福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

死の底から救って頂く(N・Y、高知市、大正11年)

2017-05-12 | 頂いた現実の霊験

私は高知市に生まれ育ったものですが、父方の祖父が大変お大師様を信仰しておりました。私も子供心に祖父の後ろでお大師様に手を合わせながら大きくなったらお大師様のおまいりに行こうと思っていました。
家から12キロのところにミニ八十八所があり、小学5年生の時お参りしました。そのころからなんとか本四国をお参りしたいと思い始めていました。しかしそのころは戦時中で小学校卒業後は軍需学校で働かねばならず私の願いは叶えられませんでした。その後も機会は無く22歳で結婚、主人は軍人で、南京市で終戦を迎えました。その後昭和34年主人は病死しました。中学生を頭に五人の子供が残されました。昭和40年より田舎より高知市にでて働きました。しかし其の年の暮れ無理がたたって胆のう炎になり、入院しました。
胆のう炎は手術できない病気で痛み出すと其の都度注射をうつのみです。私は部屋を這いずり回って苦しみました。そんな発作がどんどん頻繁になりついに毎週痛むようになり、終に心臓までも悪くなり、あらゆる病気を併発するにいたりました。
私は溺れるものは藁をもつかむというおもいであらゆる信仰に縋りました。しかしどの信仰も私にとって病気をすすませるばかりです。このころ主治医は子供達に「もう好きな物を食べさせ、すきなことをさせなさい。」といっていたそうです。自分でも天井を見上げながらもう永くはないと思っていました。
その時ふっと子供の頃から夢見ていたお四国巡拝のことが頭をよぎりました。あんなにまで夢みていたお四国ですがついに其の夢を果たすことなく死んでしまうのかと思うと居ても立って、居られなくなりました。頂いた命が尽きるのは仕方ないけど、一度もお大師様にご縁のなかった自分がとても悲しくて後から後から涙がとめどなく流れるのです。
其の頃は般若心経も満足に唱えられなかった私はお大師様への最後のお祈りと思い、少しの時間も惜しんで光明真言と南無大師遍照金剛を繰り返しました。
其の夜はただ残念無念の涙で一睡もできず夜が明けました。しかし次の夜、睡眠不足で消灯時間すぐに眠りにつきましたが、真夜中に突然ジャラン、ジャランという錫杖の音が聞こえてきたのです。そして『お前はまだ死んではいけない。病に勝つのだ。頑張らねば』という声が聞こえたのです。あたりは寝静まっています。いまの鈴の音は、今のお声は、一体誰が・・・。私は自分の頬を抓ってみました。痛い・・・夢ではない。

それから2日後、主治医は「不思議だ。よくなっている。このぶんだと退院も夢ではないかもしれないね」といわれたのです。痛みつかれて気の弱くなっていた私はもしかして治る見込みが無いから家で死ぬようにということかとおもうくらい、その先生の言葉が信じられませんでした。
此の気持ちは体験者でなければ分からないと思います。その日から私は日増しに元気になり、食事もすすむようになり実際十日後に退院できたのです。奇跡が起こったのです。

あの時のお声はお大師様だ、そうだお大師様が私をたすけて下さったのだ。そのときの私は嬉しくて嬉しくてとても言葉では言い表せません。

一番に考えたのはこの際お礼参りにいかなければ、今お四国に行かなかったらもう一生行けまい、何としてもお四国に行こうと思いました。
 
50年3月、風邪気味で体調は悪かったのですが子供達の止めるのも聞かず夢にまでみた四国八十八所の旅に出ました。途中でどうなってもいい、思い残す事はないという気持ちで2泊3日の阿波一國参りにでかけました。
帰ってくると子供達は私が打って変わって元気そのもので帰ってきたのでびっくりしていました。それもそのはず、出発の時は青白い顔で食欲もなく弱っていた私が四国に出たその日から食事が無性に美味しく出された物はすべて平らげてきたのです。

それ以来、別格20番もいれて毎年巡拝させていただいています。おかげさまでこの10年間健康そのものです。お金はなくとも、億の金にも換えがたい健康のある喜び、何のとりえも無い、学歴も無い私をここまでお導きくださったお大師様の偉大なお力、お優しい、広い御心に触れていいようのないありがたさにむせび泣いております。
最近では私に出来る御礼をと思い、八十八所様、石槌様、お不動様、氏神様に金の尾を差し上げさせていただいております。
これからもこの感激を忘れず、お大師様の御教えに背くことなく、お導きに従い、又わたしにできることはさせていただき、命ある限り御礼行に生きたいと思っております。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 金山穆韶師の「仏教における... | トップ | 今日は虚空蔵菩薩様の日です... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。