「ねえ人間てなんなんだろー?」
「さあ」
「頑張っても頑張っても報われないし、頑張っていない人が報われているような気がするよー」
「それがムカつくのかな?(笑)」
「そうだねー(笑)」
「人間はね、そうだなー。ワインのボトルだね」
「ワインのボトル?」
「うん。底に穴が空いたワインのボトル」
「どういうこと?」
「生きてるってことは、バケツでワインをすくってボトルの上からかけるようなもんだよ。ボトルの口はちっちゃいから、なかなか入らないし、かけたワインのほとんどは下にただ流れるだけ」
「うん」
「それでも人よりも何回も何回もかければ段々とボトルに少しずつワインが溜まる。それに満足するもあり。でも底に穴が開いているから、じきになくなってしまう。言わば、生きるっていうのは、その一瞬溜まったワインの雫を見て満足するかどうかではないかな。いずれにしても消えてなくなるワインだから、溜まっても溜まらなくても本質では根源では大した違いはない。夢は現、現は夢だよ」
「なんだか分かったような分からないような(笑)」
「まあだいたい俺の話はいつもそんなんだよ。中身がないから(笑)」
「だからってどうして貴方の手が私のスカートの中に入っているの?」
「それはね。君のボトルにワインが溜まっているかチェ
嗚呼また一人逃がした。占いも楽じゃないね」