深井動物病院からのお知らせ

堺市・深井駅近くの動物病院『深井動物病院』からのお知らせのブログです

フィラリア予防はまず血液検査から。

2008年04月05日 | 病院のお知らせ
もうしばらくするとフィラリア予防開始の時期です。
今さら言うまでもないかもしれませんが、「フィラリア感染症」は
「フィラリア(犬糸状虫)」という細長い虫が心臓の右心に寄生
することによって心不全をひきおこし、多臓器不全にまで進行し
死に至る寄生虫感染症です。

「フィラリア」の感染は「蚊」の吸血活動によっておこなわれます。
フィラリア感染犬の血液中には「ミクロフィラリア(mf)」と呼ばれる
仔虫が無数に存在します。蚊の吸血によって、その体内に移動したmfは
一定期間そこに留まり発育します。発育したmfは蚊の吸血によって再び
犬の体内へともどり、さらに発育を続けながら心臓内に達し成虫となります。

「フィラリア」の発育で最も特徴的なのは「蚊」(中間宿主)の体内に
移動して発育し、再び戻ってこないと成虫にはなれない、ということです。
したがって、たとえ既にフィラリアに感染していても、今後蚊に吸血
されないようにするか、予防薬を投与すれば、今以上に心臓内の
フィラリア数が増えることはありません。

「フィラリア」は心臓内に寄生するため、その駆除は簡単ではありません。
やはり感染予防に心がけるのが重要です。
「予防薬」を月1回投与することで、蚊によって伝播されたmfを
成虫になる前に死滅させることができます。
「予防薬」はとても安全な薬ですが、フィラリア感染犬については慎重に
投与する必要があります。
血中に無数に存在するmfが「予防薬」投与によって一気に死滅すると、
食欲不振、嘔吐、ふらつき、起立困難などの副作用が現れ、ショック状態
に陥り死亡する場合もあります。
一度でも蚊の吸血活動時期を過ごした犬は、予防薬投与前に
必ず血液検査によって、血中にmfが存在しないことを確認してください。

安全確実なフィラリア予防はまず血液検査から!

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