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デビューの日(カードキャプターさくら)

2017-05-16 22:31:31 | 夢小説

「さくらちゃん、今日、クラブはありますか?」

ある夏休み前の日の昼休み。空になったお弁当箱を閉じながら、知世が口を開いた。

「ううん、今日は先生が会議らしくて、お休みなの。」

さくらはゆっくりとそう返した。

「そうですか。実は今日の帰りにお買いものに行こうと思っているのですが、よろしければ付き合ってくださいませんか?」

「うん。よろこんで!」

「ありがとうございます。」


その日の放課後、知世とさくらはとある店の前にいた。

「さくらちゃん、こちらのお店ですわ」

「え…?」

そこは、さくらが訪れたことのないランジェリーショップで、白を基調としたシンプルな内装の店内に入ると、可愛いデザインのランジェリー達が並んでいる。目をみはり驚くさくらに、知世はいつもと変わらない口調で言った。

「さくらちゃん、私たちの体は今、日々大人の体に向かって変化していますよね。先日お洋服用の採寸をさせて頂いたときに気がついたのですが…そろそろ、お胸の下着を付けた方がよろしいかと思いまして。もうお持ちですか?」

「え…?」

さくらは顔から火が出そうなくらい赤くなって、顔を横に振った。
知世の指摘通り、自分でも服が擦れたりしたときに胸の先が痛かったり、なんとなく膨らみが出来てきたことに気づいていた。もちろん、下着がそろそろ必要なこともわかっていた。しかし、母を亡くしており父と兄と暮らしているさくらは、恥ずかしくて言い出せずにいたのだ。

そんなさくらに知世は優しい微笑みを向ける。

「やはり、まだお持ちではないんですね…さくらちゃんのご家族はお父様とお兄様とケロちゃんですから、言い出しづらいのではと思っていたんです。」

「知世ちゃん…」
さくらは気づいてくれた友人の名を感謝の気持ちで呼んだ。

さらに知世は続ける。

「そしてこういう下着は、きちんとサイズが合ったものを選んだ方がよろしいかと思います。ですから、採寸も、プロの方にお願い致しましょう。」

そういうと、知世はすみません、と店員に声をかけ事情を話して採寸を依頼した。

「かしこまりました。それではお客様、こちらへお願い致します」

「は、はい」
さくらは店員と試着スペースに入った。

「お客様、お洋服だけ脱いでいただけますか?」

「は、はい」
さくらはネクタイを外すとジャケットとシャツを脱いで、上は下着だけになった。

「では、失礼しますね」
店員は手早くさくらの胸にメジャーを巻き、寸法を取る。
「よろしいですよ。サイズはこちらです」
店員は持っていたメモにサイズを書き、さくらに手渡した。

「お客様、採寸終わりましたので、お洋服を着ていただけますか」
「はい。ありがとうございました。」
店員は一声かけてから試着室を出た。

「ありがとう」
さくらは試着室をでると、知世に耳打ちした。

「どういたしまして」
知世は笑顔で返した。

それから2人はゆっくりメモ通りのサイズの下着を見定め、数枚購入した。

一歩ずつ大人の階段を昇る毎日で、身体も心も少しずつ変わっていく。さくらは恥ずかしさと共に、変わらない友情と、嬉しさを感じていた。


‐あとがき‐
初めて書いてみました。いかがでしょうか。
クリアカード編は中学生になっていることもあるので、小6~中1くらいのイメージです。とはいえ、このネタを思いつくきっかけとなったのは他の漫画です。
異性の親には、こういう思春期の身体の変化は相談しづらいよね、というお話がありまして、木之本家と繋がりまして。 
母と息子、または、父と娘だけの家庭ですと、子供が思春期に入った時のこうした身体の変化って話しづらいから、フォローが難しいのでは?と思ったのです。
読んでくださってありがとうございました。

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