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メモ「LNGの死角/価格・供給先・官民合体の交渉力」

2012-02-23 10:40:51 | 別途書き込み

 イランからの輸入規制の例外として日本が米国に認められた「原油輸入」…自主的に良は減らしているものの、海峡閉鎖となれば大変なことになるのは皆理解できていることでしょう。下記にもある様に米国との自由貿易協定妥結も外交的にも不可欠となりつつあります。TPPとも絡んできます。一方、ロシアの要請を受けることに、米国からの圧力はなく、むしろ領土問題とも絡めて、経済の密接さを作り上げることが、外交上得策かもしれません。何れにしても、需要先/売り先として熱く期待されているのであれば、それなりの動きで、うまく立ち回って欲しいものですね!

(エネルギーを問う)発電、ガス頼みに危うさ :日本経済新聞

LNGの死角(上) 在庫3週間分、市場の厚み不足 

全54基の原子力発電所の停止が近づいている。再稼働がなければ、日本は当面、天然ガスの火力発電所に電源を依存せざるをえない。急激なガス輸入の増加は日本の国富流出につながる。中東情勢の緊迫化など潜在的なリスクも膨らむ。かつてない「ガス依存時代」への備えは十分か。

 

イランの封鎖懸念

 「イランがホルムズ海峡を封鎖すると東海地方が停電になりかねない」。政府内でこんな懸念が浮上している。

 イラン情勢の緊迫化で中東諸国から原油輸入が止まる恐れはよく指摘されるが、実は深刻なのは6割が発電に使われる液化天然ガス(LNG)の輸入が途絶えることだ。

 一見、LNGの中東依存度は約3割と、8割を超す原油より大幅に低い。ただ、会社ごとに細かくみれば中部電力は6割がカタール産だ。昨年の浜岡原発の緊急停止でカタールからの追加調達に踏み切り、比率は従来の5割から高まった。原発停止でLNG火力への依存度も高まっており「カタールからの輸入が止まれば、発電量の約4割を失う」(中部電力)。

 原油は官民で200日分の備蓄があるが、LNGには備蓄の義務がない。「LNGはあくまで原油の代替とされてきたので原油を備蓄すれば十分という考えだった」(資源エネルギー庁)。電力各社には2〜3週間分の在庫しかないとされる。

 しかもLNGは長期契約の比率が高く、原油と比べると短期調達の市場にも厚みがない。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の石井彰特別顧問は「ホルムズ封鎖は『電力危機』。万が一、封鎖が1カ月も続けば東京電力、関西電力、九州電力も厳しいだろう」と話す。

 ここまで「LNGリスク」が膨らんだのは東日本大震災後の原発停止が主因だ。「大型の原発が1基停止するとLNGの輸入は年120万トン程度増える」(東京電力)。それはLNG輸入量にはっきりと表れている。

 2010年度は約7000万トンだったが、11年度は8200万〜8300万トンの見通し。再稼働がない場合、ほぼ1年を通して原発ゼロの12年度は9000万〜1億トンに達する可能性がある。

 

輸入2.8兆円増試算

 LNGの輸入増加は昨年、日本が31年ぶりの貿易赤字(通関ベース)になった一因でもある。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は、12年度のLNG輸入額は価格上昇の影響もあって10年度比2.8兆円増の6.3兆円と試算する。芥田氏は「電気料金に転嫁されれば、消費税増税と同じく家計の可処分所得を目減りさせる」と話す。

 LNGの負担をどう抑えるかは佳境を迎えた東京電力の再建問題も左右する。東電は今年度に2400万トンのLNG輸入を見込み、日本の輸入量の3割を占める最大の買い手。燃料費は昨年度より7600億円増える見通しで、これをどう圧縮するかが最大のポイントだ。

 旧来型のLNG火力を最新型の「ガスコンバインドサイクル」に更新すれば、LNGの使用量を約3割も抑えられる。二酸化炭素の排出を抑えた新型石炭火力の活用も手だ。エネルギーアナリストの伊藤敏憲氏は「環境アセスメントで事実上、止まっている石油火力や石炭火力の新設を再開すべきだ」と話す。

 結局、発電量の3割を占めた原発がばたばたと止まったひずみがLNG依存に象徴的に表れている。万が一にもホルムズ海峡が封鎖された場合、JOGMECの石井氏は「原発再稼働しか計画停電を避ける道はない」と話す。「電気事業法の規定を援用し、経済産業相が原発稼働命令を出すしかないのでは」。経産省内ではこんなシナリオもささやかれている。

