「エデン」近藤史恵 新潮社 2010年(初出新潮ケータイ文庫DX2009年)
大薮春彦賞受賞と本屋大賞2位に入った、自転車ロードレース小説「サクリファイス」の続編。私「サクリファイス」読んでないんだけど・・・表紙は実在のコフィディスというチームの選手の写真、裏表紙の黄色いジャージはアスタナのアルベルト・コンタドールではなかろうか?・・・
ツールドフランスに出場するフランスのチーム、パート・ピカルディ。そこでエースをアシストする役目をしている日本人ロードーレーサー白石誓。愛称はチカ。チームのスポンサーが下りてしまうので就職活動も兼ねてツールではいいところを見せなければならない。ツールドフランスという世界一過酷なレースを闘うということ、チームの駆け引き、役割分担。読むだけでツールドフランスが分かってしまう凄い小説。
という大雑把な要約で大体当たっているように思う。前作を読んでいないことは特に障害にはならなかった。ケータイ小説だからか、字がやや少ないのが不満。もっともっと読ませて欲しかった。まあ軽く読もうと最初から思って読めば良かったのだろう。
なぜゆえにツールドフランスが世界一過酷なレースだと言われるのか。期間が長いのと毎日毎日長時間自転車を漕がないといけないのと、無理しても食べないといけないのと・・・実際に自分が出場しないと分からないのだろうが、しかしそれは無理だ。小説の醍醐味は自分には出来ない事を疑似体験出来る事であるので、特に「エデン」ではそれを顕著に味わう事が出来る。
スカパーで観る事が出来る人にはぜ観戦をお薦めしたいし、それは無理でも過去のレースについてはDVDも出ているので、人間というより神の領域に近い男ランス・アームストロングの偉業について観てみると<ああ生き神様だ>とつぶやいてしまうかも知れない。そんなわけないか。
全然関係ないんだけれど、横浜にエデンの園という老人ホームがオープンするそうだ。そのネーミングはどうだろう。おじいちゃんとおばあちゃんが禁断の果実を口にするのだろうか。それとも天国に近い楽園なのだろうか。貴方どこにお住まいなの?エデンの園でございますの、おほほ。なんて言ってみたい。いやみたくない。
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