遍路の心

鮒の里.四国遍路19番立江寺近く.お接待処.民宿

鮒の里

2017-07-13 05:19:33 | 鮒の里
金田一晴彦さん「国語学者」の初恋の回想
 今日の読売新聞の編集手帳の記事に金田一さんの初恋の事柄が書かれていた。旧制浦和高校の青春時代に近所の道で可憐な少女にっこり挨拶された。「魂が宙に飛ぶというのはこういうときだろうか」ケヤキ横丁の住人より、恋文をしたため少女宅の郵便箱に託した。やがて返事が届いた、私の娘はまだ女学校の一年生である。貴下の手紙にお返事を書くようなものでない。貴下は前途ある方でどうか他のことはしばらく忘れて学業にいそしまれよ。少年老い易く、何年かして応召するとき、見送りの人垣のなかに少女の顔を見つけた。金田一さんが少女と言葉を交わしたのは、それから三十年あまり後のことである。「あの日の理由は何も告げず、父は言いました。今日、出征する人の見送りには必ず参列しなさい、かっての少女は歌のおばさんの安西愛子さんだった。安西愛子さん「享年百歳」に接し金田一さんの失恋談義を読み返している。謹厳にして情けあり。このような父親になりたいものです。





                                     鮒の里より
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