割高調達、募る焦り LNGの死角(下) 巻き返しへ官民始動 :日本経済新聞

原発停止で発電のガス依存が進む(千葉火力発電所の緊急電源)

「日本の電力市場に参入できないか」。ロシア国営のガスプロムは昨夏、大手商社を通じて日本政府に打診した。今後の電力自由化をにらみ、火力発電所などガスの供給先を確保する戦略だ。

 ロシアは欧州に次ぐガスの販売相手をアジアで探す。中国との価格交渉が難航し、日本に接近している。20日には資源エネルギー庁の高原一郎長官がモスクワでガスプロムのミレル社長と会談。日ロ共同でウラジオストクに液化天然ガス(LNG)基地を建設する計画を確認した。サハリンやシベリアのガスをウラジオ経由で日本に運ぶ。

 2月初め。韓国ガス公社の朱剛秀社長が来日し、日本の電力、ガス会社の首脳と相次ぎ会談した。ガスの共同調達などで意見を交わしたとみられる。LNG購入量の1位は日本、2位は韓国で合計で世界の半分近い。ガス需要のピークは日本は夏だが韓国は冬。共同調達すれば年間で需要をならせる。韓国ガスと日本企業が共同でガス田の権益を取得する構想も水面下で進む。

 原発停止でガス依存が進む日本。エネルギー政策の転換をにらみ様々な国が近づく。ただ、日本の政府や企業に変化への覚悟や備えは十分だろうか。

 

韓国に後じん

 

 1月30日。韓国ガス公社が米シェニエール社と、年350万トンのシェールガスを2017年から20年間にわたって輸入する契約を結んだ。

 頁岩(けつがん)に含まれるシェールガスは採掘が難しかったが、00年代に入って北米で商業生産が本格化。世界のエネルギー地図を塗り替えた「革命」と呼ばれる。米国では生産拡大でガス価格の下落が進み、100万BTU(英国熱量単位)あたり2〜3ドルと日本の6分の1以下。輸送費などを上乗せしても日本の調達価格より3割は安いとされる。原油相場に連動しない利点もある。

 米国はだぶついたシェールガスの輸出に乗り出している。ただエネルギー安全保障の観点から輸出に制限を設ける。輸出にはプロジェクトごとにエネルギー省の許可が必要。米国と自由貿易協定(FTA)を結んだ国への輸出と、FTAを結んでいない国への輸出で許可を分けている。

 

米に許可要望

 

 米国とFTAを結んでいない日本はガス輸入のハードルが高い。経済産業省の牧野聖修副大臣は昨年9月にサンフランシスコを訪れ、米エネルギー省のチュー長官と会談。ガス輸出事業を許可するように働きかけた。しかし「非FTA国」向けで第1号の許可案件だったシェニエールは今回の韓国ガスで「完売」。韓国勢に先を越された

 原発停止の応急策で天然ガスをかき集めた日本だが、今後の最大の問題は調達価格だ。日本企業の長期輸入契約の価格は現在100万BTUで約16ドル。米国の6〜7倍、欧州と比べても5割は高い。日本のLNGは原油価格と連動する契約で、投機マネーの流入で高値圏にある原油相場に引っ張られる。「シェールガス革命」の恩恵は及ばない。

 欧州のガス輸入もかつては原油価格連動だった。それが短期調達のガス市場との価格差が広がったため、独エーオンなどエネルギー大手がロシアのガスプロムと交渉。10年に取引の一部で割高な原油連動を外し、11年にはさらなる値下げを求めて訴訟まで起こした。

 一方、日本の電力会社は「総括原価方式」でコストが少々高くても利益が保証される。価格より安定調達を重視し「メジャー」と呼ばれる欧米資源大手との取引を優先した。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の石井彰特別顧問は「百貨店ばかりで買い物してきたようなもの。今後は(シェールガスなど)『格安店』も利用すべきだ」と語る。

 ガス価格上昇への備えとしては、円高を生かした日本勢によるガス田権益の取得も有効だ。価格が上がっても配当金として還流し国富流出を抑えられる。資源投資で先行した大手商社7社の11年3月期の受取配当金は1兆円を突破した。

 調達先の多様化、海外との共同調達、権益の取得……。「ガス依存時代」を生き抜くには官民による総力戦が必要になる。


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