Duke-MBAの日々

Duke大学MBA(Fuqua)の学生達が、ダーラムの生活情報、授業の感想など、日々のこぼれ話を紹介します。

母なる大地、アフリカ (1)

2007-05-19 21:17:14 | 授業紹介(選択)
昨日アフリカ旅行から帰ってきた。Duke MBAのSouthern Africa GATEの授業を締め括る2週間の旅。今まで様々な国々を訪れてきたが、これほどまでに感動し、刺激を受けた国はない。

アパルトヘイト
経済制裁や国際世論による圧力により、南アフリカからアパルトヘイトが廃止されたのは1990年。黒人も含めた選挙によりマンデラ政権が誕生したのは1994年。信じがたいが本当につい最近の出来事である。それまでは黒人やカラード(インド・アジア人)と白人は移住区が完全に分割され、人権が著しく損なわれていた。Sowetoのタウンシップにも行ってきた。SowetoとはSouth Western Townshipの略であり、アパルトヘイトにより何百万人という黒人がこのような狭く隔離された土地に強制的に移動された。当方はドミニカ共和国での生活経験があるため貧困層は見慣れていたが、シャックと呼ばれる薄板で作られた小屋がびっしりと並ぶタウンシップの激貧地区の光景には絶句した。17年経った今でもアパルトヘイトの爪痕は深く残っている。Black Economic Empowermentなどの支援政策も存在するが、政府の腐敗やインプリメンテーションの難しさにより、底辺の貧困層に手が届いていない。

エイズ
他のアフリカの国々と同様に、南アフリカでもエイズが蔓延っており、働き盛りの人間がどんどん死んでいる。教育不足により、信じがたいデマも広まっている。処女との性行為によりエイズが治るといった有り得ない情報を信じ込む者がおり、幼い少女をレイプする事件が問題となっている。警察の強化が進められているが、レイプは35件に1件しか報告されず、エイズ感染は人口の5分の1とも3分の1とも言われている。現在大統領の最有力候補と言われているJacob Zumaはエイズに感染している女性をレイプし訴えられていたが無罪となった。既に副大統領の地位にあるZumaは、裁判で「エイズ感染のリスクを減らすために性行為の後にシャワーを浴びた」とエイズ感染に対する誤った情報を発信して批判されたが、教育不足によるためか、主要民族であるZulu族の支持が未だに根強い。こんな人間が大統領になると南アフリカはどうなってしまうのかと考えただけでも恐ろしい。ZimbabweのMugabe大統領のように、国をダメにしてしまわないか。教育というものが如何に大切か考えさせられる。

ヨハネスブルグに到着
アフリカの大地に到着した初日は、SakhumziというSoweto内にあるレストランで夕食を食べた。ヨハネスブルグは世界で最も危険な都市と言われており、その中でも特に貧しいSowetoで食事をすることに、アフリカ到着したてでステレオタイプ満点の当方は心配した。だが、レストランで会ったオーナーや他の客と触れ合うことで、犯罪が一部の人間によるものだと認識する。当方は色々な国で育った経験があり、人並み以上にステレオタイプは少ないと自負していたが、どうやらそうでもないようだ。先入観というのものは、やはりその地に出向き、現地の人間と触れ合うことで初めて払拭される。これをなくして払拭はできない。これをなくして世の中が平和になることも無いと感じた。ブッシュのような人間でも、イラクでホームステイをした経験があれば同じ行動を取ったであろうかと考えた。

金鉱で見た金の価値
ヨハネスブルグ近郊にあるGoldmineも体験してきた。これはハッキリ言って大変である。今まで見てきた職業のなかで一番過酷であり、当方の「金」というものに対する見方が完全に変わった。僅か5グラムの金を発掘するのに1トンもの石を砕かなければならない。これが地上であればどうってことは無いが、高さ1メートルほどしかない狭い割れ目に深く入り込み、蒸し暑い地中のなかで一日中ドリルで掘り続けるのは精神的苦痛が大きい。地下に2、3キロほどエレベーターで降り、そこからさらに狭い穴をくぐって漸く現場に到着する。地中変動による定期的な地震により、狭い割れ目が閉じてしまい、毎年何人かが命を落としている。金鉱のジェネラルマネジャーに「毎年どれぐらい死亡事故があるか?」と聞くと「今年に入って1人だけ」と言っていたが、地中の従業員の話によると今年に入って少なくとも3人は死んでいると聞いていた。ちょっと恐かった。従業員の37%がエイズとも言っていた。南アフリカの企業では、エイズ感染者に対する支援が一般化されており、これを受けるべく自らエイズであると告知する制度がある。また、女性従業員をレイプから守るために、地中深くでの業務は与えないなどの保護策を実施していた。給料は黒人の一般的な職業の3倍というから、ここで汗を流し、大勢の家族を養う人も少なくない。

国連WFPへの訪問
GATEリーダーとして個人的意向も反映させてもらい、旅程の中に国連世界食料計画への訪問も織り込ませてもらった。WFPは食料支援に限らず、人々の自立と発展を支えるFood for Workなども行っている。プレゼンテーションでは、南アフリカのRegional Directorにも挨拶を頂き、国連を目指す当方としては非常に光栄であった。毎日25000人が命を落としていることを説明し、彼は沢山の子供を乗せたジャンボジェットが20分毎に墜落しているという例えを使った。この挨拶で彼は感極まって涙した。これには最初は驚いたが、次の瞬間、彼は当方が今までに見たことも無い光景を目にしているのだと理解した。また、定年を間近に迎え、変わらない現状へのフラストレーションを抱えているのかも知れない。MBAとして何ができるか。実はこのGATEの教授は、コア・コースのオペレーションの教授でもある。WFPは主に有効期限のある食料を配分するロジスティックの影響が大きい業務を行っている。オペレーションの面からWFPに貢献できないか、教授と共同でプロジェクトを立ち上げたいと考えている。

Diego
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