福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

観音経の解説27/28

2016-02-27 | 諸経
27、

・大師の般若心経秘鍵には「観在薩埵は、則ち諸乗の行人を挙げ・・(観自在菩薩とは修行者・衆生のことである)」とあり、
・江戸時代の禅僧天桂伝導禅師も「観自在とは、異人にあらず。汝、諸人これなり。」といっています。

・連体和尚の「観世音菩薩四重秘釈の事」には
「観音の奥義を釈するに四重あり。
 一には浅略の釈。悲華経にいわく『過去恒河沙阿僧祇劫に・・・一人の転輪聖王あり。無諍念王と名ずく。・・第一の太子を不詢と云う。・・仏記を授け給はく。汝天人及び三悪の衆生を観じて苦悩を断ぜんと欲ふ。今汝を名ずけて観世音ともうさん。無量壽佛涅槃ののち・・そのときに汝成仏して遍出一切光明功徳山王如来と号せん。・・』無諍念王の成仏し玉へるは阿弥陀如来なり。第一の不詢太子は観音なり・・
二には、深秘釈。(観音は)金剛界曼荼羅の西方の金剛界菩薩。胎蔵には八葉の西北の菩薩、また蓮華部の主なり。・・
三には、秘中深秘の釈。観音はすなわち大日如来なり。(観音の)三十二(の変化)身は金剛界の定慧の十六尊を表し、(観音経の)十九説法は胎蔵界の十九執金剛を表す。・・
四には、秘秘中深秘の釈。観音は即ち一切衆生の色心の実相、胸中のカリダ心、合蓮華の体なり。妙法蓮華三昧経の偈『帰命本覚心法身(きみょうほんがくしんぽっしん)
常住妙法心蓮台(じょうじゅうみょうほうしんれんだい)本来具足三身徳(ほんらいぐそくさんじんとく)三十七尊住心城(さんじゅうしちそんじゅうしんじょう)普門塵数諸三昧(ふもんじんじゅしょさんまい)遠離因果法然具(おんりいんがほうねんぐ)
無辺徳海本円満(むへんとくかいほんえんまん)還我頂礼心諸仏(げんがちょうらいしんしょぶつ)というは是なり。又天台の三法妙といふも是なり。故に一たび南無観世音と唱ふるに忽ちに観じて抜苦与楽し玉ふ事は本より能帰の我と所帰の観音と一体無二なればなり。・・ゆえに一切衆生即ち観世音にしてほかに求むることなし。人人即観音、念々即ち妙智なれば一色一香中道にあらざるといふことなし。これを中道正観の観音と名ずく。この観に住するものこそよく無明即明と照らして即身に成仏するべけれ。」

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