ドラマのとびら

即興劇で、ドラマで学ぶ、教える、浮き沈みの日々  HP「学びの即興劇」の現在進行形

応用ドラマ教育論から道徳教育を考える

2017-07-16 13:24:02 | 授業のようす
学生が小学校高学年用の道徳教材「手品師」を使って授業をしました。
大学生に合わせて、手品師をシンガーソングライターに置き換えました。
「  」は学生のレポートより

「私たちはこの教材を『ライブに行くのか、ライブに行かずに男の子との約束を優先するのか』をドラマで表現するという題材で使いました。ですが本来、この教材では手品師が舞台の誘いを断って、男の子との約束を果たしたのはなぜかということを考えるために作られた教材でした。」

「私たちは『ライブに行くのか、男の子のほうに行くのか』の二択で想像していたのですが、実際授業をしてみるとそのような答えが全く出てこず、大学生らしい少しひねくれた回答ばかりでした。例えば、A班だと、『別の友人に頼んで子どものところに代わりに行ってもらい約束の日を1日ずらしてもらう』やD班の『武道館ライブの様子をyoutubeで生配信している様子を友人のタブレットで子どもに見せる』などがありました。」

D班のこの現代的な対応を想定しておらず、授業者は驚いたようでした。しかし、実現できそうなアイデアであり、実際にこういう問題が起こった時に『ライブに行くのか、男の子のほうに行くのか』という二者択一ではないでしょう。この「手品師」という教材が、果たして「約束を守る」という教材として適当なのかどうかも問われます。この授業を通して、授業者は「自分が大切だと思った事を正解として人に押し付ける事は違っていて、多様性を大事にしていけたら良い」という思いをもちました。

そして、ドラマの手法を用いることでより多様な考えを引き出したのではと考えています。
「『ライブに行くのか、男の子のほうに行くのか』を生徒に考えてもらうことで生徒のいろいろな意見が聞けると思ったからです。そして実際に授業を進めていくと、4つの班に分かれそれぞれの班に意見を考えてもらいました。そして実際にそれぞれ決めた意見をドラマで表現してもらうと、どの班も違うドラマで原作通りの意見は一つも出てこず、とても楽しいドラマになりました。」

「そして、ドラマを実演している中で演技している班とは別の班から『あ~、なるほど』や『それは少し違うくない?』などの声が聞こえてきたので①で設定した意見を共有するという課題は達成できたと思います。」

「また、座学の授業との変化は明らかだったと思いました。座学では出ないような生徒の盛り上がりや、いつもは発言しない人が積極的に自分の意見を言っていたのでとてもいい結果が出たと思います。」

受講生は大学生なので、「約束を守る」ということの重要性を踏まえたうえで、シンガーソングライターが自分のチャンスも活かすという方法を考えました。

小学生だと、「なぜ舞台を断ったか」を考えさせることで「約束を守ることの重要性に気づく」ほうがよいのでしょうか。その時間の目標が「約束を守る」ということであったとしても、それを押し付けないで「約束を守る」ことを考えさせる、こういう授業であってもよいのではないではないかと思ったのでした。
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