわけだね。しかし、高速の乗り物に乗ると

高速になるまでの時間とその逆に減速する時間が

必要になるのでどれくらいかかるか今の僕には分

からないなあ」

「星ってすぐ近くに見えるけど大変な距離離れて

いるのね」

「そうだね。人間の一生はせいぜい60年くらいだ

からとてもいけるとは思えないね」

「ということは多の星の生物も地球に到達できる

とは思えないのね」

「そうだね。ただ地球の文明より進んだ文明を持

っているとすれば少しは可能性があるかもしれな

いね。僕自身としては他の星の生物と平和的の交

流できる日が来るといいなあと思うんだ」

「もしマオさんが宇宙人と会う日が来たら私も連れ

て行ってね」

「もちろんだよ」

 こうしてその夜の観星会は終了した。二人は家

に入り明子は施錠して消灯して、正夫とともに明

子の部屋に入った。明子は飲み物を採りに下へい

こうとしたが、正夫に一緒に言ってほしいといっ

た。正夫はもちろん一緒にキッチンへ行った。明

子はお湯を沸かし、お茶を入れた。正夫はこのお

茶は何でこんなに美味しいんだろうと考えたが、

今のところ分からなかった。正夫は家へ帰ったら、

大原台協同組合の事務所の人に聞いてみようと思

た。

 お茶を飲み終わって、二人は二階へ上がった。

明子の部屋で二人は音楽会の日のことを話し合っ

た。

 時間は早さを増しているかのようにすぐ経過し

ていった。遅い時刻になったので寝ることになっ

たが、明子はもっと一緒にいたいというので正夫

は明子の隣に横になった。明子は正夫にしがみつ

いてきた。そして正夫の手をとって自分の胸の所

に持って行った。正夫は明子の胸に直接触れたの

は初めてだったので、その柔らかさ驚いてしまっ

た。

 

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