福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

ロボット僧侶

2017-09-22 | 法話
ロボット僧侶のニュースがありました。
ロボットの僧侶が導師を勤めて葬儀をし、法話もするというものです。
こういう事態になると改めて僧侶とは何か、葬儀とはなにか、が問われます。
確かに今のような形骸化した葬儀のやり方ではロボットの方がいいともなりかねません。
葬儀の式次第はどうなっていて導師は一体何をしているのか、どういう意味のお経を読んでいるのか、故人はちゃんと成仏するようになっているのか、また法話もない場合がほとんどで遺族は故人の死に対してなにをどう考えればよいのか、さっぱりわかりません。
ロボットの方がよほどいいと思われても仕方ないところがあります。
しかし、結論から言うとロボット僧侶は全く意味がありません。真言宗でいえば、葬儀では導師は、大日如来以来脈々と受け継がれてきた秘印明を死者に授けて引導を渡します。死者を導師の弟子の僧にして本来の大日如来の姿へ導くのです。ここでロボットでは当然僧籍もないし灌頂も受けていないし、秘印明も授かっていませんから死者を導くことはできません。死者は迷うだけです。
しかし説教についていえば、今後AIであらゆる経典や高僧のデータを読み込むとロボット説教はとんでもなく素晴らしいものになる可能性はあります。
ただ法話をするにもさきの「灌頂を受けて修行していて大日如来以来(あるいはお釈迦様以来)の『法』を継いでいる」という前提がなければただの字面の説法となります。ましてやお釈迦様のような対機説法はできるはずもありません。ただ今のままではロボットの方がましといわれるのは必至の情勢です。
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