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江戸時代の女の子の苦悩「櫛挽道守」木内昇

2015-05-16 | books
江戸時代の終わり。木曽で櫛作りを稼業とする家に生まれた登勢。櫛挽きの名人の父のことを尊敬し、自分も櫛挽きになりたかった。しかし女性がそのような仕事をする時代ではなかった。跡取りになるはずだった、弟が死んでしまった。弟の代わりに跡を継ぎたいが、嫁にいくように命じられる。封建的だった時代、登勢の苦悩を描く。

大きな事件が起きるわけではない。淡々と描かれる日常。

事件を中心に置くのがミステリーやスパイ小説。事件そのものが面白くないといけない。しかし事件を中心に置かないと、人物が魅力的でないと面白くない。登勢という女性の内面にグッと引き込まれてしまうと、すごく魅力的なキャラクターに思えてくる。

派手さはないのに、すごくいい小説だった。(もうちょっと他に書くことはないのかね)

櫛挽道守

今日の一曲

櫛を挽く。たまたま見つけた櫛引彩香というアーティスト。櫛引彩香トリオで「キミとボク inc Day & Midnight」



ビジュアルも声も楽曲もいいではないですか。ライブもあるらしく、今後ちょっと注目したい。

では、また。
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