野球小僧

日本列島 1000kmの旅 ~140円編~

ところで、「きっぷ」と「切符」の違いを知っていますか?

JRなどでは「きっぷうりば」と書かれていて、「切符売り場」とは書かれていません。どうして、ひらがななのでしょう? 「子どもにも読めるように」という意味もあるかも知れませんが、実際は法律で決められているのです。

旅客営業制度上では「きっぷ」と「切符」はまったく別物なのです。私たちが日頃使っている「切符」は、正しくは「きっぷ」です。JRでは明確に使い分けています。

「きっぷ」は旅客営業制度上、正式には「乗車券類」と言います。「乗車券」や「急行券」「寝台券」「グリーン券」などのことをまとめて「乗車券類」と言います。
「切符」とは旅客関係以外で現金を収受する時や、内部帳票のようなものに使われるものです。例えば、手回り品切符がこれにあたります。実際、車内へは、縦・横・高さの合計が250cm以内で、重さが30kg以内のものを2個までしか無料で持ち込めません。大きさや重さが、これを超えるものを持ち込みたい場合や、ペット同伴の場合は、手回り品切符を280円で購入すれば、車内へ持ち込めます。ほかに駅で荷物の有料預かりをした場合に発行されるものや、諸料金切符という何らかの料金を支払った場合に発行されるものもなどです。

というわけで、電車に乗って目的地に向かうためには、乗車経路を指定してきっぷを買うのが原則ですが、東京・大阪など路線網が複雑な地域では、「このエリアならどの経路を通ってもいいことにしよう」という仕組みが存在します。

これがJR旅客営業規則第157条2項「大都市近郊区間の運賃特例」です。大都市近郊区間は東京の他にも、大阪・福岡・新潟・仙台で設定されています。

例えば、首都圏でJR東日本が設定した大都市近郊区間の中では、品川駅から池袋駅へ向かう場合、山手線の内回り・外回りのどちらに乗っても良い。いったん東京駅に向かって、中央線で新宿駅に出てから山手線(外回り)でもいい。改札を出なければ、エキナカの駅弁屋さんやお土産屋さんなどで買い物も出来ます。

この仕組みを利用しますと、路線の一筆書きで大回りの長旅が楽しめるのです。ただし、駅が重複するとキセル乗車になので注意が必要です。実際、これは“乗り鉄”の間では定番の遊びとして有名な話らしく、個人のものも含め様々なHPなどで情報が観られます。

ところが、東京近郊区間内のきっぷは「当日のみ有効、途中下車無効」という決まりがあります。現在の大回り最長ルートは、1日では乗れないほどの長距離で、実施不可能だと言われています。

しかし、例外が年に一度だけあるそうで、それが大晦日から元日までの2日間になります。大晦日は終夜運転を実施しているため、当日0時すぎからチャレンジし、さらに「継続乗車」という別の規則が後押ししてくれます。

それは「入場後に有効期間を経過した当該使用乗車券は、途中下車をしないでそのまま旅行を継続する場合に限って、その券面に表示された着駅までは、(略)これを使用することができる。(以下略)」というものです。つまり、深夜に帰宅するとき、当日有効の乗車券を持って深夜の電車に乗り、途中で0時を過ぎて日付が変わっても目的地まで行けるというもので、JR旅客営業規則第155条に定められています。

そこで、実際にチャレンジした人がいるそうです。現在の東京近郊区間大回り乗車の最長距離は、常磐線の北小金駅から馬橋駅まで遠回りするルートです。両駅間の営業距離は2.9km、時間で5分。普通に常磐線に乗ると、きっぷで140円、IC乗車券で133円です。それを遠回りして、安房鴨川駅、茅ケ崎駅、高崎駅を経由し一周すると1,035.4km、約30時間の旅になるそうです。

