風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

2014年 12月8日 月曜日

2014年12月08日 | 仕事場
まずは御礼から。
長野県諏訪市・ギャラリー橋田での「洲羽の会 絵画 小品展」は12月5日に終了いたしました。
ご来場いただきました方々には心より御礼申し上げます。

今後、「洲羽の会 絵画展」および「洲羽の会 絵画 小品展」は、年一回のペースで開催する予定です。
さしあたり、「第二回 洲羽の会 絵画展」は来年6月頃を予定しています。
是非またご来場いただけますようお願い申し上げます。




■ ロマネスク聖堂の後陣 40号 100x85cm (第3回)




しばらく間が空きましたので、まずは前回11月1日の状態から。
鉛筆と、一部絵の具による下描きが一通り終わったところです。
一通りというのは、とりあえず何も描いていない箇所がなくなったという意味でした。

そして今回は、そこから更に描き込んだ下描きの2回目を掲載する予定でした。…が!
予定を変更して彩色に入っています。
鉛筆と薄墨で石の描写を続けていたのですが
壁のベース色くらいは今の段階で入れておいた方がいいと思い直し、急遽彩色を始めたのです。






11月23日の状態。

石の描き込みを中断して色を入れたので、ご覧の通り中途半端な状態になっています。
左半分はカッチリしてきていますが、右半分は1回目の下描きのままですので、形の締まりがなく平べったく見えます。

壁に使っている色は、若葉白緑の黄口、薄黄の13番、この2色。
空と窓にはコバルトブルーを入れています。
若葉白緑は白番ですので微粒子、薄黄の13番も細かい方です。
細かい粒子の絵の具は下描きを覆い隠してしまいやすいので、石の輪郭が若干ぼんやりしています。






現在の状態。

そして、再びの方向転換です。
地色を入れた後は、再び白黒のみで石の描写を続けるつもりでしたが
いつもとは少し違う進め方を試してみたくなりました。

画面の上の方から、色も使って、仕上がりに近い描き込み密度で徐々に描き進めています。
下半分は全く手が入っておらず、11月23日の状態と何も変わっていません。
極めて部分的な描き進め方ですが、前々から試してみたいと思っていたのです。
このくらいの密度で描き進めた後、全体を見渡し、バランスが崩れているところを調整して仕上げるつもりです。







■ ジークレー下地のパステル画

ジークレーとは、版を必要としない版画・複製の技法で
フランス語で「吹き付けて色を作る」という意味があります。
その意味が示すように、インクジェットプリンタを用いて作るものです。
ですから、デジタル画像が版ということになります。

私の場合はジークレーを作品の下地として使用しており
まずパソコンで下描きに相当する画像を作成し
それをインクジェットプリンタで和紙にプリントしパステルで彩色しています。

技法や手順などはすでに記事にしてありますので、こちらをご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/futa2560/e/0fda84655bf0c3ba862c69d00ed089be

プリントする画像は、写真ベースと作品ベースがあります。
写真ベースは、写真を加工したもの。
作品ベースは、過去の作品画像を加工したものです。


ジークレー下地のパステル画6点が仕上がりました。
作品のサイズは、すべてサムホール(22.7 x 15.8cm)です。




 ◎ 雪の夜 (作品ベース)



仕上がり画面です。






これが原画です。
10数年前の作品で、長野県諏訪市から八ヶ岳を望んだ冬の風景です。
これをパソコンで加工してプリント用の画像を作成します。





プリント用の画像です。
原画の画像にいくつかの修正を加え、サムホールのプロポーションに直してあります。
これをA4サイズの土佐麻紙の裏にプリントし、パステル・パステル鉛筆で彩色します。







 ◎ 池畔・初夏 (写真ベース)



仕上がり画面です。






これが元になった写真で、長野県・茅野市郊外の御射鹿池(みしゃがいけ)で撮影したものです。
これをパソコンで加工して、私のイメージに近い画像を作ります。






パソコンで作ったプリント用の画像です。
実際はもっと色鮮やかなのですが、このくらい彩度を落としてプリントします。






再び、仕上がり画面です。
この作品は、プリントした画像ができるだけ透けて見えるように、薄手の彩色を主体にしています。
高原の池の初夏の爽やかさを出したかったからですが
パステルというものは、パステルカラーという言葉から受ける軽やかなイメージとは裏腹に
意外と重厚でコッテリとした絵肌になりやすいような気がするのです。




 ◎ グラスローズ (作品ベース)



左がプリント用画像、右が仕上がり画面です。
プリント用画像は、鉛筆デッサンの画像にパソコンで軽く色をつけたものです。





その他の3点は仕上がり画面のみを。



 ◎ 池畔・早春 (写真ベース)



前出の「池畔・初夏」と同じく長野県・茅野市郊外の御射鹿池で撮影した写真が元になっています。




 ◎ 水明 (作品ベース)



これも10年ほど前の作品をベースにしたもので、長野県・安曇野の田園風景です。




 ◎ 唐紅 (写真ベース)



すでにご紹介済みの赤いシクラメンの仕上がりです。


-------------- Ichiro Futatsugi.■

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (shinkai)
2014-12-09 15:13:07
こんにちは!

ロマネスクの後陣の彩色部分が、じわっと硬く、迫力をまして来ているように見えますね、素晴らしいです!
こういう感じで全体が仕上がっていったら、大変な迫力ある重厚な作品になる事でしょう、楽しみです!!

途中で描きかたをいつもと変えてみるというのは、よく分ります。
きっと作品の方で、何か要求を出してくるのでしょうね。
そしてそれに応えた、という感じなのでしょうね。

紙も変え、描きかたもいつもとはちょっと違う、というので、ますます仕上がりが楽しみです、頑張って!

ジークレーの作品の、ベースと下の版と見せてくださって、とても興味が湧き、じっくりとその変化も楽しませていただきました。 

こういうのはやはり実物を拝見したいですねぇ!
パステル作品自体を余り見ていないような気がしますし、こういう描きこみ方を普通は余りしない様な・・。
来秋画廊にあったら、橋田さんにお願いして見せて頂こう!

Unknown (二木一郎)
2014-12-09 17:29:47
shinkaiさん、こんばんは!

はい、そうです! その通りだと思います。
途中で方針を変えたのは、考えて変えたと言うよりは
作品に要求されたと言った方が正しいと思います。
絵を描く時は、作品からの声、モチーフからの声に、真摯に耳を傾けないといけませんね。
自分の頭だけで解決しようとすると、強引で、浅はかなものしか出来ない気がします。

紙を変えた時も、熟慮した結果ではなく、一目見ただけの直感でした。
今にして思えば、土佐麻紙を初めて手にした瞬間に
紙が「俺を使ってみろ!」と言ったような気がしますね。

こういうことを感じ取ってもらえるのは、やはり絵描き仲間ならではの嬉しいところです!


え? 来年、橋田さんに私の作品を見せてもらう?
うむむ、きっと「鬼の一言」に対する反撃が繰り広げられることでしょうねぇ。
首を洗って来日をお待ちしておりま~す、きゃはは!

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