熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

伝説のピアニスト

2005年08月31日 | 音楽


読み始めたら夢中になり、寝不足。
「原智恵子 伝説のピアニスト」です。

あ~、もっと早くに彼女のことを知っていればこんなイベントにも行けたのに。

以前書いた古川展生さんのリサイタルで初耳の作曲家の名があった。
(曲も初耳。あまり覚えてません。)
チェリストであり作曲家でもあるカサド
カザルスの愛弟子で同じくカタロニアの人。

ワタシは恥ずかしながらチェロはもちろん、クラシックに関しても音楽全般に知識がなく、只今遅まきながらその都度ググりつつ情報収集をする始末。

カサドの最愛の妻が原智恵子。なんと神戸出身!というのもあり、興味を持った。

彼女が豊かな才能と実力を持ちながら、日本で評価されないままの人生を終えたことに激しく悔しがる著者の心情が伝わってくる。
ちょっと身贔屓が極端かな、と思うところもあった。

出る杭を打ち続けた音楽評論家のバックに高浜虚子がいた、なんて意外な展開もある。
彼の息子が原智恵子に失恋、才能に嫉妬したからということだが、事実だろうか。
杉田久女まで引き合いに出し虚子を批判しているが。

高浜虚子をはじめ、神様、巨匠と賛美されるカザルスやロストロポーヴィッチに対してでも「あの時の彼の行動は行き過ぎ」などとコメントに容赦がない。
大御所の一面を見たようでちょっとおもしろい。

若かりし有名チェリストの名がたくさん登場するので、「1000人のチェロ、チェロコングレス」のパンフレットを出してきて今のお姿を確認したりした。
いかに神戸に名人大集合だったか今さらながら驚く。

彼女の人生、愛憎も波乱万丈。
日本のピアノ界、クラシック界事情もさることながら、ワイドショー的結婚離婚劇も興味あるところ。ミーハー全開!
前夫はかのキャンティのオーナーの川添氏。
去年だったか、テレビでも取り上げてたし「キャンティ物語」も読んでいたのだ。
本の中には、当然川添氏の前夫人として原智恵子も名が出ていたけど梶子夫人が主役だったし、あまり記憶になかった。(梶子夫人も神戸出身!)

もし原智恵子の最初の結婚が円満だったら…

ユーミン(荒井由実)のああいうデビューがなかった。
風吹ジュンは原智恵子の孫を生まなかった。

といえるような…

ところで、この年でチェロを習い始めたワタクシにボケ防止?などと問う人もいる。
現に、ボケ防止にと言ってピアノを始めた友人もいる。

指を使うことは脳を活性化するというけれど、智恵子さん、晩年は記憶も定かではない状態と書かれてあった。
要するに認知症であろうか、ショックである。

フジ子・ヘミングのように返り咲いて年を重ねても演奏を続けてほしかった。
女性の老後は長いのだ。残念!


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