北小金06:10→06:22我孫子06:26→07:29友部07:52 →09:06小山09:24→11:15高崎11:23→12:42大宮12:57→13:19川越13:34→13:51高麗川14:00→14:42八王子14:50→15:02橋本15:19→16:16茅ヶ崎16:19→16:31大船16:41→17:22鶴見17:30→17:43浜川崎17:58→18:06尻手18:09→18:11川崎18:20→18:29品川18:43→18:53武蔵小杉19:01→19:44立川19:47→19:53西国分寺20:01→20:26武蔵浦和20:32→20:46赤羽20:50→21:02南浦和21:06→21:50西船橋21:55→21:58船橋22:11→22:43佐倉22:54→00:04松岸[総武本線60分間隔で終夜運転あり]→成東[東金線は終夜運転なし]04:56→05:41大網05:45→06:01上総一ノ宮06:05→07:09安房鴨川07:15→08:56蘇我09:05→09:53東京10:07→10:15錦糸町10:18→10:25秋葉原10:27→10:29神田10:30→1043新宿[山手線] 10:48→11:09日暮里11:13→11:35馬橋

続いては、中央線の阿佐ヶ谷駅から高円寺駅です。房総半島を通ってそのまま北上し茨城へ、水戸の手前の友部から水戸線で西進し、前橋や高崎を経由。茅ヶ崎まで南下して東海道線に乗り換え。東京駅から高円寺に着くというルートです。通常なら1.2kmの営業距離を約800kmのルートを通り、移動時間は2分のところを約20時間。始発の4時29分で阿佐ヶ谷駅を出発し、ほとんど終電で0時26分に高円寺駅に戻ってくることになる一都六県の旅になります。

阿佐ヶ谷04:29→04:50西国分寺05:06→06:19西船橋06:29→0652千葉0658→08:46館山09:05→09:46安房鴨川09:53→11:23大網11:26→11:43成東11:46→12:13佐倉12:17→12:30成田12:45→13:26我孫子13:46→14:23土浦14:34→15:10友部15:19→16:20小山16:27→18:17高崎19:03→20:28高麗川20:43→21:25八王子21:36→21:48橋本21:53→22:50茅ヶ崎22:55→23:46東京23:57→00:26高円寺(土曜・休日ダイヤ)

関西編として和歌山線と万葉まほろば線(桜井線)を通るコースが有名だそうです。大阪駅を朝9時55分に出発して新大阪駅に夕方17時までに到着するお手軽なプランで、運賃は160円です。

大阪9:55→11:26和歌山11:50→15:07奈良15:23→16:11京都16:29→16:52新大阪(土曜・休日ダイヤ)

ポイントは食事とトイレ休憩になると思います。都市圏ならば、電車の本数も気にしなくていいと思いますが、ちょっと外れると本数が限られてしまいますので。
なお、大回り乗車の記念に切符を持って帰りたい場合は有人改札へ行き、切符に無効印のハンコを押してもうことは可能だそうです。また、検札などにも備えて、行程表を用意しておくと良いようです。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
いやいや、鳥取より先に首都圏を乗っ取ろうと言う作戦です。

ま、それはともかくとして。
昔は急行と言う味のある列車がありましたね。あの中途半端さが、好きでした。

ちなみに、JR東海みどりの窓口は、「結局はどこの窓口でも指定券を売るのだから、あえて分ける意味はない」とのことらしいです。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

ご自宅は大都市東京に”併合”されてしまったのですね!?
ん?並びが変われば・・・なるほど!

JR東海の件は全く知りませんでした。
インターネット普及からですかね~
まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
実は我が家は大都市東京に属しているのです。
あっ、屈しているのはないですぞ。

まあ、結局は営業距離での乗車賃になりますので、なんの恩恵もありません。

なお、みどりの窓口ですが、駅によっては設置されていないことはご存知だと思いますが、JR東海管轄下の駅には、実はまったく設置されていません。ご存知でした?
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

きっぷと切符の違いは以前何かで聞いたような気がしますが・・・
今日ここで読むまでは全く失念していました。
毎日JRで通っているのに気にも留めていませんでしたしね。
明日みどりの窓口で見てみよっと。失念していなければ^^;;

東京の地図と順路が書かれていますが全く以てわかりませぬ。
でも東京近郊区間図に松本・塩尻・辰野・岡谷は??というのはわかります。

あっ、まっくろくろすけさんが”きっぷ”のいい漢だというのはわかってます!
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