寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

寺田正男 高等学校へいく(64)

2016年12月28日 11時43分25秒 | 寓話

  学園祭の展示場に化学の先生も来て先輩達と話をして戻っ

ていった。正男は他の展示を見ていないことに気がついて、

同じ持ち場の3年生に断って校舎の中を見て回った。講堂で

はコーラスをやっていた。明日は行動で演劇があるらしい。

生物クラブはちょっと入りずらかったが、正男と健樹は見学

した。ここで顕微鏡の下で動き回っているゾウリムシや花の

花粉を見せていた。正男はゾウリムシは本当に草履のような

形をしていることに感動した。生物クラブの展示に夏休みに

健樹の家を訪ねたとき勘違いしていた鉄魚を展示していた。

鉄魚は薄い桃色とわずかに茶色の混ざったような色をしてい

た。尾びれはデメキンのように3つに別れていた。正男は鉄

魚を観るまでは、もっとごつい姿のもっと大きい魚だと思っ

ていた。というのは何となくずーっと古い時代から生き続け

てきた魚だと思っていたからだ。

 正男達は生物クラブの先輩に挨拶をして展示場をでた。正

男は文化系のクラブの展示にはあまり興味がなかったので質

問もしないですーっと通過した。天文クラブというのがあっ

たので正男と健樹は展示場へ入ってみた。教室は窓に暗幕を

張り巡らせて暗くしてあり、点灯(スポットライト)で写真が

浮かび上がるような工夫がしてあった。

 正男はそこで初めて夜空に輝いている星すべてが太陽のよ

うな星(恒星という)だということを知った。そのほかに星団

の写真が数枚張られていたがピントが合っていないのであまり

興味がわかなかった。中に面白い展示があった。 地球は太陽

の周りを回っているが、円を描いているのではなく楕円に近い

形で回っている。正男はここでも初めて次のようなことを知っ

た。それは普通は太陽に近い距離に地球があれば温かくいわゆ

る夏になり、遠く離れた位置にいれば寒い冬になると思ってい

た。しかしそれは間違いであることを知った。

 次に、どのくらいの時間で太陽の光が地球に届くかという時

間が説明されていた。日の出を観ていると瞬く間に太陽が昇っ

てくる、という表現は一般的でという。太陽から地球までの距

離は季節によって代わるので平均で1億4960万kmと書いてあ

った。これを光の速度で割れば、おおよそ8.3分と計算結果が

得られるという。

 正男は中学生のとき友達が早さについて言い合っていたのを

思い出した。

「宇宙で一番早いのは、光だ」

 と一人がいうと、他の一人が

「いやそうじゃない目だ。なぜならまぶたを開けたときすぐにい

ろんなものが見えるから」

 とやり返す。これに対して初めの生徒が、

「いや光の方が早いのだ。目を開けてときに、それが見えるとこ

ろに光が来ているのだから」

 というのだった。このとき正男はなぜか話の内容が違うことを

お互いにいっているような気がしたので黙っていた。正男は、ど

んな決着が付いたのかまでは思い出せなかった。

 正男は新しい経験をたくさんして2日間の学園祭が終わった。

2日目が終わって後片付けが済み、衛星試験所へイオン交換装置

をリヤカーに乗せて返しに行った。衛星試験所の人にお礼を言っ

て高校へ戻ってきた。実験室では反省会が行われていた。正男達

は端の方で静かにしていた。部長の先輩が、各点字の責任者に報

告を受けているところだった。実験台の上にはフルーツ牛乳と線

路向こうの店の団子が置いてあった。おおむね今年も好評のうち

に学園祭を終わることが出来たということだった。

 部長は、最後にこれから来年のことを考えていくようにと話を

まとめた。その後で顧問の金山先生がご苦労さんといい、今年は

1年生も頑張ってくれたのがよかったといって反省会が終わった。

 みんなで団子、ちなみにこの団子は先生方の差し入れだという

ことだった、

を食べフルーツ牛乳を飲んで散会になった。正男達の責任者の先輩

が正男達のところへ来て、

「君たちもよく頑張ったな。来年が楽しみだと顧問の先生方が言っ

ていたぞ」

 といって笑顔を見せてくれた。正男と健樹は思わず顔を見合わせ

てにっこりした。次の高校での行事は校内マラソン大会だ。正男に

とってこれが苦手だったのだが。

 

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