Named "G"

まだまだ半人前のガンサーが狩猟の日々を連ねます。主にMHP2Gなど。他のゲームの話題もあるかもね!

7/30 お題【カラス】【かざぐるま】

2010年07月31日 01時30分18秒 | 文章
『カラス 風車』

 いよいよ夏も盛りになろうかという7月末。夕暮れ時、湿った熱気に交じる悪臭に気付
いてふと見ると、おそらく誰かがごみ回収の後に捨てたであろうごみをカラスが漁ってい
た。
 カラスのくちばしによってごみ袋には穴が開いて、中身がアスファルトの上に散乱して
いた。カラスはそれを一心不乱についばんで、こちらを見ようともしない。
 湿度の高い空気に交じる腐敗臭は鼻から入って頭と胃の奥を冒すようだった。一刻も早
くその場を立ち去りたかったが、しかし、その近くにかざぐるまを見つけて、私は足を止
めた。
 私はそのかざぐるまを拾うためにカラスの方へと近づいた。1メートルも離れていないと
いうのに、相変わらずカラスはこちらを意に介する気配がない。それどころか、こちらが
意識しているのが滑稽に見えるくらい悠然と、生ごみをわがもの顔でついばんでいる。
 かざぐるまは白いプラスチックの棒に、これまた赤いプラスチックの4枚の羽を金属の
小さなピンでとめただけの安っぽいものだった。拾い上げると羽が僅かに動いた。先日近
くの神社で縁日があったのを思い出した。
 かざぐるまなど見るのは初めてでないものの、いざ考えてみるとこんな風にまじまじと
眺めることがあったか分からない。少しだけ風が吹いて、また羽が弱々しく回った。風が
吹くと羽が回る。それだけの玩具だが、考えれば考えるほど、なんだか見知らないものに
見えて仕方なかった。
 私は自分でかざぐるまを吹こうとした。しかしその途端、強烈な刺激臭が鼻ををついて、
私は思わずそれを放り投げた。危うく当たりそうになったカラスが驚いて幾分飛びずさっ
て、そこで初めて私のことに気付いたかのようにこちらを見たが、すぐにまたごみ漁りに
戻った。
どうやらかざぐるまはそのゴミ袋の中に入っていたものらしかった。それは地面を少し
転がって、今はカラスの足元に倒れている。カラスは見向きもしない。当然だった。カ
ラスにとってそんなもの何の価値もない。夏の風物詩とも言えるかざぐるまはアスファル
トの上で生ごみにまみれ、安っぽいプラスチックの塊にはもう風流など存在しなかった。
羽が回るだけの稚拙とすら言えないような玩具は、今や子供だましにもなりはしない。私
が見知らないと感じたのも、結局はそういうわけだった。
頭痛と吐き気を催すような臭いはまだ鼻の奥にこびりついていた。相変わらずカラスは
ごみ袋をついばみ、時折そのはずみでかざぐるまが地面の上を動く。その姿に私はなんら
かの哀愁を覚えていた。そしてそれは、このかざぐるまを見た誰かが本来抱くはずだった
感情とどこか似ていた。
いつの間にか日は完全に沈んでいた。カラスは相変わらず私のことなど無視して食べ物を
探している。私はその場を立ち去ったが、悪臭はまだ消えなかった。





――――――――――

801な文章(ヤマなし、オチなし、意味なし的な意味で
久しぶりの文章。特に何も考えなかった。
そのせいで純文学っぽく見せたかったのか、エンタメ文学らしく描写に力を入れたかったのか分からなくなってこんなのに。全体的にこれ以上削っても仕方ないのに無駄があるのは非常に残念。
とりあえず表現の形式への意識を確認。ただ、今自分がどんな表現をしたいのか、その答えが出ていない……
ジャンル:
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キーワード
かざぐるま ヤマなし、オチなし、意味なし 夏の風物詩
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