こういうのは基本的に手に取らないようにしていた。ほんわか系とか癒し系の小説は顔に似合わないので有隣堂書店では売ってくれないのだ。
知り合いが「読め」と言って勝手にカバンの中に放り投げて行ったので仕方なく読んでみた。
江戸の問屋のおぼっちゃん。体は弱いがなぜか妖(あやかし)を操り、妖に操られ、江戸のミステリーを解く。って感じ。
最後の落としどころ(ミステリーとしての肝)は個人的にはまあまあという程度だった。しかしそれ以外は実によく出来てるし、読みやすく、普通に堪能してしまった。登場するキャラが全てにくめない、ややかわいいといった雰囲気作りが結果として、
「女子中学生からおばちゃんまで広く薦められる江戸小説」となっている。
もし小学校4年生の娘がいたと仮定しよう。実際にいてもいなくてもそれはどっちでもよい。彼女トメ(仮名)がもしこの「しゃばけ」を読んでいたとしたら、わしは微笑ましいと思うだろう。しかし小野不由美の『屍鬼』を読んでいたいたら、悩ましい気分になるであろう。中島らもの『ガダラの豚』を読んでいたら誇らしい半分、心配半分であろう。バタイユの『眼球譚』を読んでいたら・・・・・・トメは橋の下に捨てる。
とまあなんだかよく分からない比較であった。
しゃばけはシリーズになってたくさん出ているようなのでこの手がお好きな方は読破しちまえばいいんだろう。
では、また。
やはり広い年齢層に受けるのやね