いろいろなスポーツがあります。試合をするときには、ユニフォームを着なければなりません。その試合を指揮しているベンチを見ると、野球の監督は選手と同じユニフォームを着ています。その他の競技は、選手とは別の服を着ています。
例えばサッカーでは「監督は選手と明確に区別できるようにしなければならない」というルールがあり、Jリーグでは発足当時に「監督はジャケットとネクタイを着用すること」という申し合わせ事項もあったそうです。
しかし、野球規則には「監督は選手と同じユニフォームを着用する」といった記載はないとのことで、日本のプロ・アマ共通ルールである公認野球規則には「同一チームの各プレーヤーは、同色、同形、同衣装のユニフォームを着用」と明記されていますが、これは選手に対してであって、監督については明言していません。
野球に関してならば、日本独自の風習ではなく、ワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)においても監督は選手と同じユニフォームを着ています。もちろん、MLB、韓国リーグや台湾リーグでも監督は選手と同じユニフォームを着ています。
でも、野球の監督がユニフォームを着用しなければならないというルールはないのですから、監督がユニフォーム以外の姿でベンチにいても、何も問題はないのです。
サッカーの監督はスーツ姿が多いですが、もし、プロ野球の監督がスーツ姿でだったら、どんな感じなのでしょうね。ユニフォーム姿を当たり前のように見ているを私たちにとっては違和感満載になることでしょう。
しかし、過去にMLBではスーツ姿で指揮をとった監督がいたそうです。フィラデルフィア・アスレチックス(現; オークランド・アスレチックス)で監督を務めた名将コニー・マックさんはスーツ姿の監督として有名でした。1894年からピッツバーグ・パイレーツで選手兼任監督を務め、1901年にフィラデルフィア・アスレチックスの球団創立に関わり、初代監督に就任しました。この時、ユニフォームではなくスーツ姿で指揮を執っていたそうです。
その後、1950年までの50年間も監督として指揮を執り続け、9度のアメリカン・リーグ制覇と5度のワールドシリーズ制覇を達成しています。マックさんは53年間の監督生活で、通算3731勝を記録しており、これはMLB史上最多勝利数であり、1937年に殿堂入りしています。ちなみに、アスレチックスで監督を務めていた間はずっとスーツ姿だったそうです。
また、1948年から1950年までブルックリン・ドジャース(現; ロサンゼルス・ドジャース)で監督を務めたバート・ショットンさんもスーツ姿で指揮をとっていたそうです。
ちなみに、マックさんは「長身でやせていてユニフォームが似合わないから」、ショットンさんは現場に復帰する際に「妻にもうユニフォームは着ないと約束したから」というのが、スーツを着ていた理由だったそうです。
しかし、その後、スーツ姿で指揮をとる監督は出てきていません。その理由は、当時のMLBでは選手兼任の監督も多かったこともあり、監督の時はスーツで、選手として出場することになったらユニフォームというのが面倒だったからという説だそうです。
二つ目の理由が、監督がプレーエリアに入るためだという説です。選手交代や審判への抗議で監督がベンチをでることがあり、タイム時にピッチャーマウンドに向かうこともあ梨乃が理由です。他のスポーツ、サッカー、バレーボール、柔道やレスリングなどは監督が抗議をしたり選手に指示を出したりするのは、必ずプレーエリア外でって、野球は特別です。
そして、最後に監督がユニフォームを着たかったから説です。特に日本のプロ野球で、現役時代にスター選手であった人が監督になるときに、キャンプでは必ずと言ってもいいほど、「初背番号」が話題になります。ユニフォームを着た方が、現場復帰という感覚が大きいからではないでしょうか。
こうやって考えてみますと、野球って特殊なスポーツですね。
