福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

同僚が戦没者を供養した話

2009-11-14 | 講員の活動等ご紹介
確か戦後50年に合わせた企画でしたが、ミクロネシア・トラック島に沈んだ旧日本軍の船の残骸に潜るという取材でのこと。この船は旧日本軍に徴用され、かの地で沈んだ商船でした。
カメラマンが、照明などを担当する助手と潜ったところ、水中で「おーい!」と呼ぶ声がする。陸に上がって「おい、今、お前、水中で俺のことを呼んだか?」「いいえ、呼びませんよ」。次にまた潜ったら、また「おーい!」。水中なのでカメラマンが自分の耳を指さして「聞こえた」と示すと、助手も耳を指して「ぼくもぼくも」とのジェスチャー。陸に上がって「一体アレは何だ?」と話していると、現地人のガイドさんは「実は、日本人にだけ聞こえるらしい」と打ち明けた。
二人はすっかり気味が悪くなったが、仕事で来ているだけにやめる訳にもいかない。次の日もおっかなびっくり潜ったら、今度は「助けてくれー」などと、かなりはっきりと聞こえる。さらに問題の船に近づくと、食堂のような大広間から、なにやら大合唱まで。部屋に入っていくと、はっきり歌詞まではわからないものの、あきらかに軍歌のようなものが耳をつんざくばかりの大音響で響く。もちろん撮影は続行したが、ビデオには音声は一切記録されていなかった。
この話には「オチ」まであります。出張から戻ったカメラマン、本社で機材を返してタクシーで自宅に帰った(出張からの帰宅は、荷物が多いためタクシーで帰宅できる)。当時の会社は新宿区、カメラマンの自宅は板橋区。疲れ切っていたカメラマン、タクシーに乗って行き先を告げるなりぐっすり眠ってしまった。しばらくすると、どうにも見覚えがないところを走っている。「運転手さん、これ、違うんじゃない?」と聞くと「すみません。道を間違えました」。窓の外を見たら、停まっていたのは靖国神社の前だった。くだんの二人、「これは、連れて来ちゃったなぁ」と、後日靖国神社で「お祓い」というか、慰霊の祈祷をしたそうです。
この話は信頼できる(真面目な性格の)同僚二人が言うのだから、まさか作り話とも思えない。たしかに「コワイ話」には違いないが、それよりも私には「かわいそうだなぁ」という気持ちの方が強い。日本に家族を残し、異国の地で敵に撃沈されて、さぞ無念だったんでしょう。たまにやってきた同胞に声をかけているのに、ただ「コワイ、コワイ」ではあまりにかわいそう、同僚はいい供養をしたと思います。
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1 コメント

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霊魂はあります (高原)
2009-11-19 12:48:30
貴重なお話有難う御座います。わたしも十数年前に硫黄島にいったとき駐留の自衛隊の人たちは毎晩日本兵の姿を見たり足音を聞くといっていました。塹壕跡では心経等をあげてきましたが戦場跡には何度も繰り返しいって供養するのが現在の日本人の義務でもあると感じました。

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