<2014年5月13日>
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質の高い模写を手に入れたので、連休中は少しルーベンスのことを勉強しました。
とにかくその画力は圧倒的で、まさにバロックの王者と呼ぶにふさわしいでしょう。
ところが日本では、ほぼ同時代のレンブラントと比べると人気が無い。
(ルーベンスファンの方、ごめんなさい)
日本だけかと思ったら、アメリカでもそうだと画集の解説で劇作家の山崎正和氏が
述べておられました。
たぶんそれはあの肉感的な女性のせいだけではなく、彼の人生そのものに起因する
のだと感じました。
ルーベンスの人生は全く破綻がなく、絵画の能力だけではなく、古典の教養に精通し、
その上数カ国語を自由に操り外交官としても活躍し、私生活でも2人の良い妻に恵まれ、
(最初の妻とは死別しています)幸せな人生を送りました。
一時は絶頂を極めながら最後は破産したレンブラントに比べて、あまりにも完璧過ぎる
のです。
「フランダースの犬」の有名な最後の場面、なぜあそこでルーベンスの絵だったのか?
もちろん物語の舞台がアントウェルペン近郊ということですから、当然と言えば当然
ですが、ルーベンスのあまりにも幸せな人生と、ネロとパトラッシュの悲しい人生を
対比させるねらいもあったのか、というのは考えすぎでしょうか・・・・・