福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日22日はお彼岸の中日です

2020-09-22 | おすすめ情報
今日はお彼岸の中日です。各寺では彼岸会法要が行われます。
「彼岸」とは サンスクリット語pāramitāパーラミターの訳で、正しくは「到彼岸」即ち生死輪廻の此岸を離れて涅槃常楽の彼岸に到達するという意味です。原語「パーラミター」は「(到)彼岸」と同時に「波羅蜜(多)」とも音訳されます。
「波羅蜜」とは何なのか? この「パーラミター」は布施・持戒 ・忍辱・精進・禅定・智慧 の6種の徳に分類されます(六波羅蜜といいます)。この六種の徳目を実践することにより「真理の世界」に至るということです。
六波羅蜜はこの世で実践できなければ意味が有りません。そう考えると、彼岸(真理の世界)は遥か彼方ではなくいまここになければならないことに気がつきます。そして現世で生きている者が六波羅蜜を実践してその徳を先祖に回向することにより先祖も佛果を増進できるのです。
塵添壒囊抄には『経には「昼夜が斉しく、それは両岸に比するがごとく左右均等なり、よって、「此岸」と名付け、また日の出と日の入りの両岸は、彼の岸と此の岸と彼の岸と斉しい故に「彼岸」とも書く。時分が相応する故に、所作は成就するという。他の時にはこの意義はない。仏法は正しいことを用とし、魔界は違うことを用とする。故に正直の時節に仏法は顕現し、魔界は隠没する。これにより一年の中に二つの季の彼岸を仏法相応の時節とするのである。 』とあります。「今日彼岸菩提の種をまく日かな」(芭蕉)という句も、こういう意味で仏道修行に適している日であるということを言っているのでしょう


高野山においても午前9時から 伽藍金堂で土砂加持法要が執り行われるようです。高野山のホームぺージを引用すると「彼岸の中日に当たる日に、金堂にて「一座土砂加持法会」が執行されます。これは『不空羂索経(ふくうけんじゃくきょう)』に光明真言にて土砂を加持し、その土砂を亡者・墓等あらゆるものに散ずればたちまちに罪報を除き、密厳国土に往くことができるという由来から始められました。土砂は三つ折りの半紙の中に少量入れられたものが法会に参加した職衆に配られ、樒の葉で土砂を掻き混ぜながら光明真言にて加持された後、法印御房の御導師により供養されます・・」とあります。

中国では唐朝において既にこの彼岸会法会が行われ、我が国では、明恵上人や興生菩薩叡尊上人などが宣揚して鎌倉時代より広まりったとされます。

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